written on 12.12.2015
経済学者たちの世界ほど、混沌としている分野は少ないだろう。人文科学は科学ではないのだろうか。
エコノミストと言われる人の中に浜矩子がいる。ウィキペディアによると一橋大学を卒業後、三菱総研に入社、今では同志社大学大学院教授である。次が、毎年の経済予測をした著作の題名である。(ウィキペディアには、「世界恐慌の予言を毎年行っている」と書かれている!)
- 2011年 日本経済 ―ソブリン恐慌の年になる!
- 2012年 資本主義経済大清算の年になる!
- 2013年 世界経済総崩れの年になる!
- 2014年 戦後最大級の経済危機がやって来る!
- 2015年 日本経済 景気大失速の年になる!
- 2016年 日本経済複合危機襲来の年になる!
以下は、2015年11月21日(土)浜矩子がゲスト出演した『田勢康弘の週刊ニュース新書』(テレビ東京)から。安倍晋三総理の経済政策「アベノミクス」を「アホノミクス」と批判し続ける“ブレない経済学者”である。
2016年の株価予想では、「1万円割れ」とボードを出しているが、去年も同じことを書いていた! 参考までに、今週末の株価は19,000円あたりである。この状況で、来年の株価を1万円割れとテレビで予想するのは、その根性に感服する。世界大戦が起こると考えているのかもしれない。
持論の「1ドル=50円」! この1ドル50円は、民主党政権の時に1ドル80円を切る円高が起こっており、大センセイは円高はさらに進行し50円になると予想していた。実際のマーケットは、2012年11月の衆議院解散後に安倍政権が登場し、金融緩和が行われ円安が進んだ。現在の水準は、1ドル122円ほどである。一時は、125円ほどの円安になっていたのだが、中国経済の懸念などで、リスクヘッジのために少し円が買われている。
この大センセイ、マスコミで結構もてはやされている。アホノミクスは、毎日新聞の連載記事だし、朝日系列、東洋経済などにも記事が載っている。
こういうことって、ありなのか?と正直思う。書いている本を実際に読んだわけではないのだが、おそらく経済を数学的に説明せずに、主観的な議論を展開しているだけだろう。マスコミが、こういう主張を喜んで取り上げるのは見識を疑う。
マスコミは、売れて読まれ(見られ)なければ始まらないということかも知れないが、何でも出せばいいというものではないだろう。受け手の側の多くが、その気になるのだから。