漫画にしろ、AVにしろ、デジタルなものはいくらコピーしても劣化しないし、オリジナルと区別がつかないというメリットとともに、誰の所有物かわからないという大きなデメリットがある。
これは、誰か1名が有料会員になって、コンテンツをダウンロードすると、それを別のサイトへアップすれば、広告収入を財源に新しいサイトを立ち上げるビジネスが出来たり、発信者が特定できなかったり、たとえ見つかって罰金が科されても罰金の額が少額なら、新たに会費を取って別のサイトを運営することすら得策になる可能になる。
このコピーかオリジナルか区別できないという問題は、ブロックチェーンという技術が解決するということを最後に述べる。
まず、漫画タダ読みの実情
最近、漫画のタダ見サイトが摘発されたというニュースが流れた。要約すると、海賊版サイト「漫画BANK」が、日本のマンガを無料で見れるようにしていて、講談社、集英社、小学館の被害額は2000億円以上になる。今回、中国の発信者を特定、サイトは閉鎖され、罰金60万円が課され、日本の関係者は「画期的なこと」「今後、賠償請求する。」というものだ。
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pqdob79X0P/
NHKのクローズアップ現代から
この著作権侵害事件は、以前にもあった。こちらは「漫画村」という日本人がサイトを運営していた事件で、懲役3年、罰金1千万円、追徴金約6200万円の判決を地裁が言い渡している。
朝日新聞デジタルから
この二つの事件を取り上げたが、いまだにマンガの海賊版サイトはあり、それを紹介するサイトがいくらでもネット上にある。
次に、AVタダ見の実情
こちらもとんでもないことが起こっている。日本のAVは、昔レンタルビデオ屋でテープやDVDを借りということが中心だったが、今はネットで会費を払ってみるという方法も一般化している。このとき、日本のAVは法律により性器が映っていてはダメなので、ぼかし(モザイク)が入っている。しかし、これも運営会社が海外にある場合は、ぼかしのないものが配信されている。このぼかしのないものを、日本で売るのは違法なのだが、個人で見る分には違法でない。
現在起こっていることは、マンガと同じ構図で、これらの有料のコンテンツが無料で見れる状態になっている。それも日本だけでなく、世界中で見れるようになっており、儲けているのは海外の海賊サイトである。
前述したように、日本にはぼかしのあるもの、海外の有料サイトが配信するぼかしのないものの両方のサイトが、10社以上は確実にあるのだが、それらが配信するコンテンツが、またたく間に、ほぼ同日のうちに海賊版サイトに流出してアップされている。
バブルの頃は女性が1本AVビデオに出演すれば、100万円ほどにもなったというが、今はすっかりデフレ化し、それよりはるかに安い金額の出演料で、パパ活でAV出演する場合は、もっと安かったりする(数万円)ようである。
そうして安い出演料で撮られたAVが、世界中でタダで見られるということを出演者が知っていれば、生きるのが優先するから、仕方ないかなと思う。しかし、大半がそのような実情を知らないのではないか。いや、今ではスマホで手軽に中高生あたりであれば何でも見ているだろうから、子供たちの方が実情をよく知っているのかもしれない。
大人たち、とくにスマホもろくに使いこなせない大人たちは、AVをダシにして日本人全員がカモにされていることを知るべきだ。インバウンドで多くの外国人が来るようになったが、こうした安い日本の風俗が背景にあり、リスペクトされる国ではなくなったことを知るべきだろう。むかし、高度成長の時代には、日本のサラリーマンが大挙して、東南アジアへ買春に出かけていた。この立場が、長引く低成長で逆転している。
マンガと違って、AVの場合は、日本の警察は著作権侵害の取り締まりに力を入れていないように見える。マンガの供給元は、基本的に大手の出版社であり、告訴する力がある。
ところが、AVの海外の違法サイトはすでに星の数ほどある。中国人やら欧米人が、サイトを運営しており儲けはそっちに行っている。 これらの被害を訴えるには、被害者が、被害を与えた者を特定して訴える必要がある「親告罪」になっていることがあり、これが対策のハードルを上げている。また、AV自体が日陰者の存在の面があり、なかなか撮影者も訴えるということをしないので、これらの現象は、表立って言われることは少ない。
前に、ストーカー小説を読んで驚いたことがあった。驚いたのは、内容よりも、どうやら警察やら司法関係者が、どうもペーパーベースで仕事をしているのではないかとという疑念だった。というのは、この小説では被害者がどこへ行っても最初からプライベートで言いたくない説明を始めからしないとならないのだった。要するに、これらの機関は、手書きが中心だった。今は多少改善しているのかもしれないが、そもそも、日本のデジタルに対する力が貧弱で、この方面の警察の捜査能力も国際水準といえないだろう。情報流出を恐れるあまり、県をまたいで、アナログな情報共有しかしていないような気がする。(これは余分でした。)
ブロックチェーンの話
ブロックチェーンという言葉は、ビットコインなどの仮想通貨の世界で語られることが多いが、インターネットの世界で暗号化され、所有権がしっかりしているため、改ざんされたりせず履歴がしっかり残るという特徴があるらしい。
「らしい」という表現で、弱気で恐縮だが、詳しく語るほど知らない。ただ、今はやりは、WEB3とかである。WEB1.0がインターネットの黎明期であり、WEB2.0が、アメリカの巨大企業であるGAFAMが、個人データ集めまくって儲けた時代という意味で、WEB3になると、データがGAFAMに集中することなく、我々個人ベースでも容易にプロジェクト遂行できる時代が来る「らしい」。
結局、ブロックチェーン技術によれば、誰が作ったAVファイルなのか所有権が明確になる。マンガも、どこの出版社に著作権があるのか、明確になる。そうなると、違法海賊版サイトの運営は難しくなるだろう。
おなじようにSNSなどで、誹謗中傷しても誰の責任なのかすぐにわかる時代がくるかも知れない。
最後は知らないことだらけになってしまった。ひらにお詫び申し上げる。m(__)m