国債発行が国民を豊かにする

(2022/8/3, 2022/8/4 & 2022/9/15 一部、追記しました)

まず最初に、「国債発行が国民を豊にする」という説明の根拠をお伝えする。ここでは、2人のおっしゃっていることをお伝えする。私が書いているのは、お二人がおっしゃっている内容を、表現方法を少し変えて(分かりやすく)伝えているだけである。お二人に感謝申し上げる。

一人目は、どんぶり勘定事務所の神田知宜(かんだとものり)さんである。神田さんは、会計事務所を経営されている方で、こうした通貨発行の旧来の社会通念をひっくり返すような動画もさることながら、中小企業経営相談などの動画も多数アップされていてなかなか楽しい。通貨発行のプロセスについては、日本銀行と、日本銀行金融研究所がそれぞれ、信用創造(通貨発行)の手順を公表しており、そこから会計取引を簿記の仕訳で表したということである。 

二人目は、「目からウロコが落ちる奇跡の経済教室」著者中野剛志さんである。中野さんは、イングランド銀行の記述と、建部正義さんの「国債問題と内生的貨幣供給論」をもとに論述されている。中野剛志さんは、経済学者なのだが現在は経産省に勤めておられるMMTの中心人物のおひとりである。

中野剛志さんの本

お二人が言われる説明の具体的な根拠の部分は、最後に掲げた。読んでみようと思う方は是非、参照してください。

—————————————————–

それでは、国債の発行は通貨発行であり、国民を豊かにするということを説明する。

これを理解し、世間でも理解されるようになると社会の問題のほとんどが改善する。問題のほとんどがお金がらみだから。

日銀は、国債を発行、市中銀行に引き受けさせる際、日銀当座預金を信用創造(通貨発行)により市中銀行に供給し、それを元手にして市中銀行が国債を購入する。市中銀行にとっては、利子のつかない日銀当座預金の形で預金を持っているより、国債の形で資産を持っている方が利子がつくし、国債は元本割れのリスクもないので、市中銀行は国債を買わないという選択肢はない。必ず、国債を買う。こうしたこと、日銀が信用創造により市中銀行に資金を与えることでやっているという事実は、世間では全く知られていないと言っていいほどだ。 この国債発行と購入のプロセスを何故、日銀の人たちは世間に向かって大きな声で言わないのか。それをホームページに書いたり本で出版しているのに、なぜ言わないのだろうか。 おそらく通説と、驚天動地というか、地動説と天動説ほど違う事実を言うのは、その後の世間に与える衝撃の大きさを考えるからだろう。 しかし、この事実が、広く経済学者の間で理解されれば、経済の世界は180度変わる。すでに、欧米はそれを理解して、経済政策に取り入れている。 日銀の実務担当者よ、通貨発行、国債発行の真実を述べてくれ。

なおこの事実は、自民党の参議院議員西田昌司氏が、国会で取り上げ、日銀の担当者も、財務省の担当者も、さらには、鈴木俊一財務大臣も、国債の発行が国民に資産をもたらすということを認めている。ぜひ、皆さんもネットなどで、調べてみてください。


ここから、一連の具体的なプロセスを説明する。まず第1番目に、日銀がB銀行に、「国債」を購入するための「日銀当座預金」を通貨発行(信用創造)する。このとき、日銀は、「日銀当座預金」をB銀行にくれてやるのではなく、「貸付金」という債権の形で「資産」をもち、B銀行は「借入金」という形で「負債」をもつということに注意してください。

次に2番目に、政府が「国債」を発行して、B銀行が「国債」を日銀を経由して購入する。3番目として政府はその代金で、C企業から「スーパーコンピューター」(=「固定資産」)を購入する。「スーパーコンピューター」という例えにしたが、IR施設の建設でも何でも構わない。

なお、一連の取引を終了した後で、左右(借方と貸方)に同じ勘定科目が出てくる場合に相殺すると何が起こっているのかが一目で分かる。そのため、最初の段階から最後に消える勘定科目は、前もって抹線した。しかし、取引の時点では、勘定科目は生きている。最後に消し込んだという前提で見てもらいたい。

