1年ほど前にツタヤで借りた「エクスタシス」「アルケミスト(錬金術師)」の2本の映画をきっかけに、グレン・グールド中毒が始まった。
グールドは、1932年生まれ、1982年没のカナダ人ピアニスト。今年が没後30年ということになる。30年ほど前にレコードの「ゴールドベルク変奏曲」などを聴いていたが、このたび価値を再発見。特にバッハ演奏で評価が高いが、ベートーベン、モーツアルト、シェーンベルク、ベルク、ブラームスなど、どれを聴いても他のピアニストとは違った素晴らしい演奏が聴ける。
幸い輸入盤のCDが1枚700円程度で買えるためどんどん揃えていった。そうこうするうちに、CDとDVD合わせて40枚「バッハ・コンプリート・エディション」が12,000円程で発売される。大半はすでに持っているものだが、まだ持っていないものもあり、こちらも購入。DVD3枚組のバッハシリーズは、輸入盤が3000円と安く飛びついたが、結局は、日本語字幕付きの同じ内容のものを、9000円とお高いがモンサンジョンとグールドの対話を知りたくて買ってしまった。
書籍類も並行して購入。
しかし、他のピアニストは聴く気がしないほど素晴らしい!
フリードリヒ・グルダも好きで、これまで聴いていたが、グルダはジャズに傾倒する時期もあるものの、やはりクラシックの中心地であるウイーン正統派。生まれた時からクラシックの中心地で過ごし、何をやっても根底にクラシック音楽の伝統が流れている。一方、カナダ生まれのグールドは、母親やゲレーロに師事するが、クラシック音楽は、トロントにやってくるオーケストラやレコードなどから入ってくる情報から成り立ち、楽譜を自身でじっくり読みなおし、「再作曲」する。新しい解釈、これまでなかった誰かの真似ではない解釈を提示する。