日本の会社のコンピューター事情(ソフトウエアについて)

最近、孫正義さんが「日本のAI技術は世界で後進国になってしまった。必ずしも取り返せなくはないかも知れないが・・・」「IT業界は勝者総取りの世界だ。」というようなことを言われていた。

今から40年ほど前だろうと思うが、パソコンが20代の主の会社にも入ってきた。当時、コンピューターと言えばオフィス・コンピューター(オフコン)という大掛かりなもので、今と比べればはるかに性能が低かった。冷暖房完備の部屋に、でかい装置があり、記憶媒体に大きなリールのテープを使っていた時代である。主と同じ世代の人は、懐かしいだろうと思う。

その時代のオフィスにパソコンが登場した。最初は、富士通や、NECなどの製品で、OS(オペレーションシステム)は、CP/M、M/S DOSだった。その時代、ワープロはパソコンとは別にワープロの専用機があり、シャープの「書院」とか、東芝の「RUPO」などがあった時代だ。さきほどのCP/Mというのは、ビル・ゲイツ率いるマイクロソフトのMS-DOSに買収されるまで、シェアを握っていたOSである。当時のMS-DOS機は、NECがPC-9801、富士通にはFM-7など多くの機種があった。当時のパソコンで何かをしようとすると、今のようにアイコンをクリックして、いろんな図柄のタブから機能を選ぶことはできなかった。呪文のような文字列をコマンドラインに打つ必要があった。例えば、ファイルをコピーする場合であれば、C:¥>COPY  TEXT.txt TEXT2.txt といった具合にタイプしなければならなかった。というわけで、それなりにコマンドの理解を要し、面倒だった。

ワープロ・シャープ「書院」
PC-9801

時間が経つと、Windows95が登場した。この時点から、面倒なコマンドをタイプすることなく、画面の図柄をマウスを使ってクリックして命令できるようになった。

この時代は、マイクロソフトが、他のあらゆるソフトメーカーやワープロ専用機を吹き飛ばした時代でもあった。

当時、各拠点のデータの集計作業に富士通のEPOCALCというソフトウエアで集計をしたら、複数の社員が1週間電卓でしていた集計作業が必要なくなった。それほど革新的だった。やがて、その集計作業で一世風靡した表計算ソフトが表れた。Lotus 1-2-3である。我々は夢中になって、これでさまざまな計算をさせた。そうこうするうち、同じ機能を持つマイクロソフトのEXCELが登場した。EXCELは最初、それほどの評判ではなかったが、MS-DOSから、Windows95などへ移行する機会をとらえて、バージョンアップを繰り返した。プログラムの改良には、ユーザーの後姿を観察して、どのようにすれば使い勝手が良くなるか検討したという。Windowsになっても、毎年のようにOSのバージョンアップをするのだが、Lotus 1-2-3はその度ごとに、改良にタイムラグが生じて優位性を失っていった。日本語ワープロソフトには、一太郎という大評判のソフトがあった。しかし、こちらもマイクロソフトのWORDにその座を奪われた。一太郎には花子という絵を描くソフトもあったのだが、この機能は、WORDに内蔵され、まもなく競争力を失った。

パソコンの世界は進歩に伴って、徐々にハードの規格が徐々に統一される。これは、どのメーカーの部品を使っても、パソコンが組み立てられることを意味する。そうなると日本メーカーの部品を使う必要はなくなり、台湾や韓国、中国などの部品を組み合わせて作るのがコスト的に有利になり、日本企業は退場する。一方ソフトウエアの方は、ビジネスの世界でパソコンを使う意味が、表計算であればEXCELを使う、ワープロであればWORDを使う、データベースであればACCESSを使う、プレゼンテーションであればPOWER POINTを使うことが目的になる。これらはすべてマイクロソフトの製品である。確かに、勝者総取りなのだ。

