日本政府の借金は1200兆円。なぜお金を刷って返済しないのか? 60年国債償還ルールは? その2

日本政府が発行した国債の残高は、政府による通貨発行の残高(履歴)の意味しかない。この残高は、経済の発展に必要なものであり、どこの国も年々経済成長するので増えていくのが当たり前だ。ところが、30年間ゼロ成長な日本だけが国債の残高を減らそうとしている。こんなことをしていては、不景気が続くのは当然の結果としか言いようがない。

国債の発行は「子孫につけを残す。」とかいう財務省の宣伝は、このままでは日本を滅ぼす狂気の沙汰である。

つまり、前回のブログで、日本は「60年国債償還ルール」をやっていないのに、ルールがあると書いた。 次の左の円グラフの赤枠で囲んだ「債務償還費167,561億円(16兆7,561億円)」と書かれているのが、2023年度予算に計上されている正体だ。 実際にはこのように歳出で国債残高を消去(償還)していない。だが、これだけ計上しているので、16兆円分、割合で言うと14.6%、他の予算を圧迫している。

14.6%、これだけ他の予算を増やせれば、どれだけのことが出来るか、考えて見ると良い!!

財務省のHPから

次の絵は、財務省が子供向けに作ったHP「キッズコーナーファイナンスランド」とというところにある「ワニの口」の説明である。黒い線が歳出、青い線が歳入で、両者が年々「ワニの口」のように開いているという説明なのだが、こうして財務省は子供たちにも危機感を煽っている。同じように、若者相手に同じ「金融教育」をはじめている。

だが、この図は、毎年の「債務償還費(2023年度は16兆7,561億円)」がなければ、「ワニの口」は平行となり開かない。財務省のでっち上げだ。日本の経済運営に、何の問題もないわけだ。

具体的な「60年国債償還ルール」の説明は、この西田昌司参議院議員の動画を見てもらうと、このことがよくわかる。また、財務省主導の増税案が自民党の中でどのように考えられているのかよくわかる。

「国債償還ルール」見直し議論!『市場の信認』に隠された本質は、国際金融資本によって形成されたルールだ!!(西田昌司ビデオレター 令和5年1月13日)

西田議員は、この動画の後半でさらに、非常に重大な指摘をされている。 というのは、アメリカのFRBやイギリスのイングランド銀行は、民間銀行で、株主はロスチャイルドをはじめとする国際金融資本家であ。その中央銀行が持つ資産から生じる利子や配当などの利益は、株主のものになる。また、この中央銀行は政府から独立をしており、政府が行いたい政策でも、中央銀行が賛成しなければ実現できない、と言われている。

ところが、日本はと言えば、日本銀行も株式会社であるのだが、株式の55%は政府所有であり、日本銀行法により生じた利益は国庫納付(政府のもの)になる。(日銀法第53条)

つまり、国債残高が上がっていくと、財務省は「国債の信認が失われる。」と主張するのだが、誰に信認されるのかと考えると、ステークホルダーである国際金融資本である。ところが、日本の場合は、中央銀行が民間銀行ではない。このために、どれだけ国債発行して通貨発行しても、(供給力の範囲であれば、インフレも起こらず)何の問題もない。「マーケット(国際金融資本)の信認を失うことがない。」と言われている。

ここで大きな疑問が解けた気が親爺はした。

日銀はイールドカーブコントロール(YCC)という金利誘導策で金利をターゲットに固定している。ときどき、外国の投機筋が、日本国債をカラ売りし、国債を暴落させて大儲けを企むということがある。昨年もあったし、今、日銀がターゲットの幅を、0,25%から0.5%へと拡大させ、利上げと解釈したマーケットは、長期金利が上がり始めている。これを見て、海外の投機筋は毎度の失敗に懲りず、再びカラ売りをしており、日銀は過去最高の額の国債の買い入れを週明けもすると宣言したとニュースで言っていた。

昔から海外の投機筋が日本国債の空売りをして、国債を暴落させて利益を上げようと企むんできた。だが、いつもこれは失敗し、未亡人製造機(Widow Maker)と言われてきた。これが繰り返されている。

