トカゲ?がベッドの上に! & 美味!カブトムシの幼虫

トカゲ?らしきものがベッドの上にいた!なんか、ちょっと子供っぽい。赤ちゃんのようにも見える。だが、可愛いと思う余裕はない。主は、こういう生き物が苦手なのだ。

とかげ(遠景)

一匹いたら、何匹も隠れているかもしれない。こいつを生かしておいたら、何十匹にも繁殖するかもしれない、と思うのが人情だ。主はこういう生き物が怖いので、手で捕まえるという発想はない。以前、ベランダの蛍光灯を夜間にうっかり着けていたら、ちょうど大量発生していた何十匹もの羽蟻が、網戸の網をくぐって室内に侵入したことがあった。一匹一匹捕まえるのは大変なので、その時は、電気掃除機で羽蟻を吸い込んだ。今回もその方法だ! と考え隣室の電気掃除機を取りに行く。電気掃除機を持って戻ってみるとあいつがいない。エイやっ、とベッドのマットをずらすと、ちょうど頭が来る板の部分にいた。ブーンと掃除機のノズルを近づける。ところが、すばしこく横へ逃げてしまう。ベッドサイドテーブルもずらすとそちらにいた。また、ノズルをエイッと近づける。掃除機のノズルに吸い込まれたか確信はないのだが、吸い込んだような気もする。何より、姿が見えない。(だが、後日シャワールームで発見。まだ、生きていた!)

そういえば、職場の同僚が、パプアニューギニアの地方出張でカブトムシの幼虫を食べたそうだ。ずっとパプアニューギニアに住み現地人と結婚もした日本人から「これは美味いですよ!」と勧められ、断れなかったそうだ。頭の部分と胴体の部分で食感が違い、呑み込むのに勇気がいったそうだ。カブトムシ幼虫

 

胸くそ悪いパプアニューギニアのカレンダー

胸くその悪いカレンダーを紹介しよう。パプアニューギニア政府とユニセフ、家族・性的暴力行動委員会というところが制作したものだ。

表紙こちらが、表紙。「子供に対する暴力をやめろ」と書かれている。描かれている男は大人だが、子供の方は、子供というより幼児に見える。

結婚

1月。「子供の結婚」とある。本文には多くの共同体で若い女の子がかなり年取った男と結婚させられると書かれている。絵に描かれた長い棒に挟んでいるのは紙幣だ。

部族抗争

3月。「部族衝突」とある。弓矢を持った大人と改造銃らしき銃を持ちブッシュナイフを脇に挟んだ少年が描かれている。後ろには、燃える藁葺の家である。

性的虐待

11月。性的虐待。「性的虐待は犯罪で警察に通報しなければならない。」と書いてある。

この他にも「暴言」、「体罰」、「薬物の子供への使用」、「誘拐」、「育児放棄」、「女の子に対する差別」などがありオンパレードだ。

そもそも、このようなカレンダーが自宅に飾られて喜ばれるという事態が理解できない。普通の日本人ならこのカレンダーを見ると不愉快になるだろう。カレンダーに書かれた文章には、子供が教育を受ける機会が失われるとか、虐待を受けるとその後の人生に傷を負うとか当然のことが書かれているのだが、パプアニューギニア人は「そうだったのか!!」と納得して、改心するのだろうか?

この国が、現代文明に初めて触れたのは1930年代と言われている。それ以前は、石器時代の生活を送っていた!!!そんな彼らが、タイムマシンに乗って突然現代へやってきたのだ。

それ故に、先ほどの疑問に対する答えはYESなのだ。彼らは驚くほどストレートな人種であり、彼らはこのカレンダーを見ると学習するだろうと主は思う。

 

ポートモレスビー日本人会ロロアタツアー

ポートモレスビーには日本人会がある。会員数は、100人にはならないだろう。1年に2回ほど行事が催され、今回は、30名ほどでロロアタ島へシュノーケリングやスイカ割りをする日帰り小旅行をしてきた。

下の島がロロアタ島。ポートモレスビーから車で30分ほど東へ走ったところから、結構立派な船でロロアタ島に向かう。20分くらいで着いたのだろうか。(手前がロロアタ島に向かうための船で、正面にロロアタ島の桟橋が見えている。ロロアタ島に向かわずに近くでダイビングも出来るそうだ。)ロロアタ島へロロアタ島