主はこの間ずっと、パソコン・オタクであった。BASICというプログラム言語があり、実際にプログラムを作ったり、ゲームのプログラムを走らせたりしていた。麻雀パイを積み上げる上海などをはじめとする、さまざまなゲームが流行っていた。コンピューター音楽なども流行っていた。また、フリーソフトが多く流通していたが、作者の個性が出ていて、一人で作ったものでも使い勝手の良いものがたくさんあった。しかし、似たようなものが次つぎ作られるため、商品化されて儲けを出すことは少ないようで、ソフトの製作で儲けることは難しいなと感じた。こうしたことは、おそらく富士通やNECなどの日本のIT企業も同様で、彼らも勝ち目のないところで、そうしたことに力を入れたがらなかった。冒頭で、孫さんの「日本のAI技術は世界で後進国になってしまった。」との言葉を引用したが、日本のIT企業は、目先の儲けが優先で、長期の研究開発をする余裕がなかった。ノートン、カスペルスキー、マカフィーなどウィルスソフトも人気の高かったものがたくさんあったが、これらもマイクロソフトがOS自体にWindows Defenderというウィルス対策機能を持たせるようになったため、他社のソフトを入れる必要性自体が以前より減っている。

ゲーム・上海

やがてPCの影響力が減り、スマホが中心になる。スマホやパッドは、Android、iOSともにストアで検証されたアプリが提供されるため、セキュリティ・リスクはパソコンよりずっと低い分、ウィルスソフトを入れる人が少ない。こちらは、GoogleとAppleだけが勝者だ。韓国のSAMSUNGはAndroidスマホのGalaxyで一歩リードしたが、所詮ハードは、規格が公表されているため、中国製その他の激しい競争にさらされ、競争力の維持は難しかった。

ところが、マイクロソフトもシェアを握っているWORDやEXCELを含むOFFICE製品の販売よりも、とうとうクラウドを中心に切り替える。OFFICE365や、使った分だけ課金するクラウド環境の提供にシフトしている。OSも、Windows10以降は、新しいバージョンを発売せず、アップデートだけで対応する方針だ。ソフトの販売は、似たような機能を持つ低価格、互換ソフトが次々登場し、儲からなくなってきたということだろう。方向転換している。

今やパソコンからスマホへ主流が移ったが、GAFAはその先を研究している。よく言われるウェアラブル端末や、アマゾンエコー、グーグルホームのようなAIスピーカーなどである。マウスでクリックしていたのが、音声で命令ができる。近く、商店のレジもなくなるだろう。(すでに無くなり始めているが)

ちょっと話が横道にそれるが、大学受験の英語の試験で民間企業を使うという方針が、不公平とか、情報漏洩などが危惧されて突然中止(延期?)になった。非常に緻密な議論がテレビや、識者などの関係者で侃々諤々、行われているようだが、GOOGLEやAMAZONの自動翻訳はほぼ実用レベルに達している。主はここ2年ほど、これらを使っているのだが、進歩は急で、かなり自然な日本語である。現実を知れば、誰でも驚くだろう。簡単な英文を書けたり、話したり出来るようにするのは機械に任せて、今までどおり、難解な日本語力そのものを要する、英文理解力を判定する試験が良いだろう。

話を戻す。スマホは、GPS機能があるため、PCとは違ったさまざまなサービスができる。ショッピングセンターに集った見知らぬ男女のうち、希望する男女が接近すると交際する機会を提供するアプリが各種ある。SNSで#(ハッシュタグ)を使って、検索ウインドウに「#死にたい」と書き込めば、自殺希望の人物と簡単に連絡できる。都心の自宅の空き駐車スペースを、郊外からやってくるドライバーに時間貸しするニッチなアプリもある。

要約すると、ソフトウエア自体を売ってお金を稼ぐことは難しいが、気の利いたアプリを開発して、その需要と供給のマッチング・サービスを広められれば、少ない元手で儲けることが可能だ。

ここで日本の企業数社とアマゾン、グーグルが現状で提供しているサービス(=消費者と企業をつなぐマッチング・サービス)を、大まかではあるが比較してみる。両者の傾向の差が、少し見えてくる。

  • 食べログ(レストランの紹介や予約:月額固定料金1~10万円+ランチ100円/人、ディナー200円/人、2017年11月時点)
  • ぐるなび(レストランの紹介や予約:月額固定料金1~5万円+ランチ50円/人、ディナー100円/人)
  • ホットペッパービューティー(美容院、マニュキュア店の紹介や予約:約6万円〜約50万円/月)
  • 楽天(売上の2.0~7.0%のシステム利用料+加えて1万9,500~10万円の月額料)
  • ZOZOTOWN(ブランド衣類の在庫・販売・発送代行:受託手数料率28%程度)
  • マネーフォワード(自動家計簿、金融資産の一括管理:500円/月)
  • AMAZON(15%が中心の出品手数料)
  • Google Map Street View への掲載(1店舗3万円から5万円、月額固定料金なし)

