ポートモレスビーの警官は、市民の安全を守る存在ではない。人口に占める警官の割合は他の外国と比べて少ないこともあって、街で警官の姿を見かけたことはない。部族抗争や貧困問題から治安は悪いのだが、凶悪事件があっても捜査能力が低く現行犯以外はなかなか逮捕されないと言われている。カージャックにあっても犯人が逮捕されることはまれなのだそうだ。
そんな警察だが、日中、道路を走る車両を対象にロードブロックと言われる検問をしょっちゅうしている。主にフロントガラスに法律で定めれたシールの期限が有効で、登録税が払われているかどうかチェックしていることが多いのだが、それらに問題がなくとも、明らかに外国人(東洋人)はターゲットにされる。路肩に車を止めるように言われ、あれこれ言われて罰金を請求される。後部座席の乗客がシートベルトを締めていないとか、ウインドウォシャーが出ないとか、シールの有効期限があるのに間もなく期限が切れるとか、路肩にすぐに停止しなかったとかなどと言いがかりをつけられる。それに口答えすると「警官に攻撃的な態度を取った。」として罰金額が増えたりする。
この際の対応は非常に難しい。免許証を差し出しこちらの名を名乗ったうえで、警官の名前を聞く。違反切符を貰い、現金で払わない。これは勿論、彼らの小遣い稼ぎにならないようにするためだ。
警官の給料は、5万円程度。優秀な者は、給与の高い民間会社に流れるという。ポートモレスビーには大型のスーパーなどがあり、様々な品が売られているが、ほとんどが輸入品なので、値段は日本以上に高い。5万円の給料では、そのような品を買うことは困難だろう。一方で、我々外国人以上に裕福なPNG人も多い。パプアニューギニアは近年LNG、金などの鉱物資源が発見され、資源ブームに乗った一部の現地人とそうでない人との較差が大きいので、このような現象も仕方がないのかなと思う。