新型コロナウイルス すっごい人がいたもんだ! 郷原信郎弁護士、上昌広医師対談

新型コロナウイルス肺炎だが、ますます悪化し、我が道をいく日本は、ますますガラパゴス化して、このジャンルもかよと暗澹たる気持ちになる。

正義の使者、ドン・キホーテなのかともかく、弁護士の郷原信郎さんが、新たにYOU TUBERとなり、「日本の権力を斬る!」という番組を始められた。

このうち、医師の上昌広さんとの対談を転載させていただく。

この新型コロナの問題では、日本がいつまでたってもPCR検査に本腰を入れず、世界と比べるとまったく奇妙な動きをしている。アメリカは、いつまでたっても検査をしない日本では医療をまともに受けられない懸念があるとして、アメリカ人に帰国勧告を出したほどだ。 この日本がPCR検査をしないことについて、上医師は、厚労省と国立感染研究所のムラ社会の医師たちが対処方針を仕切っており、彼らは「日本がPCR検査をしなかったことが、感染爆発を防いだ。クラスターを追うことが成功の原因だ。」と考えているとおっしゃっている。 ところが、実際に起こっていることは、失敗がはっきりしつつあり、いよいよ日本でも感染爆発が起こりそうだ。

たしかに日本では、アメリカや欧米ほど、死者数が出ていないのは観察される。だが、日本では肺炎が原因で死亡する人が年間20万人あり、この2か月に亡くなった3万人の死亡者に、PCR検査をしていない。このため、やはりこの死者数の中には、新型コロナウィルスによる肺炎で死亡した人が含まれているだろうと言われてる。

また、すでに発表されている感染者数には、医療関係者の感染が相当数含まれているのだが、マスコミやコロナ対策をする専門家、政府が、院内感染の危機を十分に伝えていないという。

けっこう長いので、一つだけ見るという方が居られたら、#5 を先に見ていただければよいと思います。

 

 

おまけだが、郷原弁護士は、モリカケ問題の佐川理財局長の指示で自殺したという遺書を残された近畿財務局の赤木俊夫さんの問題にも、問題をわかりやすく語っておられる。

おしまい

エブリバディ・ノウズ【日本病〕 その1 「モリカケ問題」

日本は病気だと、主は確信している。その局面をこれからぼつぼつ書いていきたいと思っている。

主は、安倍政権のアベノミクスを高く評価している。しかし、安倍首相の「モリカケ問題」の対応を見て、日本に限りないインチキがまかり通っていると思っている。佐川前国税庁長官の国会での証言、セクハラ辞任の福田前事務次官、大田理財局長、矢野官房長官、柳瀬経産審議官など、公僕であって国民に説明責任を負っている意識など微塵すら感じられないが、その疑惑の頂点にいる安倍首相が、我がことであることを感じず、まるで他人事のように「徹底解明してウミをだしきる」とほざいていて、日本の政治もここまで劣化したのかと主は驚いた。

この二つの件は、官邸の指示だったのか、官僚の安倍政権に対する忖度だったのかが白日のもとに曝されることがないのかもしれないが、仮に忖度だったとしても、安倍首相は責任を負うべきだ。

週刊東洋経済4/28号に海上自衛隊の特殊部隊におられた伊藤祐靖さんという方が「上に立つものが部下の忖度を責めるのは禁物」というタイトルで寄稿されている。要旨を紹介すると、忖度は日本特有の心配りではなく、世界中のどこにでもある、部下が上司から指示を貰ったときにするミッションアナリシス(任務分析)だという。部下は上司の直接の命令そのものだけではなく、背景や真意などを含めて任務を遂行しなければならない。そして、彼はこう結んでいる。- 「それは部下が勝手に忖度(任務分析)してやったことだ」とはならず、「それはいつも私が求めたことであり、だからこそ部下は任務分析(忖度)してやったのです」ということになる。部下の行った忖度を責めるなど、上に立つものとして本末転倒の態度である。

仮に、直接指示を出していないからと、安倍首相が責任を取ることなく政権が続いたり、霞が関の高級官僚たちにも実質的な処罰が下されないのなら、日本に計り知れないほどのダメージをもたらすだろう。上に立つ者を表して「ノブレス・オブリージュ」という言葉が20世紀にはあった。この言葉は、財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを言い、こうした者は自分だけいい目をしてはいけない、下々の人たちに配慮しなければならないといことだった。ところが、この言葉は死語になってしまった。さまざまな苦労に喘ぐ下々を下敷きにして、上に立つものが憚(はばか)る状況になっている。

芥川龍之介の小説に「蜘蛛の糸」があり、小学校の教科書にも載っているようなので、誰もが知っているだろう。この話は、自分だけ助かろうした泥棒の男が、その蜘蛛の糸を上ってくる大勢を蹴落とそうとしたら糸が切れてしまうという話なのだが、今の日本をよく象徴している。例えば、いつまでたっても克服できないデフレは明らかにそうだ。自分だけ助かろうと、競って販売価格を下げた結果、日本全体がデフレになってしまった。「モリカケ問題」は、この蜘蛛の糸を上る政治家や官僚を思わせる。ともすれば、彼らはその糸を登り切ってしまいそうで、恐ろしい。

つづく