ロロアタ島にはレストランやゲストハウスがある。ここが最終目的地で、ここで泳ぐわけではない。下は泳いだり、スイカ割りをしたライオン島という無人島。ここまでは、船外機がついたボートで来る。10人乗りくらいの大きさで一番後ろにエンジンがついているボートだ。このために、全員がライオン島に行くには、ボートが3往復するのを待たないとならない。この日は珍しく波が高く、ボートは波に上下に揺られ、子供たちがキャーキャー声を上げる。波しぶきをじゃんじゃん頭からかぶり、写真が撮れなかった。サングラスと日焼け止めは必須。日差しが半端ではなく強烈。ライオン島では、テントを張って、シュノーケリング、子供たちとスイカ割りをした。この無人島では、我々日本人だけでなく、インド人やパプアニューギニア人のグループも気づくと一緒だった。テントを張って、スイカ割りをする準備の良いグループは日本人しかいなかったが。ロロアタ島山頂から下は、再びロロアタ島に戻り、食事をした時のレストランに飾られていた彫り物。ビールを飲み、食事をして、日陰で風に吹かれのんびりしていると、周り360度、上も下も自然しかなくて、世の中にはこんなにのんびりできる場所があるものだと実感する。

ロロアタ島マスクロロアタ飾り下はロロアタアイランドリゾートのリンク。詳しくは、こちらを見てもらえるとよく分かる。http://www.divenavi.com/png/port/resort/loloata.html

一夫多妻の現地人ドライバー

現地人ドライバーには、奥さんが二人いる。セツルメントと言われるスラムに2軒家を持ち、子供が二人と三人いるそうだ。どの程度の本気度で言うのか分からないが、こういう男をBIG MANと呼ぶようだ。

パプアニューギニアは、約800部族があり部族ごとにかなり違いがあるが、全般にハイランダーと言われる高地族は、男尊女卑が烈しく、このような一夫多妻の話をよく聞く。ハイランダーは気性が荒く、女性よりも豚の方が大事という比喩があるくらいだ。殺人事件や強姦、児童虐待(近親相姦)などが新聞を賑わしている。一方、海に面した場所に住む部族は全般に顔つきも穏やかだ。父親が育児に専念し、子供が独り立ちをすると母親の元に帰っていくという母系社会があったりする。

現地人女性スタッフが、男に暴力を振るわれかなりの傷を負って出勤することがある。顔に殴られた跡があり、足も引きずっている。他にも、若い女性スタッフが、午前半休を上司に請求するのだが、パートナーの暴力沙汰に巻き込まれ警察へ行くと大っぴらに書いてくる。

パプアニューギニア人は文明に接してわずか80年、もともとアルコールに接してきていないので、アルコールの飲み方を知らないというか、飲み始めると徹底的に飲み、狂暴になる。アルコールの分解酵素がないという説もある。我がアパートの階下のベランダで現地人が酒を飲みながら楽しく過ごしているのだが、夜が更けてくると、最後は喧嘩が始まる。並大抵の喧嘩でなく、すごい迫力。

婚姻制度がどうなっているのか知らないが、重婚がダメとは聞いたことはない。そもそも、そうした制度が村々まで浸透しているとは思えない。生活力のある男は、多妻なのだろう。選挙の投票率が100%以上と言われたりするが、どこにどれだけ住んでいるのかはっきりしていないのだ。仲間のことをワントク(one talk)と言うのだが、同じ部族の場合、親戚の一人の成功者(ワントク)を頼って大勢が田舎から上京してくる。警官はワントクに便宜を図り、政治家もそうだと言われている。身の回りでも生活に余裕のある人物は、養子をよく育てているようだ。

ちょっと、フォローのしようがない。(^^);;; ワイルドなパプアニューギニア。

パプアニューギニア ネット環境

パプアニューギニアのネット環境は世界中でかなり悪い方だろう。

YouTubeを見ることは非常に厳しい。ダウンロードが再生に追いつかず、ぶつぶつ切れる。YouTubeを録音するフリーソフトがあるようなので、そういうものを使えば良いのかもしれない。

