エブリバディ・ノウズ【日本病〕 その1 「モリカケ問題」

日本は病気だと、主は確信している。その局面をこれからぼつぼつ書いていきたいと思っている。

主は、安倍政権のアベノミクスを高く評価している。しかし、安倍首相の「モリカケ問題」の対応を見て、日本に限りないインチキがまかり通っていると思っている。佐川前国税庁長官の国会での証言、セクハラ辞任の福田前事務次官、大田理財局長、矢野官房長官、柳瀬経産審議官など、公僕であって国民に説明責任を負っている意識など微塵すら感じられないが、その疑惑の頂点にいる安倍首相が、我がことであることを感じず、まるで他人事のように「徹底解明してウミをだしきる」とほざいていて、日本の政治もここまで劣化したのかと主は驚いた。

この二つの件は、官邸の指示だったのか、官僚の安倍政権に対する忖度だったのかが白日のもとに曝されることがないのかもしれないが、仮に忖度だったとしても、安倍首相は責任を負うべきだ。

週刊東洋経済4/28号に海上自衛隊の特殊部隊におられた伊藤祐靖さんという方が「上に立つものが部下の忖度を責めるのは禁物」というタイトルで寄稿されている。要旨を紹介すると、忖度は日本特有の心配りではなく、世界中のどこにでもある、部下が上司から指示を貰ったときにするミッションアナリシス(任務分析)だという。部下は上司の直接の命令そのものだけではなく、背景や真意などを含めて任務を遂行しなければならない。そして、彼はこう結んでいる。- 「それは部下が勝手に忖度(任務分析)してやったことだ」とはならず、「それはいつも私が求めたことであり、だからこそ部下は任務分析(忖度)してやったのです」ということになる。部下の行った忖度を責めるなど、上に立つものとして本末転倒の態度である。

仮に、直接指示を出していないからと、安倍首相が責任を取ることなく政権が続いたり、霞が関の高級官僚たちにも実質的な処罰が下されないのなら、日本に計り知れないほどのダメージをもたらすだろう。上に立つ者を表して「ノブレス・オブリージュ」という言葉が20世紀にはあった。この言葉は、財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを言い、こうした者は自分だけいい目をしてはいけない、下々の人たちに配慮しなければならないといことだった。ところが、この言葉は死語になってしまった。さまざまな苦労に喘ぐ下々を下敷きにして、上に立つものが憚(はばか)る状況になっている。

芥川龍之介の小説に「蜘蛛の糸」があり、小学校の教科書にも載っているようなので、誰もが知っているだろう。この話は、自分だけ助かろうした泥棒の男が、その蜘蛛の糸を上ってくる大勢を蹴落とそうとしたら糸が切れてしまうという話なのだが、今の日本をよく象徴している。例えば、いつまでたっても克服できないデフレは明らかにそうだ。自分だけ助かろうと、競って販売価格を下げた結果、日本全体がデフレになってしまった。「モリカケ問題」は、この蜘蛛の糸を上る政治家や官僚を思わせる。ともすれば、彼らはその糸を登り切ってしまいそうで、恐ろしい。

つづく

最強は誰? お笑い芸人 > 東大医学部卒

主は、東大卒、京大卒という看板をあまり信用していない。もちろん、優秀だなあとは思うのだが、昔、朝日新聞の記事が彼らを「基礎学力のチャンピオン」と評しているのを見て、そのとおりだと納得したからである。世の中は基礎学力だけでは何も解決できない。基礎学力の先が大事だからだ。それに大学の4年間で学ぶ総量は知れている。大学院まで行ったとすると、今度は専門分野に細分化されており、何でも知っているというのには程遠い。どんなにスタートラインで基礎学力の点で優れていても、社会人になってから学ぶことの方が、量も深さも大きい。

だが、医学部出身者に対しては、ちょっとした畏敬の念を抱いていた。医学部の出身者は、受験において他の学部の出身者と比べると、偏差値が明らかに隔絶している。そのため、勝手に、凡人とは違うエライ人種だと思っていたところがある。

しかし、最近バラエティ番組に彼らが登場する機会がたびたびあり、「我々と同じじゃん」と思うようになった。「そりゃそうだよ」と彼らから言われそうだが、例えば、東大医学部などといえど、バラエティ番組の振る舞いを見ると凡人と同じで、さまざまなジャンルの知識が豊富なのは間違いないのだが、「それがどうしたの?」「プライドが高いだけじゃん」ということを感じさせるように番組は作られている。画面に映る若い彼らの中に、特別な問題意識や目新しい解釈が見出せるわけではないからだ。

ノブレス・オブリージュ(仏: noblesse oblige)という言葉があり、優秀で高貴な立場にある者は、下々の民衆を導く義務があるという意味なのだが、そういう状態は実際にはなくなり、死語になっているのかもしれない。

東大を出て優秀な官僚や民間人として成功して高い報酬を貰うのは、下に従う人間の福祉を高めるのであれば、望ましい。だが、上に立つ人間が、自分の利益だけを追求しているケースが多いのではないか。

next_sp_01 テレビ朝日のHPから

前置きが長くなってしまったが、又吉直樹の「火花」が、主の見方が変わるちょっとした契機になっている。この本は、お笑い芸人の又吉直樹が芥川賞を受賞したベストセラーなのだが、お笑い芸人が、ネタ作りや観客にいかに受けるかということに深く葛藤、苦悩する姿が描かれている。その姿は凡人にはないもので、その葛藤のプロセスが芸人の人間性を成長させるのは間違いない。火花_

そして今、バラエティ番組に限らずドラマやあらゆる番組で、高学歴のアナウンサーや評論家たちを押さえて、お笑い芸人が跋扈、席巻している。彼らの話は面白いし、極論に走らず的確だ。演技もうまい。それはそれまでの苦労を考えると、当然の帰結なのだと思う。お笑い芸人は世界を導くか。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。