食べログ、ぐるなびは、飲食店の紹介と予約であるが、高級店ではない飲食店にとって、固定料金と一人当たりの料金を支払うのは非常に厳しいだろう。もっと厳しいのは、美容室のホットペッパービューティーである。目のつきやすいところに掲載されるほど料金が高い仕組みは一緒だが、掲載店は誰のために働いているのか分からない「ぼったくり」の水準である。楽天は、仮想商店街というだけあって、商品の発送や、入出金は出品者がする。楽天は、手数料を取ってシステムを使わせているだけだ。アマゾンは、在庫の保管、発送やら、入出金などもしていることを考えると、楽天もぼったくりと言っていいだろう。ZOZOTOWNは、28%という高率であるが、在庫を抱え、発送をしているのだが、アマゾンは同じことをしているわけで、こちらもぼったくりである。最後のマネーフォワードは、ユーザーの金融機関のIDとパスワードを教えることで、家計簿を自動的に作ってくれる。ただ、こちらは完全にシステムの維持だけで済み、セールスマンが営業するような業態ではなく、500円/月の料金はやはり格別安くはない。アマゾンプライムの料金と同額で、そこまでの価値はないだろう。(主は、断っておくがアマゾンプライムの会員ではないし、贔屓するつもりもない。しかし残念ながら、勝敗は明らかなんだよね。)

要するに日本の企業、こうしたIT業界と言われるところでも、リアルというか、従来型の損益分岐点を頭に描いている。つまり、提供するサービスのコストに利益を上乗せして、顧客(会員)に支払わせる料金を算出している。結果として、フランチャイズ契約を彷彿させるぼったくり料金が設定される。

消費者から見ると、ここにあげたレストラン紹介、美容室紹介であれば、無料のGOOGLE MAPで店を調べられるし、口コミも読める。店側の掲載料金は、1回のみ必要で3万円から5万円と安い。

もちろん、アマゾン、グーグルはプラットフォーマーと言われる独占力を持ち、自分でルールを決めることが出来る立場だ。ライバルが、今より少なくなってもっと有利な状況になれば、方針を変えると考えるのが自然だが・・・。

だがそれより一番の問題は、日本企業のアプリ(プログラム、システム)は使い勝手が悪いことだ。多くの企業のシステムは、日本旅館の度重なる増築のようになっており、内部が迷路のようになっている。

分かりやすい例は、イオンやヨーカドーのシステムのひどさだ。Yahoo JapanとPayPayもひどい。昔からやっている商売に加えて、次々新しい商売が加わり、パソコンのプログラムが別々のまま生きている。ポイントサービスなどが何種類もある。システムがスパゲッティのようにこんがらがっていて、パソコンオタクの主でもサービスの種類ごとにあるIDを使い分けたり、ポイントを無駄なく利用するのは大変である。パソコンなどの仕組みに興味のない人は、問い合わせすら困難だろう。カスタマーサービスにメールすれば、いつ返事が来るのかと思うほどレスポンスが悪い。電話をするとなかなかつながらない。どちらも言葉だけバカ丁寧だが、「システムの仕様がそうなっています」的なことを言われる。電話で問い合わせできないようにしているところもあれば、メールの問い合わせができない企業もある。メールで問い合わせが出来ても、画像やスクリーンコピーの添付が出来なかったり、文字数に制限があるところも多い。

全体的に言えるのは、カスタマーサービスの存在意義が、顧客のストレスのはけ口と考えていて、経営者はシステムの何が問題なのか知ろうとしていない。

どの会社もリアルの営業活動には熱心だが、プログラム自体を外注しているし、請負で実情をよく知らないプログラマーが作っている。金のかけ方が少ないから、使い勝手がいつまでたっても悪い。カスタマーサービスで応対する人員も、使い勝手の悪さが顧客に負担を強いていると認めるより、「システムの制約です」といった固定観念から脱せない。システムの制約は、仕方ないと思っている。これでは、救いがたい。沈没するしかない。

今の企業活動は、社員のアナログな活動より、システムのできの方が重要性が高いと認識しなければならない。それに気づけば、システムは自社で作るようになるだろうし、プログラム要員数を圧倒的に増やすだろう。昔のように、システムは自社で持つ必要なない。システムはクラウドを使って、プログラムだけを自分で作ればよいのだ。