インターネットテレビはどこか違う星の話に思える。完全に無理。日本では錦織圭のATPの試合をテニスTVで見れたが、PNGでは試してみる気にもならない。

料金が高い。自宅では、ケーブルテレビの回線を使った一番早いインターネット接続を契約しており、1か月2万円支払っている。スピード測定サイトで調べたら、40KB/Sだった。日本の光回線1000KB/Sと比べると25倍スピードが遅い。JAVAのアップデートに30分かかったりする。1か月でダウンロードの上限2GBと定められた従量制だ。 リンなどの音楽ソフト供給サイトからHigh Density(高密度)のデータを日本でダウンロードしていたが、こちらでは何日かかるか見当がつかない。そもそも上限2GBに引っかかってしまう。Windows Update も料金と時間が気になるので無効にしている。

一番苦労したのは、NIFTYなどのプロバイダーが、PNGから日本へメールを送れない設定になっていること。日本から来るメールはPNGで開けるのだが、PNGから送信できない。どうやら、PNGからNIFTYを使ってメールを送信する日本人がいるとは想定されていないらしい。こちらに来て原因がわからず焦った。これは、WEBメールを使うようになってやっと解消できた。(^^);;;

ポートモレスビーの警官

ポートモレスビーの警官は、市民の安全を守る存在ではない。人口に占める警官の割合は他の外国と比べて少ないこともあって、街で警官の姿を見かけたことはない。部族抗争や貧困問題から治安は悪いのだが、凶悪事件があっても捜査能力が低く現行犯以外はなかなか逮捕されないと言われている。カージャックにあっても犯人が逮捕されることはまれなのだそうだ。

そんな警察だが、日中、道路を走る車両を対象にロードブロックと言われる検問をしょっちゅうしている。主にフロントガラスに法律で定めれたシールの期限が有効で、登録税が払われているかどうかチェックしていることが多いのだが、それらに問題がなくとも、明らかに外国人(東洋人)はターゲットにされる。路肩に車を止めるように言われ、あれこれ言われて罰金を請求される。後部座席の乗客がシートベルトを締めていないとか、ウインドウォシャーが出ないとか、シールの有効期限があるのに間もなく期限が切れるとか、路肩にすぐに停止しなかったとかなどと言いがかりをつけられる。それに口答えすると「警官に攻撃的な態度を取った。」として罰金額が増えたりする。

の際の対応は非常に難しい。免許証を差し出しこちらの名を名乗ったうえで、警官の名前を聞く。違反切符を貰い、現金で払わない。これは勿論、彼らの小遣い稼ぎにならないようにするためだ。

警官の給料は、5万円程度。優秀な者は、給与の高い民間会社に流れるという。ポートモレスビーには大型のスーパーなどがあり、様々な品が売られているが、ほとんどが輸入品なので、値段は日本以上に高い。5万円の給料では、そのような品を買うことは困難だろう。一方で、我々外国人以上に裕福なPNG人も多い。パプアニューギニアは近年LNG、金などの鉱物資源が発見され、資源ブームに乗った一部の現地人とそうでない人との較差が大きいので、このような現象も仕方がないのかなと思う。

ポートモレスビー バルニ・ダンプサイト(ごみ処分場)

機会がありポートモレスビーの郊外にあるごみ処分場に行く事が出来た。街の中心部から北へ20分程度車で走ったところにある。処分場は、山の谷にあり、廃棄物で谷を埋立て、平地を作り出す計画のようだ。車でダンプサイトへ侵入しようとすると、最奥地に到着するまでにかなり距離がある。

最初の写真は入口から入った途中の光景を車内から撮ったもの。所々で火災が起こって白煙が充満している。処分場の中でごみをあさっている人たちがいる。新しくダンプカーがごみを降ろすたび、ごみの中から役立つものを探しているようだ。探している人の周囲のごみは色が白っぽく見える。

ごみ処分場1現場は非常に蒸し暑い。もともと熱帯の日中は非常に熱いのに、おまけに火災が起こっているのだ。2枚目の写真には、警察車両と現地の女性が写っている。エスコートなしで現地に行くのは危険が伴うため、警察車両の同行を依頼していた。現地の女性たちは、何があったのかと思って集まってきたのだ。他にも大勢このごみ処分場で暮らす人たちが集まってきたのだが、こちらは肖像権を配慮して割愛。

