written on 2015年7月12日
ギリシャ危機は、ギリシャがEU側にかなりの譲歩をして、その裏で債務の削減(帳消し)を要求するだろうといわれている。それに対し、EU側がギリシャの案を受け入れ、ギリシャがEUに残留するかどうかの瀬戸際にある、というのが大方の報道である。
だが、主が高く評価するスティグリッツは、過激にも「EUから出ていくべきは、ドイツだ」といっている。2008年の金融危機(リーマンショック)以後、ギリシャはEU、ECB、IMFの3者から緊縮策を受け入れさせられ、症状は悪化しているというのだ。
スティグリッツは、「ギリシャは間違いを犯したが、ユーログループはギリシャに有毒な薬を処方したことがより重大だ」と言っている。有毒な薬の処方とは、「具体的には公務員の解雇と自宅待機、年金支給額40%削減、公務員給与15%削減、医療保健費、教育費などの削減だ。その結果、失業率は25.8%、特に25才未満は64.2%となっている。GDPもマイナス8.9%(2011年)、マイナス6.6%(2012年)。貧困層と中流層のダメージが特に大きく、彼らがシリザを政権に就かせた原動力となった。」(シリザは急進左派連合のこと)また、2015年1月28日付のスペイン紙は「ドイツは子どもの頭をもった巨人だ。何度も壁に頭をぶっつけても認識しないでいる」
http://newsphere.jp/world-report/20150206-1/
同じように主が高く評価するクルーグマンも同じ趣旨の発言をしており、政治体制が別々のまま通貨統合が行われたことにより、ギリシャのような弱い国にとっては、経済政策の余地がない。強い国の言いなりになって、背負った借金を返すだけの奴隷みたいなものだ。
http://newsphere.jp/world-report/20150629-2/