B&W 805D3 購入!

主は、下の写真のB&W CM8というスピーカーを2年ほど使っていた。B&Wというのはイギリスの会社である。秋葉原のヨドバシカメラに高級スピーカーを並べた部屋があり、やはり高級アンプ、高級CDプレイヤーの試聴をする際のリファンレンススピーカーとして店員が勧めていたのがこのB&W CM8だった。店員のこの話を聞き、これを買ったのだが結構気に入っていた。

B&W
B&W CM8

ところが、主がふだん行っているテニスクラブに、やはりクラシック好きでオーディオマニアの爺さんがいる。もちろん主も爺さんだが、このご仁は東京国際フォーラムで行われるオーディオフェアへ毎年欠かさず出かけるという筋金入りだ。

80歳の少し手前で、気の毒なことに現在は心臓病を発病し、いまはテニスを休んでいるのだが、秋には復帰できるらしい。この年齢だが、エドバーグ(この名前を知っている人は昔からのテニスファンですね)が使っていたようなフェース面積の小さい(85インチ!)こだわりのラケットをずっと愛用している。

音楽/オーディオの方は、チェロのミーシャ・マイスキーのファンだがジャズも聴くというオーディオマニアで、主はテニスクラブで音楽談義に話を咲かせていた。次の写真が、彼が持っているスピーカーだ。このスピーカーは1980年代に発売され、その後も大ヒットを続けた。

B&W_matrix801
B&W 801Matrix

B&Wのこのスピーカーのシリーズはその後も改良され、高い人気を保ち続けるのだが、昨年の秋にもモデルチェンジをし、主はその評判を耳にしていた。このB&Wの最高位のラインナップは800シリーズといい、主が購入したのは下の写真の805D3だ。最初は、評判を知っていたが、価格ゆえに躊躇していた。だが、普段聞いているグレン・グールドの協奏曲物とピアノソロ、ちょっと録音が古く音質が良くないものなど取り混ぜて、何度かヨドバシカメラへ持って行き試聴はさせてもらっていた。

B&W_805D3
B&W 805D3

試聴すると、表現される内容の次元が、これまで使っていたスピーカーとは違う。これまでは朦朧として気が付かなかったのだが、例えば、グールドのベートーヴェンピアノ協奏曲3番(指揮:バーンスタイン)は、1959年の演奏(グールド27歳、バーンスタイン41歳)でステレオ録音が始まった時期のものだが、オーケストラの音色、金管楽器と弦楽器がフォルテで全奏するところなど、古式蒼然とした音色だということに気が付く。大仰といってもいいし、歴史的録音という表現もできるだろう。それに、グールドのピアノのトラックが、真ん中に非常に大きな音で強調されており、今の録音ならこう極端なことはしないよなと今更ながらに思う。

主は、これまで器楽曲や室内楽といった小編成のものばかりを聴いてきた。というのは、オーケストラなどを聴くと、普通のスピーカーでは解像力が劣るために、音が混じってしまいいまいち好きになれないのだ。ところが、この805D3ではオーケストラが、オーバーな言い方だが、コンサートホールではこのように聞こえるだろうという再現性を見せる。さらに、このスピーカーに替えて気が付いたのは、チェンバロの音の美しさだ。特に録音が古いチェンバロ、例えばグスタフ・レオンハルトのもの(1972年の録音だった)などはあまり聴きこんでいなかったが、初めてその価値に気づいた。音が正確に表現されると違って聞こえるのだ。レオンハルトおそるべし。

チェンバロに限らず、「このCDには、こんな音が入っていたんだ!」と思うこともたびたびある。(おかげで、ジャズのマイルス・デイヴィスもよく聴くようになった)

この800シリーズのラインナップは次の4種類あるのだが値段がすごい。一番左が、802D3 で¥3,400,000、左から二番目が803D3で¥2,700,000、左から三番目が804D3で ¥1,460,000、右端が主が購入した805D3で¥880,000である。この805D3はブックシェルフ型なのだが、写真の純正スタンドは¥140,000する。

B&W800series

このヨドバシカメラでの試聴の際に、顔見知りになった店員に小声で「ここだけの話ですぜ。即決するなら、スピーカー2台で6万円まけます」と言われるのだ。ここで、最近の円高で輸入品の仕入れ値は下がっているはずだから、値下げされないかなと思っていた主の心は揺れる。ぐらぐら。とりあえず、名刺をもらって帰る。

そこで、奥さんに反対されない方便を考える。前から考えていたのは、古いスピーカを息子に譲り、有効活用を図る。これなら仕方なく認めてくれるかもしれない。

結局、ヨドバシカメラと自宅で同じ音が再現できたか? それは残念ながら、ヨドバシカメラの方が良いようだ。なぜなら、ヨドバシカメラでは純正のスタンドを使い、スピーカーケーブルは最高のものを使っている。アンプも相当、高級品だ。エージング(暖機運転を十分にすること)も十分だ。

オーディオの世界は、壁の電気コンセントとアンプなどの電気機器をつなぐケーブル(電線)や電気コードを差し込むタップに、10万円以上するものが売られているほどキリのない世界なのだ。オーディオにどんどん凝っていくと、究極は、電力会社にオーディオ専用の電柱を立ててもらうところまで行く。間違ってもそういう世界に入らないように、気を付けながら愉しもうと思っている今日である。

 

投稿者: brasileiro365

 ジジイ(時事)ネタも取り上げています。ここ数年、YOUTUBEをよく見るようになって、世の中の見方がすっかり変わってしまいました。   好きな音楽:完全にカナダ人クラシック・ピアニスト、グレン・グールドのおたくです。他はあまり聴かないのですが、クラシック全般とジャズ、ブラジル音楽を聴きます。  2002年から4年間ブラジルに住み、2013年から2年間パプア・ニューギニアに住んでいました。これがブログ名の由来です。  アイコンの写真は、パプア・ニューギニアにいた時、ゴロカという県都で行われた部族の踊りを意味する≪シンシン(Sing Sing)≫のショーで、マッドマン(Mad Man)のお面を被っているところです。  

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