ごみ処分場23枚目に写真は現場を去るときに車中から取った写真。ドラム缶を柱にして、上に板を乗せて家にしている。このような家は多数あり、多くの人が生活している。

バルニダンプサイト1

日本人皆が誤解 「熱帯夜」

「熱帯夜」と言う言葉が天気予報やニュースで普通に使われている。最低気温が一晩中25度以下にならない夜のことを「熱帯夜」と言う。

ところが、これは実際の「熱帯」では起こらない現象で、「熱帯」地方に非常に失礼な言い方だ。熱帯では夜の間に必ず25度以下になる。ポートモレスビーに住んでいる感じでは、日中30度を超えて暑いが、夜は快適で、夜明け直前が最低気温になるようだ。この「熱帯夜」という現象は、温帯特有の現象である。(日本は一年の気温の差が大きいので、「年較差」が大きい。一方、熱帯は「年較差」が小さく、一日の温度差「日較差」が大きい。)

ところが日本では夏になると「熱帯夜」と言う表現が、天気予報やニュースで連発して報道される、おかげで、日本国民の間で、「熱帯」は一日中暑いと思われている。実際の熱帯地方では朝晩は快適なのだ。

あと、日本では四季が美しいことになっていて、桜と紅葉が日本の専売特許のように宣伝される。実際、京都名刹の紅葉や名所の桜が見事なのは事実だが、狂騒曲っぽいと主は思っている。常寂光寺常寂光寺の紅葉。ここは見事だ!

http://homepage2.nifty.com/cub/niwa/jojakoji.htm

マクラがカビた!

気づいたら、マクラがカビていた!!

どこでどういう風に間違ったのか知らないが、熱帯夜(夜中に25度以下にならない夜のこと)と言われるが、熱帯では最低気温は25度以下になり、そのような現象は起こらない。日本人の多くが、熱帯は一日中暑いものと誤解している。一日中最低気温が25度を下回らないのは、温帯独特の現象なのである。

そういうわけで、ポートモレスビーは、日中は暑いものの、朝晩は結構気温が下がる。一応南半球なので、冬にあたる7,8月頃は、ブランケットの上に布団を二枚重ねにして寝ていた。それでも明け方は寒かった。今は、10月なので夏に向かっている。ブランケットの上に布団が一枚になり、そろそろブランケットだけでも大丈夫な感じがする。ベッドに入るときは結構暑いのだが、夜中に温度が下がり調節が難しいので、思えば汗を盛大にかくことも多かった。

夜は気温下がるので過ごしやすいのだが、湿度が常に85%ある。晴天でもその湿度がある。乾燥機で乾燥させた衣類を置いていると、そのうちしっとりと湿気を帯びてくる。乾燥したパジャマに着替えたいのだが、なかなかそのような状況にはならない。こちらに来て、5か月。スーツ、ネクタイ、セーターがカビたのだが、気が付いたらマクラもカビていた。使っていない革のベルトもカビていた。知らなかった。トホホ(^^);;

マクラのカビ1マクラのカビ2

ブラジル人 vs パプアニューギニア・高地人 何を大切にしているか?

ブログの主は、ブラジルに住んでしばらく経ったころ、『「自分の価値は、他人に優しく出来ることだ。」とブラジル人は考えていますよね?』と日系人のポルトガル語の先生に質問したことがある。その先生は、「確かにそれはあります。」と答えてくれた。ブラジル人は、自分の寛容さを他人に示す機会が好きだ。だから、住んでいても非常に快適だった。

サルバドールの市内を走るバスの中の光景。車を持っている人はバスに乗らないので、バスに乗っている人は、基本的に中流以下の生活をしている市民だ。そのバスに半身が不自由な人や、家族が病気でお金に困っているからカンパをして欲しいと書いたプラカードを持った人が乗り込んできたりする。この人たちは、後ろ扉の方から乗ってきて、他の乗客をかき分けて徐々に前の方に進んできて、停留所二つ位で降りていく。この時、バスの運転手は、この困っている人たちに運賃を請求するという無粋なことをしない。また、乗客も批判めいた声を上げることなく、小銭を出している。カンパされる側も手作りの小物のカードだったり些細なものを配って、ただ貰いしているわけではない。金持でない者同士が、お互いに自然に助け合っている姿を見て、感動した。

同じことについて、PNG人について少しわかってきた気がする。ただし、ハイランドに住む男性に限ってという事か。(PNGは一括りに出来ないので、今後印象は変わるだろうが・・)

