PCオーディオの話 (再)

30年前に決められたCDの規格は44.1KHz、16bitである。これをざっくり説明すると、サンプリングと言うのだが、1秒間を44,100分の1に分割し、65,536(16bit)種類の音、デジタルで表現していることになる。音は波の形で表現できるが、44,100分の1秒ごとに65,536の音色で表現されながら、もとの演奏を再現している。これが、30年前の規格なのだが、600MB(メガバイト)のCDに70分程度の演奏が入る。

ところが、コンピューターの発達の過程そのままに、コンピューター発展の初期段階ではCDの規格を圧縮する技術がもてはやされた。例えばMP3という規格がそうだが、圧縮したり耳に聞こえない成分を捨て去ることで、データのコンパクト化が行われた。こうすることでCD1枚に千曲も入るということになる。(その分、音質は犠牲になっている)

一方、現在ではコンピュータの性能も上がり、インターネットのスピードも格段に向上した。実際の録音の現場では、サンプリングの精度が格段に上がり、192KHz、24bit以上になっている。これは、先ほどと同じ表現をするならば、1秒間を192,000分の1に分割し、16,777,216(24bit)種類の音で表現していることになる。1秒間を分割する割合で4倍強、音の種類で256倍ということになる。それなら、1000倍ほどの情報量になり、データの大きさも1000倍になるかというと、CD(600MB)に入っていたものがDVD(5GB=CD約8枚分)に入る程度で済むようだ。これくらい現在の録音は情報量が違うのだが、30年前の規格であるCDで発売するためには、せっかく良い音質で録音したものをわざわざダウンコンバートしているわけだ。そこで、録音された情報量そのままに聴きたいというのが人情である。そこで最近はやりだしたのが、ハイレゾ(High-Resolution Audio)だ。一般的な入手方法はインターネットからのダウンロードである。

昔と比べてインターネットのスピードも速くなり、ハードディスクやUSBメモリーなどの記憶容量が格段に増えた。これまでの制約がなくなったのだ。

そうした原理的なことに加え、音楽データをパソコンやホームサーバーに入れたり、携帯パッド(スマホなど)にいれ、USB接続、LAN接続、bluettothやWiHiで飛ばし再生するのだが、これには大きなメリットがある。

まず第1にCDプレイヤーが不要になることである。最近ではデジタル出力を備えたCDプレイヤーもあるが、一般的にはCDプレイヤーの出口でアナログ変換がおこなわれ、この段階で音の劣化が始まる。CDプレイヤーの後段に接続するアンプをいくら高級品を使おうと接続に安物のケーブルを使えば、それがボトルネックになる。CDプレイヤーには高級品は数十万円するものがあり、デジタルのままデータを出せば(USB接続、bluetoothやWiHi)、音の劣化がない。第2のメリットはCDのようにいちいちディスクを交換しなくとも、パソコンの画面から簡単に選曲できるし、スマホのような端末ではさらに便利だ。

次のリンクは、再びオーディオの世界へ参入したソニーの製品のリンクだ。残念ながら、超高級品というわけではないが入門機としては十分、手ごろだろう。これまでのアナログの機器とは音が明らかに違う。写真はハイレゾウォークマンだ。近い将来、こうしたウォークマンのような専用機ではなく、スマホでハイレゾを再生できるようになるのは確実だろう。インターネットのクラウドにデータを置き、スマホでハイレゾを楽しむということは、今でも可能だろう。また、パナソニックが昔のブランドであるテクニクスを復活させるというニュースもある。日本はまだだがヨーロッパが先行するようだ。この発表を見ていると、高級品は500万円!、低価格品は50万円というから力の入れ具合が、わかろうというものだ。この高級機とハイレゾを組み合わせると次元の違う音が鳴るのではないか。ソニーとテクニクスでは路線に違いがあるようだが、世界中を席巻してもらいたいものだ。

残念ながら、パプアニューギニアで暮らす身にとっては、YOUTUBEの再生もままならず、当面無理だなのだが。

http://www.sony.jp/system-stereo/lineup/high-reso.html

sony

 

 

投稿者: brasileiro365

 ジジイ(時事)ネタも取り上げています。ここ数年、YOUTUBEをよく見るようになって、世の中の見方がすっかり変わってしまいました。   好きな音楽:完全にカナダ人クラシック・ピアニスト、グレン・グールドのおたくです。他はあまり聴かないのですが、クラシック全般とジャズ、ブラジル音楽を聴きます。  2002年から4年間ブラジルに住み、2013年から2年間パプア・ニューギニアに住んでいました。これがブログ名の由来です。  アイコンの写真は、パプア・ニューギニアにいた時、ゴロカという県都で行われた部族の踊りを意味する≪シンシン(Sing Sing)≫のショーで、マッドマン(Mad Man)のお面を被っているところです。  

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