1-1 B銀行が、日銀の通貨発行(信用創造)により、日銀当座預金を手にする。

この部分が、日銀がB銀行に対し「日銀当座預金」を信用創造(通貨発行)する部分である。日銀は、日銀の中にあるB銀行の日銀当座預金口座に、1000億円振込むと同時に、「貸付金」という債権をもつ。B銀行は、1000億円の「日銀当座預金」という資産を手に入れると同時に「借入金」という債務を背負う。

B銀行(対日銀) (日銀当座預金)1,000億円 (借入金)1,000億円

日銀(対B銀行)  (貸付金)1,000億円   (日銀当座預金)1,000億円

これです!右端の部分です。日銀が、市中銀行に国債を買うお金を渡しています!それが国債と交換されています!

1-2 B銀行が国債を購入。代金を政府へ直接払えないので、日銀へ支払い。

B銀行(政府) (国債)1,000億円

B銀行(日銀)             (日銀当座預金)1,000億円

B銀行は、日銀当座預金を使って国債を購入した。日銀当座預金1000億円を手放し、国債1000億円という債権を手にした。(上の説明。以下同じ。)

日銀(B銀行) (日銀当座預金)1,000億円

日銀(政府)               (政府預金)1,000億円

日銀は、B銀行にある負債の日銀当座預金を消し、政府預金の口座に入金した。日銀は、B銀行から振り込まれた1000億円を政府の口座に振り替えた。

政府(日銀)  (政府預金)1,000億円

政府(B銀行)             (国債)1,000億円

政府は、B銀行に対し国債1000億円という負債を負い、政府預金1000億円という財源を手に入れた。

1-3 政府がスパコンを日本のC企業発注。支払いを日銀、B銀行を経由し、C企業へ支払い。

政府(C企業)(スパコン=固定資産)1,000億円

政府(日銀)              (政府預金)1,000億円

政府は、日銀の口座にある政府預金を払い出し、スーパーコンピューターを手に入れる。

日銀(B銀行)             (日銀当座預金)1,000億円

日銀(政府)  (政府預金)1,000億円

日銀は、政府から預金を受け取ったので、政府預金を増やすとともにB銀行の日銀当座預金を増やす。

B銀行(政府) (日銀当座預金)1,000億円

B銀行(C企業)  信用創造 →→→→→→(普通預金)1,000億円

B銀行は、日銀から日銀当座預金を受け取ったので、C企業の普通預金を増やす。つまり、政府が支払ったスパコンの代金1000億円を日銀経由で支払い、B銀行がC企業の口座に1000億円を記帳した。これも、世の中に存在していなかったお金が生み出されたという意味で、信用創造(通貨発行)であることに注意してください。

C企業(B銀行)(普通預金)1,000億円

C企業(固定資産)         →→→(スパコン=固定資産)1,000億円

C企業は有形固定資産であるスーパーコンピューターを国に渡し、対価を受け取った。

1-4 B銀行が、手にした日銀当座預金を元手に、借入金を日銀に返済する。

B銀行(日銀)(借入金)1,000億円    (日銀当座預金)1,000億円

日銀(B銀行)(日銀当座預金)1,000億円 (貸付金)1,000億円

2.これらの取引を相殺消去する。

政府(B銀行)              (国債)1,000億円

政府(C企業)(スパコン=固定資産)1,000億円

B銀行(政府) (国債)1,000億円

B銀行(C企業)             (普通預金)1,000億円

C企業(B銀行)(普通預金)1,000億円


(結論) 

政府は国債を1,000億円発行し、スーパーコンピューターを手に入れた。B銀行は、国債1,000億円の債権を手にし、他方、C企業に対し普通預金1,000億円という負債を手にした。C企業は作ったスーパーコンピューターを政府に売り(その分の固定資産が減少し)、普通預金1,000億円を手にする。政府には、単に、国債を1,000億円発行したという履歴が残るだけだ。

