少年役の二人の俳優がとてもいい顔をしている。貧困や複雑な家族問題があり、そうした大人たちの影響から逃れられない感受性の強い主人公たちの苦悩が切なく描かれる。
この映画、元文科省の事務次官をされていた寺脇研さん、前川喜平さんのお二人が企画をされた映画らしく、メジャーな映画館で上映される作品と違い、マイナーな映画館を巡っている。筋が予定調和でも、安易なハッピーエンドでもないが、その分ズシンと来る、いろいろ考えてしまう映画だ。ほぼ無名の俳優たちの演技に惹き込まれる。
上映後、舞台に寺脇研氏、隅田監督、主演男優が登場し、観客を交えたトークもあり楽しめた。また、スクリーンを出たところにこの3人が揃っておられ、主役の男優に「いい顔しています。頑張ってください。」と声をかけたかったのだが、照れくさく、そうできなかったのが心残りだった。
P.S. ところで、主は最近ツイッターを始めた。そして前川喜平氏のフォロワーなのだが、前川氏のツイートには、クソリプ(糞リプライ)が大量に付いている。
前川氏は、文科省の事務次官だった時に、加計問題で官邸(菅官房長官)に協力せず反発し、官邸によって読売新聞に「出会いバー通い」をリークされ、悪者に仕立て上げられ、その後天下りあっせん問題で辞任させられるのだが、その時も「次官の椅子にしがみついている。」という脚色された報道が世間に溢れた。
そのような経緯なのだが、何年もたった現在でも、前川さんが何かをツイートするたび、「出会いバー買春」「高額退職金」「教育者の資格なし」というリプライが溢れている。
こういうリプライを見ると、妙な正義感を振りかざし、弱きを叩き、強きに巻かれる人ばっかりだなと思うのだが、いつまでも叩かれる前川氏が気の毒になってくる。SNSで非難されつづけ、自殺した女子プロレスラーの事件があったばかりだが、顛末の詳細も知らずに、人を非難するというのは、エネルギーの矛先を明らかに間違えている。
おしまい