パーティー券裏金事件 《タッグ 麻生副総理・財務省・特捜検察》再度のどんでん返しはあるか? 

パーティ券裏金問題で、政治がこれ以上ないほど面白いことになっている。自民党が解体してもおかしくない。

神戸学院大学の上脇教授が、政治資金収支報告書を地道に調べ上げ、派閥が開催するためのパーティー券を売りさばく際に、議員が集めてきたお金がキックバックされていたり、割り当て分だけを派閥へ納め、上回った額は毎年、ポケットに入れてきたと告発された。これは何十年も前から行われてきた慣行であり、与野党を問わず、どこの派閥でもやってきたらしい。時効が5年のため、その5年間の額が自民党で1億円だと、最初、報道されていた。ところが、この1億円は、裁判で立証できる金額であり、どうやら実際ははるかに多いということらしい。

現在のところ、マスコミが報道しているのは、自民党の二階派もわずかにあるが、安倍派のみで、他の派閥(麻生派、茂木派、岸田派)は、特捜部が調べているにも拘わらず、そちらはほぼマスコミのニュースに取り上げられていない。マスコミへ検察が安倍派に限ってリークしているからだ。

岸田政権は、ずっと人気が低迷してきた。ここへ来て大臣政務官、副大臣が次々辞任へ追い込まれたが、これは岸田政権を見限った財務省が不祥事のネタをマスコミへリークしたからだと言われている。

つまり、今回の岸田総裁追い落とし騒動も、財務省がシナリオを描き、そのシナリオに従って、茂木さんを総理大臣にしたい、石破さんを担ぎたい二階さんを落としたい、最大派閥の安倍派と二階派を潰したい麻生副総理がそれに乗り、その策略に検察も乗っかっていると言われる。

もちろん、財務省が裏で糸を引くそのようなシナリオを描き、東京地検特捜部が、マスコミにニュースネタを限定的に流しているとまるで小説のようなことが行われていると確信を持って言えることではない。

しかし、自民党の安倍派には、積極財政を唱える議員が多い。安倍派潰しとは、積極財政潰しでもある。財務省は、国債は将来償還しなければならないので子孫にツケを残すというが、実際のところ、国債は償還せずに借り換えているし、このような不景気を脱出するには、積極財政が必須である。

国民も財務省の長年の宣伝を信じているので、一人当たり約1千万円の借金を背負っていると思う人が大半だろう。国会議員の中でも正しい経済観を持っている議員は、数少ない。

親爺が知っている範囲で、現職の国会議員では、国民民主党の玉木雄一郎、立憲民主党の原口一博、自民党の高市早苗、西田昌司、「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の代表中村裕之や顧問の城内実ら100人ほどいる。議員連盟に名前がある自民党の議員は安倍派に限らないが、安倍派が多いのは間違いがないだろう。

親爺は思っている。財務省は、警察(検察)権力と密接なだけではなく国税当局とも密接である。国会議員や財界人などの多くの世間で上に立つ人に限らず、多くの庶民も秘密を抱えている。財務省は、気に入らない人物は、警察を使って身辺を調べたり、国税当局を差し向けて税務調査に入るという。

麻生副総理もきっと脛に傷があるだろう。表立って財務省に反旗を翻すことは出来ないかもしれない。だが、こうして日本を鍋をひっくり返すように、有象無象の代議士たちを地獄の底へ落して、芥川龍之介のクモの糸を登ろうとする国会議員が、結局は地獄の底に全員落ちてはじめて、《じつは、麻生副総理は、他力本願ではあるが、日本を新しい社会へ作り変えられるかもしれないと思っている》ことを期待して止まない。

おしまい

次の動画は、国民民主党の玉木雄一郎の動画です。この人の言うことは正常です。正しい経済観をお持ちだと思います。

こちらは、元朝日新聞記者の鮫島浩さん。正しい経済観を持たれているようには思えないので親爺はあまり好きではないのですが、政治分析は大したものだと思います。

こちらは、山口敬之さん。伊藤詩織さんレイプ事件で損害賠償を命じられたので、この人の話は信じられないという人は多いでしょう。親爺もそうです。しかし、鮫島さん同様政治の分析に説得力があります。

政府の債務は返さなくてもよい (三菱UFJビジネススクエアSQUET 情報スクエア「五十嵐敬喜の『経済をみる眼』」2015年1月15日より転載)

(三菱UFJビジネススクエアSQUET 情報スクエア「五十嵐敬喜の『経済をみる眼』」2015年1月15日より転載)

◆国債は返済できるのか?
政府の債務残高が1000兆円を超えてしまっており、もはやこの膨大な借金を返済することは不可能ではないかと言われたりすることが多い。その疑問には、自信(?)を持って答えることができる。返済が不可能であるどころか、借金の残高を削減することすらできない。つまり、債務残高が今後も増え続けるのは確実である。

考えてみれば、それは驚くことでも何でもない。一般に借金残高を減らそうとすればフローの収支を黒字にする必要があるから、政府の債務残高を削減するためには、毎年の財政収支を黒字化させなければならない。しかし、それを実現するのはおよそ不可能である。

例えば2015年度の予算は、歳出総額が96.3兆円であるのに対し、税収と税外収入の合計は59.5兆円だ。差額の36.9兆円の赤字を国債の発行で埋める。この国債発行のうち10兆円余りは事実上の借換債なので(満期を迎えた国債を償還する財源。発行して償還に充てるから残高は不変)、国債残高(債務残高)は25兆円程度増えることになる。

したがって債務残高を減らそうとすれば、15年度の予算については25兆円以上収支を改善することが必要である。これを歳入の増加で賄うなら、54.5兆円(14年度比45兆円増)と見込まれる税収を80兆円程度に5割近く増加させる必要がある。歳出の削減だけで実現させようとすれば、72.9兆円の一般歳出(国債費以外の歳出総額)を48兆円程度にまで3分の1強も削減する必要がある。現実には、例えば税収を2割以上増やすとともに、歳出を10兆円以上カットするといったことになろうが、そんなことが実現するとは到底考えられない。

◆国債累増することの問題点
そもそも過去を振り返ってみても、日本の国債は返済されたことがない。満期を迎えた国債は確かに償還されるのだが、その償還原資は借換債の発行だ。満期債が借換債で置き換えられるだけで、国債の発行残高は減らない。借り換えるのに資金は不要だが、借換債では資金調達ができないので、新規債が発行される。結局その分だけ発行残高が増えることになる。これまで国債の発行残高は、一度も減少することなく増加し続けてきた。つまり実質的には返済されたことがないのだ。

しかし、だから問題だとまでは言えない。将来にわたって、ひたすら借り換えし続ければ、今後も返済しなくて済むから、誰の負担にもならない。国債の発行が必ずしも次の世代への負担つけ回しにはならないということだ。

もっとも、・・・・(省略)

◆プライマリーバランスを黒字化する意味
(省略)

◆欠かせない社会保障の改革
(省略)

《三菱UFJビジネススクエアSQUET 情報スクエア「五十嵐敬喜の『経済をみる眼』」2015年1月15日より転載》

おしまい