前にも書いたが、この国債の残高は償還する必要はない。時期が来れば、借換債を発行して、償還を繰り延べるだけだ。誰も困らない。国民は豊かになった。この時、日本全体で見ると、国債発行で1,000億円の資産が形成されている。つまり、国債発行は国民に対する通貨発行そのものである。

注意しなければならないのは、国債の発行による通貨発行は、その国の供給力の範囲でしかできない。供給力を超えてやると、インフレになってしまう。(逆に言うと、これまで日本は国債発行が足りなかったから、成長できなかった。国債をもっと発行してい入れば、少なくとも欧米並みに成長していただろう。そうすれば、国債残高のGDP比率が世界最高とはならなかっただろう。)

日本の供給力は、年々怪しくなっている。日本で売られている商品の殆どが、中国製や、その他の途上国で作られてものを輸入して販売している。この状態が今よりひどくなれば、国債を発行するとインフレになるので、この手は使えない。つまり、チャンスは日本に国力のある今しかない。

おしまい

ー-------------------------------

以下、お二人の根拠となる事項。

最初はどんぶり勘定事務所の神田知宜さんが、根拠として示していただいたものだ。 日銀は、ホームペーの《決済・市場》《日銀当座預金取引・当座貸越取引》《日中当座貸越基本要領》の3.の2同時担保受払の「(2)取引先が、日銀ネットを利用して新規に発行される国債(以下「新規発行国債」という。)を取得する場合において、当該取引先が希望するときは、当該取引先に、新規発行国債の取得と同時に3.に定める根担保として差入れさせる。この場合において、新規発行国債の取得にかかる資金の払込みのために必要なときは、日中当座貸越を行うものとする。」と書いている。また、日本銀行金融研究所が「日本銀行の機能と業務(日本銀行金融研究所編、有斐閣、2011年刊)」の第4章第4節「決済と日本銀行の役割」で、「国債の買い手である金融機関が,売り手から受け取る国債を担保に日本銀行から日中当座貸越を受け,同時にその資金を当該国債の買入代金の支払いにあてることができる仕組みで,流動性の節約に有効であることから広く用いられている。」と書いている。

二人目は、「目からウロコが落ちる奇跡の経済教室」著者中野剛志さんである。中野さんは、イングランド銀行の記述をもとに次のように論述されている。こちらは、とても読みやすい。

   ① 銀行 が 国債( 新規 発行 国債) を 購入 する と、 銀行 保有 の 日銀当座預金 は、 政府 が 開設 する 日銀当座預金 勘定 に 振り替え られる    ② 政府 は、 例えば 公共事業 の 発注 にあたり、 請負 企業 に 政府 小切手 によって その 代金 を 支払う    ③ 企業 は、 政府 小切手 を 自己 の 取引 銀行 に 持ち込み、 代金 の 取立 を 依頼 する    ④ 取立 を 依頼 さ れ た 銀行 は、 それ に 相当 する 金額 を 企業 の 口座 に 記帳 する( ここ で 新た な 民間 預金 が 生まれる) と 同時に、 代金 の 取立 を 日本銀行 に 依頼 する    ⑤ この 結果、 政府 保有 の 日銀当座預金( これ は 国債 の 銀行 への 売却 によって 入手 さ れ た もの で ある) が、 銀行 が 開設 する 日銀当座預金 勘定 に 振り替え られる    ⑥ 銀行 は 戻っ て き た 日銀当座預金 で 再び 新規 発行 国債 を 購入 する こと が できる。

