資本主義、共産主義を問わないお金の成り立ち① 〈因果応報、貸し借り、債権と債務、コミュニケーションと交換、贈与と返礼、ギブアンドテイク〉

〈アイキャッチ画像は、親爺のパプアニューギニア勤務の2014年、首都ポートモレスビーのカリタス職業訓練校で撮ったものです。「構造主義」とは関係はないですが、「未開人」は「現代人」に劣らない知恵と平和に生きる術をを持っています。この可愛い娘たちは、今では西洋文明が浸透してきたので胸の部分は覆うようになりました。2000年代は乳房を出していたのでもっと衝撃的でした!!〉

1960年代後半、一番新しい哲学の系譜に「構造主義」が生まれる。この構造主義の創始者はレヴィ・ストロースと言うユダヤ系フランス人で、直前の一世を風靡した共産主義者のジャン・ポール・サルトルの「実存主義」を葬ったと言われる。

実存主義を打倒したレヴィ・ストロース(Wikipedia)

このレヴィ・ストロースは、文化人類学者、植物学者でもあり、ブラジル先住民の未開社会の現地調査で重大な発見をする。彼が発見したのは、野蛮で、非合理で不完全な未開社会で暮らす人々が、文明化された現代人にも劣らず優秀な頭脳を持ち、人間が生きるうえでの本質を掴んでいるということだった。
西洋人、西洋哲学は時代を経るごとに進化し自分たちが最も優秀だと考えながら発展してきた。西洋人以外は遅れた民族であり、遅れた民族を教えること(啓蒙すること)で西洋人と同じレベルに引き上げるのが使命とも考えていた。こうした考えは、弁証法を唱えたヘーゲル、虚無主義のニーチェへ続き、サルトルは未開人を見下しつつ、人間の主体的な決定と自由で共産主義の再構築を目指す実存主義で「サルトルの時代」を作っていた。
そこへレヴィ・ストロースが登場し、フィールド調査の結果から、未開人と呼ばれる人たちは、さきほど言ったが、優秀な頭脳を持ち平和で調和の取れた社会を生きているのではないかと提起した。彼の理論は、新しい言語学やかなり難解な数学の群論を用いて説明するので、親爺にはさっぱり手に負えないのだが、知っている部分を紹介しよう。

レヴィ・ストロースの構造主義で一番有名なのは、未開人、野蛮人とされていた人々の婚姻制度を調査した結果の発見だと思う。これらの部族、全人類に、インセスト・タブー(近親婚の禁止)があり、婚姻は父、母、兄、妹とすることはない。一般に近親婚は遺伝的に劣性な子どもが生まれるから忌避されると言うが、この禁止は社会生活を営むうえで方策であり、平和に共存するための人類共通の意識だと言う。彼は、多くの社会では従兄弟・従姉妹(いとこ)婚が認められているが、どのいとこと結婚できるかは決まったルールがあるのを発見した。社会によって「誰との結婚が禁止されるか」はまちまちだ。例えば交叉いとこ婚(異性のの兄弟姉妹の子供の結婚)は多くの社会で推奨されるのに、平行いとこ婚(同性の兄弟姉妹の子供の結婚)は禁止されるなど、生物学的な血縁の近さだけでは説明できないパターンが世界中に見られます。もし近親交配の危険を避けることが目的なら、いとこ同士の扱いに差が出る理由がありません。

また、どの民族の社会でも結婚の形態の多くは、娘は嫁にやり(贈与する)、息子は家を継ぎ、嫁はもらう(他集団から迎え入れる)というものだ。これはジェンダー(性)の差別ではなく、夫婦にとって一番大事なものである息子と娘のうち、一番大事な娘を他家へ嫁にやることで両家の関係、ひいては社会全体が平和を保ってサステナブルな社会を実現する方策だからと考えた。つまり、娘は最も大事な商品と言って良いのかもしれない。そして、その大事な商品をもらった家の方でも恩義に感じ、大切に暮らしてもらうという関係である。

親爺は、こうした恩を与えることと恩に報いるという関係が社会の仕組みのあらゆる土台になっていると思い、それは金銭についても当てはまると考えている。そして、後半で格差を生じさせる一因の利子についても考えたいと思う。
ちょっと長くなってしまったので、続きは次回。

おしまい

不明 のアバター

投稿者: brasileiro365

 ジジイ(時事)ネタも取り上げています。ここ数年、YOUTUBEをよく見るようになって、世の中の見方がすっかり変わってしまいました。   好きな音楽:完全にカナダ人クラシック・ピアニスト、グレン・グールドのおたくです。他はあまり聴かないのですが、クラシック全般とジャズ、ブラジル音楽を聴きます。  2002年から4年間ブラジルに住み、2013年から2年間パプア・ニューギニアに住んでいました。これがブログ名の由来です。  アイコンの写真は、パプア・ニューギニアにいた時、ゴロカという県都で行われた部族の踊りを意味する≪シンシン(Sing Sing)≫のショーで、マッドマン(Mad Man)のお面を被っているところです。  

コメントを残す