じじいの《紹介》欄にも書いたが、地上波のテレビに見るところはないが、YOUTUBEやニコニコ動画などを見ていると知らなかったことがたくさんあり、時間がいくらあっても足りず、見飽きない。
今回は、青汁王子と呼ばれる三崎雄太さんのチャンネルから、箕輪厚介さんとの対談を紹介する。
この対談を通じて思うのは、三崎雄太氏、箕輪厚介氏どちらも、こせこせしたサラリーマンと比べると、振り切れていて雑念がない。人へ責任転嫁することなく、目的地へわき目も振らず疾走する人物の潔さがある。
ウィキペディアによると、青汁王子は高校卒業後、アフィリエイト(ブログなどで商品を紹介し販売した時に一定の報酬をもらったりする仕組み)で儲け、アプリを作ったりする会社を経営したりして、インターネットで美容通信販売の後に青汁を売って大成功する。ところが、脱税により逮捕され、世間からバッシングを受け転落。その転落を契機に、焼き鳥屋になったり、彼女に振られたりの一部始終を公開し反響を呼んだ。また、NO1ホストになったり紆余曲折をへて、単に会社経営で金儲けするより、世間に言いたいことを言うほうが楽しいと言って、ユーチューバーをして成功。ガーシーやホリエモン、ヒカルなどと活動している。
一方の箕輪厚介氏は、幻冬舎のカリスマ編集者で、幻冬舎自体が見城社長という強烈な個性のもとで、わずかな時間で大成長した会社である。氏はその幻冬舎で、何冊もベストセラーを生み出した。その本を売ることに関しての彼の語り口は、極めて明快だ。ただ話を聞いていると、例えばホリエモンであれば、ホリエモン自身は1文字も書いていないらしく、氏がゴーストライターの役目をしている場合もありそうだ。
そんなで、青汁王子こと三崎裕太氏が、角川から出版した「時を稼ぐ男」が重版されたのを機に、10万部を越え、さらにもっと売るための戦略を箕輪厚介氏に相談するというのが内容だ。
これに対する箕輪厚介さんの回答の要約はおおむねこんな感じである。
- ジャンルごとに「池」の大きさが決まっていて、《健康》なら100万部、《神社》なら7000部、《お金のビジネス書》は30万部。本の中身の良し悪しに関係なく、これが上限。
- 売り上げを増やそうとすれば、著者のコミュニティ(三崎雄太氏であれば、ホリエモンやヒカルなどの著名人)とコラボし、対談したり帯に推薦文を書いてもらう。そうすることで、対談した人のフォロワーにもリーチできる。
- 本屋さんへドブ板営業する。イベントやったりサイン会やったりする。
- 広告を異常なレベルでやる。中途半端では効果がない。 新聞広告の大きなものをやる。電車の中づり広告のジャックをする。電車の動画広告を1日中流す。タクシー広告をやる。広告は、ユーチューバーの三崎雄太には、認知を上げるのでムダ金にはならない。
箕輪厚介氏がいうのは、最初に火をつけられる(1~2万部売れる)のは実力があるからこそという。火がついたものを大きくする方法はある。火がつかない本を売ろうとしても、お金の力で本は売れない。
さらに興味深い、納得するようなことをビシバシいろいろ言われている。
- 頭おかしい人、ネジがぶっ飛んでいる人でないと本は売れない。
- 本を出したいと思っている時点でダメ。側から「本を出してください」と頼まれるほど、新しい考えなどがないとダメ。
- SNSでバズっている。バズる兆しがある。SNSで話題にならないものが本で売れるわけがない。
- アナログの本屋で売れるのは奇跡。ほとんどの人が本屋へ行かない。それほど難しい。いいタネを持っていないとダメ。
ここからは、おまけである。
前提条件として、YOUTUBEにしろTWITTERにしろ、SNSのプラットフォームというものは本来、誰に対しても平等に開かれているからこそ、プラットフォームと呼ばれるのだが、現実は違っていて特定の権力に反発するようなものは、バン(禁止、アカウント停止)され、公表の機会は奪われている。 具体的に説明すると、コロナで反ワクチンの主張やWHOや政府に異議を唱えるとBANされる。小林よしのり氏や尼崎の長尾医師などが該当する。また、参議院議員に当選したガーシーチャンネルは、楽天の社長や官房副長官を名指しで批判していたのだが、選挙の終盤戦にいつアカウントがバンされるか、投票日まで見れるか競争になってスリリングだった。また、もう一つ上げると、トランプ元大統領はそこらじゅうのSNSでバンされて、対抗措置として自分でSNS、《TRUTH SOCIAL》というものを立ち上げて発信している。
つまり、既存のSNSは、政治的に無色透明なプラットフォームではなくかなりなバイアスがかかっている。
とはいえ、いまのところYOUTUBEは、操作性もいいし、ユーチューバーにとって多くの視聴者を稼げるので、誰もが力を入れておりさまざまな新発見ができる。