  この プロセス から、 次 の 二つ の こと が 分かり ます。   第一 に、 銀行 は、 日銀 に 設け られ た 日銀当座預金 を通じて、 国債 を 購入 し て い ます。 集め た 民間 預金 を 元手 に し て 購入 し て いる わけ では ない の です。 です から、 銀行 の 国債 購入 は、 民間 預金 の 制約 を いっさい 受け ませ ん。   では、 この 銀行 の「 日銀当座預金」 は、 どこ から 来 た の でしょ う か。 それ は、 もと はと 言え ば、 日銀 が 供給 し た もの なの です。   さて、 そう だ と する と、 銀行 による 国債 購入 という のは、 日銀 が 政府 から 直接 国債を購入し て 当座預金 を 供給 する こと( 日銀 による 政府 への 信用創造)、 いわゆる「 財政 ファイナンス」 と ほぼ 同じ という こと になり ます。 もっとも、 財政 ファイナンス は、 法律( 財政法 第 五条) により 原則 禁止 とさ れ て い ます。 しかし、 銀行 による 国債 購入 も、 結局 の ところ、 日銀 が 供給 し た 当座預金 を通じて 行わ れ て いる の です から、 財政 ファイナンス も 同然 でしょ う。 「財政 ファイナンス は、 ハイパーインフレ に なる から、 絶対 に やっ ては なら ない!」 と よく 言わ れ ます。 しかし、 銀行 の 国債 購入 という 事実 上 の「 財政 ファイナンス」 は、 普通 に 行わ れ て いる の です。 でも、 ハイパーインフレ なんて 起き て い ませ ん ね。   いずれ に し ても、 政府 の 財政赤字 は、 民間 貯蓄( 預金) が ファイナンス し て いる のでは ない の です。   第二 に、 政府 が 国債 を 発行 し て、 財政 支出 を 行っ た 結果、 その 支出 額 と 同額 の「 民間 預金」 が 新た に 生まれ て い ます。 つまり、 政府 の 赤字財政 支出 は、 民間 貯蓄( 預金) を 減らす のでは なく、 逆 に 増やす の です。

中野剛志. 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】 (ワニの本) (Kindle の位置No.1028-1038). KKベストセラーズ. Kindle 版.

「西洋の自死 移民、アイデンティティ、イスラム」 ダグラス・マレー その1

「西洋の自死 移民、アイデンティティ、イスラム」(ダグラス・マレー)という本を読んだ。東洋経済から出ていて、500ページを超える大作で読むのに時間がかかったが、強い衝撃、「ヨーロッパってこうなんだ! 政治家、マスコミってどこも同じ問題を抱えているのね!」という強い衝撃を受けた。

なお、この本の原題は、”The strange death of Europe”なので、直訳すると「ヨーロッパの奇妙な死」である。

この本は書いたようにボリュームがあり、歴史を振り返りながら慎重に詳細に書かれている。それを、さらっと要約することは難しい。そのため、感想的になってしまうかもしれないが、感じたところを書きたい。

第二次世界大戦後の西欧は、二度の残虐な戦争と、過去の植民地支配への反省から、民族の融合や多民族平和主義、多様性などを価値観の大きな柱にしてきた。そうしたことから、大戦後、難民の受け入れを行ってきたが、1980年ごろからのグローバリズム、自由貿易競争の進展により、自国民の出生率が低い西欧は、人口減少、労働力不足を補うために、難民の受け入れをより加速的に増やし始める。難民を低賃金労働者として受け入れ、グローバル競争に勝ちたいという思惑が働いていた。

他方、西欧の第二次世界大戦でのホロコーストは、実際に手を下したドイツだけがやったわけではなく、反ユダヤ主義はヨーロッパ全土にあった。また、西欧の繁栄は、コロンブスの大航海時代以降の植民地侵略政策の結果であり、西欧は、多民族を虐殺した歴史の上に立つ「原罪」を背負っているいると、総括されるようになる。こうした歴史の総括は、EU設立の経緯にも、その理念が良く表れ、キリスト教徒だけが団結するのではなく、広く多民族・多宗教の融和を目指している。

