日経新聞 財務省ちょうちん記事でっち上げ 浜田宏一/高橋洋一対談

written on 21.10.2016

ラジオ・ニッポン放送に「ザ・ボイス そこまで言うか」という番組があり、経済学者の高橋洋一氏が隔週で出演している。

この高橋氏はリフレ派(マイルドなインフレにより経済成長を果たすのが経済運営に効果的だと考える人のことをいう)の旗頭の一人で、財務省が主導する財政再建キャンペーンを激しく批判している人物だ。財務省、マスコミは「日本の借金が1000兆円」で「GDPの2倍」と盛んに宣伝している。これに対して、高橋氏は、1000兆円は債務の総額(グロス)であり、一方で日本には資産が650兆円あり、正味債務(ネット)は差し引き350兆円になる、このため、財務省の宣伝は恣意的に危機を煽っているとあちこちで主張している。この主張は、どこかで知った人も多いだろう。

この番組の10月18日の放送で、国際電話で登場した安倍首相のアベノミクスのブレーンである内閣官房参与の浜田宏一氏が、メディアに言っていないことを書かれるとめずらしく、激しく憤慨していた。浜田氏は、イェール大学名誉教授でアメリカを本拠地にしている経済学者で、国際金融論やゲーム理論などが専門だ。

憤慨している内容のリンクと簡単な要約を記すと

(次がラジオ・ニッポン放送のYOUTUBEのリンクだ)

https://www.youtube.com/watch?v=pOwrlDff9sA

(次が問題の日経新聞の記事である)

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 1) 浜田宏一氏が「アメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)と日銀金融政策決定会合の開催時期が近くて微妙だ」と発言したところ、外国報道社に「日銀金融政策決定会合をFOMCの前に開催するのはやめるべきだ。」と発言したと書かれて困っている。 

2) 浜田宏一氏が安倍首相に「今がロシアと経済で手を結ぶ最大のチャンスです」と熱弁をふるったと日経新聞に書かれているが、このような(ロシアの発言)ことは全くない。

3) 浜田宏一、高橋洋一両氏などのリフレ派経済学者は、主流の経済学者ではなく異端と読める表現になっている。しかし、日本の経済学の状況が世界とかけ離れている(日本の経済学者は、理論と実証が分離しタコツボにいる)のであり、世界的にはリフレ派が主流である

4) 記事でリフレ派のアベノミクスが敗北したかのように書かれているが、現実を見ていない。雇用状況は大幅に改善しており、極めて低い金利のもとで金融政策(量的緩和)の効果が出にくくなっている状況はあるが、敗北ではない。金融政策と財政政策を合わせ、デフレから脱却し、経済成長するしか進む道はない。

といったところだ。(もっと、中身のあることもたくさん話題に出てくるので、是非YOUTUBEを再生してください)

それよりも何も、主が記事を読んで気づくのは、日経新聞の財務省へのヨイショであろう。消費増税時の関係者として浜田宏一氏をキャプションしているが、浜田氏は消費増税をずっと批判してきた立場だ。知らずに記事を読むと、増税に賛成したのかと思う。

また、(財務省が)『「呼吸がわかってきた」。政府が28.1兆円の大型経済対策を詰めた今年7月。規模は財政投融資で大きく膨らませて見せ、赤字国債は新たに出さない――。財務省の演出を首相も採用した。』と書いている。しかし、これに対し、「私も言いたいことがある」と高橋氏が言っている。すなわち、「財政投融資を使うのは、私が昔の大蔵省で初めて採用した政策(財投債はプライマリーバランスに影響しないルール)で、このアイデアを官邸に伝えたのは自分だ。財務省ではない。記事は全く嘘だ。取材しているのか。」と述べている。

最後の部分もひどい。記事の最後は「本田、浜田両氏ら側近のベスト・アンド・ブライテストたちと首相の協議はあくまでも 非公式な場。長期安定政権には「主流」の力を引き出す懐の深さも求められる。」とある。ここでいう本田悦朗氏、浜田宏一氏は「異端」「傍流」の扱いになっており、それ以外の「主流」を使う「懐の深さ」と言っている。

いったい日経新聞の言う「主流」の経済学とは何なのか。ラジオ放送にも出てくるが、この書きぶりに記者のインテリジェンスを疑う。

ちなみに、誰が書いたか記事の署名がない。書名がなければ、これだけ根拠がないことでもすらすら書けるのだろう。

 

 

 

 

 

投稿者: brasileiro365

 ジジイ(時事)ネタも取り上げています。ここ数年、YOUTUBEをよく見るようになって、世の中の見方がすっかり変わってしまいました。   好きな音楽:完全にカナダ人クラシック・ピアニスト、グレン・グールドのおたくです。他はあまり聴かないのですが、クラシック全般とジャズ、ブラジル音楽を聴きます。  2002年から4年間ブラジルに住み、2013年から2年間パプア・ニューギニアに住んでいました。これがブログ名の由来です。  アイコンの写真は、パプア・ニューギニアにいた時、ゴロカという県都で行われた部族の踊りを意味する≪シンシン(Sing Sing)≫のショーで、マッドマン(Mad Man)のお面を被っているところです。  

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