ゴロカショーの旅行の際に、アイヴァンさんという現地人ガイドと二日一緒に歩いた。アイヴァンさんは冷静沈着で有能なガイドだった。別れ際に彼の家族の話になり、女房がゴロカに娘を置いて故郷のマダン(ゴロカは高地だが、マダンは海に面している。)に帰ってしまった。PNGでは「女性は男のところで暮らすしきたり」なので女房をマダンへ取り返しに行ったそうだ。そうすると屈強な親戚の男たちが5人出てきてケンカになったそうだ。相手の攻撃を防ぐときにできた左腕の傷を見せてくれた。その傷は2週間前のものだそうだが、鈍器で殴られるのをかばった際に出来たように見え、皮膚の色がそのあたりだけ白かった。その時の生き生きした彼の表情を見ながら、彼らにとって、強い、負けない男であるということが大事なのだと感じた。

下の写真は、アイヴァンさんの案内でゴロカから車で数十分走った村で我々を迎えてくれたサイモンさん。ツーリストが来るたびサイモンさんは、この格好になる。ディズニーランドのアトラクションみたいなものだ。 この洞窟は、入口がわかりづらい場所にありる。また、先祖代々の神聖な隠れ家で、村にやってくる敵をここで隠れて待ち伏せし、相手を不意打ちする。数十年前まで、実際に相手と殺しあったようだ。人肉を食ったこともあるかも知れない。山の山頂では、誇らしげに自分の土地の境界を説明してくれた。

同じ日に行ったマッカーシー博物館では、彼らの遺跡(というよりごく最近までに実際に使っていた品々。驚くことに、あるのは石器までで鉄器や銅器は一切ない。石で造られた斧や、海岸から持ってこられた装飾品・貨幣代わりの貝殻など。)が展示されていた。また同時に、太平洋戦争当時の日米双方の機関銃などの武器や写真が展示されている。ここを案内してくれた現地人が「日本軍は我々を尊敬してくれた。だから、我々も日本人を尊敬する。」と言っていた。

主は、ポートモレスビーでPNG人に英語を習っている。彼は、日本に留学したこともある優秀な人間なのだが、自己紹介の段階で、漢字で自分を「下の人間」だと紙に書いて説明した。(この言葉がどのように彼にインプットされたのか、今の段階では謎。) 彼は、日系の旅行会社に勤めている。英語教師はアルバイトなのだ。(収入の7割が家のローンに消えるという事だ!) 日本のテレビ局がPNGへ取材に来ることがあり、日本語が通じ現地のことがわかっている旅行代理店が必要なため、彼の会社も使われることがある。この取材陣に通訳や手伝いとして同行することが彼の自慢だ。 その彼が、「今日はバス代がないので教えに行けない!」と悲痛なメールを寄越すのだが、その冒頭「私はあなたを尊敬している。」とある。(このメールの前には、「私の携帯電話に200円分チャージしてくれないか」と言うメールが来ていた。勿論、無視したが。) この男、プライドが非常に高いのだと思う。

我々外国人は、街が危険なので警備が厳重なマンションに住んでいる。敷地内には、扉を開ける役目の警備員や新築工事の作業員が、大勢雇用されている。彼らとすれ違う時、車の中から手を挙げて挨拶すると、必ずまったく同じように彼らも手を挙げて挨拶を返してくる。まるで、「俺とおまえは、仲間(one talk =ワントク)だぞ」と確認するようだ。「俺は扉を開ける役目だが、ガードマンの役目をきっちりやっているんだ」と言わんばかりに。

こうした関係は、当然の帰結なのだと思う。彼らは、石器時代に生きていたところ、突然現代社会と出会い、自分の生活環境の激変に困惑している。最近まで、男になるための厳しいイニシエーションを経て、敵の部族を石器で殴り殺し、自分の土地とワントクを守ってきたのだ。そんな彼らが都会でできる仕事は、扉を開け閉めする仕事位しかない。複雑な仕事はできない。これまでと仕事の内容が180度変わったのだ。

仕事の内容が変わっても、依然、彼らが大事にしているものは、強い男であり尊敬されることに見える。女性はどうなんだろう?と思う。

サイモン(洞窟)サイモン(山頂2)マイカーとガードマン