西欧に流入するグローバル競争で増えた難民の数は、「アラブの春」(2010年~)を契機に、さらに爆発的な数の難民が押し寄せ、難民だけでなく経済移民も押し寄せた。

《問題はここからである!!》

西欧の政治家は、民族の融和、多民族主義を掲げ、その考えは広く社会全般にいきわたる。要約すると「移民が来れば、エスニックな料理も食べれるし、我々の頭の中にも、新鮮な思想が生まれる。世の中は、グローバルに平和共存しなければならない。入ってきている移民の多くは、優秀で多額の納税をし、我が国に貢献している。移民はやがて西欧の生活に順応し、西欧文化に同化すだろう。」という嘘がまじった楽観的な考えが広く行きわたる。しかし、移民の数が増えるにつれ、西欧の市民たちは、「おい、おい、そんなに増えたら俺たちの住む場所がなくなっちゃうじゃないか」と感じ始める。

しかし、政治家やマスコミ、学者もそうだし、行政も、その多民族主義のスローガンを金科玉条にして、現実を見ない。

西欧の首都でも、郊外でも、もともとの住民を追いやり、アフリカやパキスタン、アフガニスタンなどの移民が、彼らだけの町を作り始める。そうした街では、もともとの住民である異教徒の白人少女へのレイプが頻発する。異教徒への強姦は、同胞への強姦より罪が軽いからだ。また、しかし、警察やマスコミ、政治家などは、そうした犯罪があったことさえ、ごく最近まで認めなかった。それを認めた瞬間、人種差別主義者のレッテルを貼られ、非難轟々となり、職を失うからである。また、イスラム教徒の若い女性が、イスラム教徒にレイプされるという事件が頻発するのだが、コミュニティー内の事件として、警察が捜査をせず、街の治安は非常に悪化するのだが、警察、政治家、マスコミは知らぬふりを続けた。

アフリカのイスラム教は、何億人もの女性の性器切除や縫合などに関連しており、そもそも西欧の民主主義、啓蒙思想や平等思想などとは相容れないものがある。しかし、西欧社会の上層部にいる人たちは、移民たちはやがて、西欧の価値観に同化するだろうと気楽に考えてきた。

こうしたイスラム教徒は、信奉するアラーが皮肉を言われたり、冒瀆、戯画化をされると、言論の自由などおかまいなしに、たちどころにテロの標的にする。西欧で、イスラム教に批判的な言論人は、警察が護衛しているほどだ。

今言われているのは、2050年には、西欧の多くの国で、キリスト教徒の白人を、イスラム教徒の有色人種が逆転するだろうと言われている。それも、現在のペースで進めばということであり、ペース次第で早まる可能性がある。

イスラム教徒の増加につれて、西欧諸国の国民は「イスラム教は我が国を豊かにしない。」「イスラム教徒とテロの間には関連がる。」「わが国にはイスラム教徒がもう十分にいる。」とイスラム教徒を否定的に考え始める。しかし、エリート政治家たちは共通して、それとは違う反応を示した。この問題に対処するには、表明される世論に対処しなければならないのだと考えたのである。彼らが優先したのは、国民が反感を持つ対象を抑え込むことではなく、国民の反感を抑え込むことだった。つまり、地元住民がイスラム主義者に敵対する抗議活動をすると、警察はイスラム主義者を警護し、いきり立つ住民を逮捕すると脅しをかけた。

西欧人は、ダーウィンの進化論以降、キリスト教に対する篤い信仰心を失っている。カトリック教会は、イスラム教を否定するどころか、良いところは一杯あると言う。イスラムは棄教に対し、死罪を与え、西欧諸国では時間の経過とともに、寛容に基づく宗教の自由が認められる。 「リベラルを自称する人たちは長年、道理や理性や科学に重きを置く啓蒙主義の教えは非常に魅力的なので、最終的には誰もがその価値を受け入れるだろうと決め込んできた。実際、20世紀後半から21世紀初頭にかけて、多くの欧州人はまるで宗教信条であるかのように人類の『進歩』を信じていた。・・・しかし大量移民の時代が来ると、そう信じていた人々の眼前で実際にその道を引き返す人々が1人2人と現れ始め、それがだんだん大きな動きになった。一連の人々の流れがまるごと逆方向に向かうのだ。進化の事実を認める戦いは欧州では終結したと思っていた人々が、進化を信じないどころか、進化は虚偽だと証明しようと決意を固めている人々が雪崩を打ってやって来たことに気づいた。」