他方、イギリスでは首相がインフレのさなかに減税を発表し、マーケットで国債売りが殺到、ポンド急落する事態になった。そのため、トラス首相からスナク首相へと交代が起こった。現在は、スナク首相の緊縮政策で落ち着いているのだが、今後どうなるかというところだ。

https://jp.reuters.com/article/sterling-analysis-idJPKBN2QS07Y ←ロイターの記事

だが、親爺は、なぜイングランド銀行は日銀と同じ、YCCをやらないのかと不思議に思っていた。なぜ国債の買い支えをやらないのか。

結局、日銀はほぼほぼ政府と一心同体、ところが、民間銀行の海外は政府と中央銀行の利害が一致していないのではないか?と思う。通貨を発行する中央銀行が、民間であれば、その勢力の利益を第一に考えるだろう。

おしまい

とても分かりやすい動画 《国と企業がお金を出し渋り、国民の財布が空になる》

ワニの口(NHKのHPより)

この動画ですが、結構わかりやすくて非常に説得力があります。 

昨年、財務事務次官の‎矢野康治氏が、日本はタイタニック号のように氷山にぶつかって沈没すると警鐘を鳴らしました。この《矢野論文》の中で、「ワニの口が広がり続けている」と税収が横ばいなのに、歳出だけが上の方向に伸びて広がっている、このままだと日本沈没だといったのです。

しかしこの動画は、「ワニの口」どころか「ワニ」そのものがいなかった、というものです。

動画の内容を親父流ですが、要約してみます。

  • 1.「ワニの口」の歳入には、税外収入や社会保障費の資金余剰などが除かれているのに対し、歳出には、他国にない「国債償還費」が含まれている。つまり、口が広がるように操作されている。(「国債償還費」については、詳細は後述)
  • 2.政府と企業がお金を使わないと、国民の財布にお金が回らず、国民は貯金を取り崩すしかない。(「ネットの資金需要」という表現が出てきます。政府と企業を合わせて、マイナス5%ほどの状態が、インフレにならず、かつ、国民にお金が回る状態になる。このマイナスが大きすぎるとインフレや金利上昇が起こる。今のアメリカがそうです。)
  • 3.1990年代のバブル崩壊以前は、政府と企業がお金をじゃんじゃん使ってマイナスにしていたので、国民に潤沢にお金が回っていた。
  • 4.1990年代のバブル崩壊以降になると、企業はバブル崩壊により投資を減らし、政府は財政危機宣言を出し、緊縮財政政策をはじめたことで、国民へお金が回らなくなった。
  • 5.高度成長期に、日本は世界一というほど高い貯蓄率を誇っていた。ところが、バブル崩壊以後、貯蓄率が低下した。この低下を、エコノミストは高齢化と人口減少が原因だと説明してきたが、それは間違いで、政府と企業がお金を使わなくなったからである。
  • 6.近年、企業の内部留保の増加傾向が定着したとことが、ますます国民の財布を苦しくしている。
  • 7.日本には、他の先進国にはない「国債の60年償還」というルールがある。このため、毎年の予算編成において、予算の15%以上を「国債償還費」に計上している。このようなことをしている国は日本以外にない。
  • 8.「国債の60年償還」というルールは、日本ですら有名無実化しており、現実に60年で償還していない。他の先進国と同様、償還時期が到来すると「借換債」と発行して、償還を繰り延べている。
  • 9.アメリカの現在の高インフレは、政府の財政支出を非常な高率で行ったのが原因である。会田卓司さんによると、政府と企業を合わせて5%くらいのマイナスが良いところを、コロナ対策でマイナス17%になるまで、財政支出をしたために現在のインフレを招いた。
  • 10.日本は、2000年以降、政府と企業の支出がゼロの時代が長く続き、コロナ対策で政府支出を増やしたものの、額が少なすぎる。

(なお、この対談は合計3回あります。冒頭に埋め込んだのは3回目で、上の要約につきましては、過去2回の内容が一部入っています。ご了承ください。)

おしまい