パプア・ニューギニアから昨年帰国したのだが、向こうでLENOVO E130というノートパソコンを使っていた。今から4年ほど前の製品で、起動に1分程度時間がかかり、もどかしい思いをしていた。このため、内蔵HDDをSSDに交換すれば起動も早くなると考えた。今更HDDをSSDへ交換するより、新製品を買った方が良いのではないかと悩んだのだが、SSDはずいぶん安くなっている。
このノートPCに入っている古いHDDの速度をフリーソフトで測ったところ、50MB/s程だった。だが、SSDでは500MB/s以上出る。実に10倍のスピードである。それに値下がりが続き、500GBの容量で1万5千円程で買える。ノートPCを買い替えるとすると、安いものは3万円程度で買えるが、主が魅力を感じる性能をもつ機種では10万円は出費しなければならない。交換する前に、HDDの内容をWindowsのコントロールパネルのシステムイメージの作成により、イメージを他のドライブに念のために保存したりしていた。しかし、メーカーが提供する「引っ越しソフト」でHDDの内容を簡単にコピーでき、古いHDDと新しいSSDを交換するだけで入れ替えが終了し、ちょっと拍子抜けした。
上の写真は、HDDと同じ形をしたSSD(2.5インチタイプ)だが、データのやり取りをする規格にSERIAL ATA 6Gb/sという規格が使われている。これでは理論上の速度の上限値が720MB/sを意味する。市販のSSD製品速度は550MB/s程度であり、HDDではそこまでの速度が出ないために問題がないが、SSDの場合は理論値にかなり近づいている。
一方、最近はこのデータをやり取りする新しい規格が出てきた。すなわち、PCI Express 3.0 NVMeという規格だが、上限の理論値は4000MB/sもある。この理論値に近い性能のSSDが発表された。Samsung SSD 960 PROで、3500MB/sも出る。これは従来のSSDの7倍の速度だ。HDDと比べると70倍であり、これはちょったしたブレイクスルーと言える。下のリンクは、このサムスンSSDの詳細を伝えるニュースだ。
http://news.mynavi.jp/articles/2016/09/26/samsung_ssd/
当たり前と言っては当たり前だが、残念ながらこの規格は最新式のマザーボードでないと使えない。マザーボードを交換するとCPUのソケットの規格も新しくなっており、新しいCPUを買わなければならない。メモリーも変わっているので新品を買わなければならない。パーツの性能にもよるが一とおり揃えると、10万円ほどの出費が必要だ。
それだけ投資をしてレベルアップする点は、起動時間が30秒だったものが、10秒位になるといったところだろう。他にも4Kのディスプレイが使えるメリットなどはあるが、主は4Kのディスプレイを使っていないので切実ではない。組み立てるところをあれこれ頭の中でシミュレーションするのは愉しいが、20秒の差に10万円を出すのは蛮勇をふるわなければならない。