《結論》

西欧が、このような過去の贖罪に苦しんでいたことは驚きで、同じ現象がアメリカ、ユダヤの建国時の経緯からコンプレックスになっているのは理解できるのだが、アジア諸国や他国でも他民族を虐殺した歴史を持つ国は多いはずだ。しかし、それらの国がマゾヒスト的に原罪意識を持っているかといえば、そうではないだろう。西欧(欧米)の善意が食い物にされる状態は、西欧にやってくる移民だけではない。他にもある。グローバリズムで良い目をした中国もそれだろう。

また、政治家や社会のリーダーたちが、原因である悪い方に対処せず、国民を諫め続けるというのもあちこちにある。日本はずっと、デフレで不景気なのだが、政治家は「国民みんなで我慢しよう。」などといっている。新型コロナもそうだ。コロナのせいで非常な不景気になっているのだが、必要に以上に危険性を煽り、「みんなでマスクしてガマンしよう。」的なことばかり言っている。エライ人はみんな、そんな風でいつまでたっても風見鶏で、真実を知っていても言わない。自分は困らない、少数派の言うことを取り上げて得になることはないと思っているので、ずっと無責任なのだ。

おしまい

歯がゆい! この国に金はある!! MMT

このコロナ禍で、休業補償など他国がするのに、日本は財政危機のためそれができないという記事が、まともな知識人からもいっぱい出てくる。例えば、次のような記事、これはAERA.dotのものである。

「この国にもう余力はない」 賃金8割支給がイギリスにできて、日本にできない理由

しかし、実際は違う。MMTという経済理論があり、これが経済学の常識を180度ひっくり返すものだ。これによると、自国通貨で国債発行する国であれば、インフレにならない範囲で国債をいくら発行しても何の問題も起こらないという。 むしろ、このコロナ禍の場合、さらなるデフレが予想され、国債を発行して、困った人に給付したり、休業補償したりすることで、デフレのショックを和らげられるというものだ。

ところが、このMMT、天動説時代の地動説のようなもののため、異端扱いされる。だが、この説が正しいことは、皮肉だが日本の経済状況が一番のサンプルだ。日本は、バブル崩壊後、何度も何度も財政出動(”too late, too smasll”と言われた)したが、一向に景気が回復せず、国債残高が1100兆円を超えたがデフレのままだ。

日本で、MMTを主張するのは、京都大学の藤井聡教授、青木泰樹教授、中野剛志氏、三橋貴明氏などと少なく、国会議員でもれいわ新撰組の山本太郎氏、自民党の安藤裕氏などである。

だが、主は、主流派の経済学を時代遅れの天動説だと思っている。いまのように地動説をバッシングしていると、おおぜいの国民の命が失われる。 今回のコロナ禍で、欧米各国は、赤字を恐れず国債を乱発していち早く経済復活を果たすだろう。しかし、日本が赤字拡大を恐れて国債の発行を渋れば、ますます日本は沈んでいく。 

下の表は、財政支出と成長率の相関を表した表なのでが、見事な相関関係が見て取れる。なお、右上の一番高いところは、中国である。

タマノオヤ @jazz01438195さんのTWITTERから

もう一度言う。この国にはお金は十分にある。これまでどおりの日本に金がないと主張しているのは、生活に困らない裕福な人たちばかりだ。さいごに、藤井教授が紹介するMMT理論の動画を貼り付ける。

《オカネは、銀行で借りて、つくられる [ 誰でもわかるMMT(現代貨幣理論) ] 藤井聡(京都大学大学院教授)|週刊クライテリオン 藤井聡のあるがままラジオ》

おしまい

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。