つづき
我々の友人の間に、そのもてる男を表す伝説があった。もてる男、小学校高学年、放送室での話。もてる男は、放送室に同級生の女の子と二人きりだった。女の子がなにやら真剣な表情になり「うち、あんたのこと好きやねん。そやからうちと付き合うて欲しいねん。」もてる男。「わかった。付き合うて欲しかったら、パンツ脱げ!」
!!。この伝説をもてないじじいが、同類の友人から聞いた時、もてる男はさすがに早熟やなあと思った。じじいが小学校の5,6年生の頃はずいぶん幼稚で(今も幼稚だが)、告白された女子に「パンツ脱げ!」という発想はほぼなかった。(主が大人になるにつれ、この妄想に大いに悩まされる。)
実際の話だったのかどうか真偽がわからないまま、とうとう約40年が過ぎた。本人にこの話の真偽を確かめたいと昔から思っていたので、この機会に本当かどうか聞いてみた。もてる男「俺もそういう噂があるのは、知っとった。」しかし、もてる男に説明しながら、じじいはどうしても笑ってしまう。どうも力が入らない。こういう肝心なところで、照れて脱力してしまう。肝心なところでダメなじじいだ。
結局のところ、真剣に質問する事が出来ず真相は藪の中のまま、他の話題になってしまった。申し訳ない。
もてない男ともてる男の一番大きな差は、もてない男は人格まで否定してしまうところだろう。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と簡単になるようでは人間が出来ていない。じじいはぜんぜん人間がなっとらん。もてる男も結構いろんなことに憤慨していたが、相手の人格を全否定することはなかった。
おしまい