おしまい

法人税も消費税も納めていない! アマゾン

前回のアマゾン話の続きになるが、「出版の崩壊とアマゾン」(高須次郎 論創社)という本に、次のように書かれている部分がでてくる。

「アマゾンが高率ポイントを提供できるのは、日本の消費税や法人税を払っていないからという問題もある」

「・・・・先の日販からの回答にあるように、日販はアマゾン本社の子会社で北米以外の販売を統括しているのAmazon.com Int’l Sales, Inc.と再販契約を交わしており、当然、取引約定書も交わしている。アマゾンジャパンは、Amazon.com Int’l Sales, Inc.から業務を委任されているだけなのである。」

「アマゾン本社から運営を委任されているアマゾンジャパンは読者からの注文を受ける。日販は、出版社から調達した当該出版物を物流的には市川FC倉庫に納品し、請求書はAmazon.com Int’l Sales, Inc.宛で、目黒のアマゾンジャパン社に送付する。当該出版物は市川から読者に送られ、読者はAmazon.com Int’l Sales, Inc.の請求書(最近は納品書になっている)を受け取り、消費税込みの代金をAmazon.com Int’l Sales, Inc.に支払う。アマゾンから本を買った人なら気付いていると思うが、売主はAmazon.com Int’l Sales, Inc.で、輸入した形になっているのだ。現物は国内を出ることはないが、伝票上輸入になるのである。

「しかし本の場合は、消費税込みの代金を支払っているのに、Amazon.com Int’l Sales, Inc.は米国シアトルにある会社なので日本の消費税を納めないですむ。本来、取る必要のないものを支払わせてポイントの原資に充てているといえる。2014年4月から消費税が8%に値上げされ、日本の書店との格差は5%から8%になったので、さまざまな「サービス」の原資にできる。」

「法人税については、2009年に東京国税局が、アマゾン本社に対し03年~05年分について140億円分の追徴課税をした。ところがアマゾン本社の子会社のAmazon.com Int’l Sales, Inc.は、日本国内でインターネットを通じて書籍やCDを販売する際、アマゾンジャパン(東京都渋谷区)とアマゾンジャパンロジスティックス(千葉県市川市)に商品の発送業務などを委託、Amazon.com Int’l Sales, Inc.は支店などの恒久的施設を日本国内に持たないため、日本の顧客が買い物をした場合は、米国にあるアマゾン本社から直接購入したことになり、日米租税条約にもとづき日本に納税する必要がないと判断し、申告しなかったと主張した。日米課税当局間の話し合いの結果、米国側が押し切り、課税は取り消された。」

  • ちなみに、ネットからも参考にリンクをひとつ貼り付けた。
  • <消費税も法人税も回避! Amazonの「税ハック」に日本が学ぶべきこと=シバタナオキ>
  • https://www.mag2.com/p/money/287561
  • こちら、おそらくうまく開かないと思いますので、https://www.mag2.com/p/money/287561をペーストしてくださいね。

他にもあると主は思っている。例えば、キンドル。これもサーバーがアメリカにあるという理由で、日本の消費税の対象外になっていると思う。同じように、ネット配信で売られる楽曲などもそうだと思う。ネットであれこれ見ていたら、他の商品も同じように、消費税の納税をごく最近までしていなかったという記事もあったように思う。

おしまい

 

グールド トランスクリプション《ベートーヴェン交響曲7番第2楽章アレグレット》

CDでは発売されていないグールドのベートーヴェンの交響曲の編曲をYOUTUBEで見つけた。ご存知の方には申し訳ないが、主はとてもグールドの考えが良く分かり、革新的な曲だと感じた。主は思わず「アヴァンギャルド!」と驚き、感動してしまった。「アヴァンギャルド」という言葉は、死語かな?最近、聞かないね。

グールドは、ベートーヴェン交響曲のリストによる編曲を、第5番「運命」、第6番「田園」と録音している。第6番「田園」は、第1楽章のみをコロンビアから正規発売していたが、のちにソニーから全曲が発売されたと思う。主は、どちらも大好きで、オーケストラの演奏よりもピアノ編曲の方が好きなくらいだ。主には、オーケストラは格調が高いのだろうが、メリハリが感じられず、どうも退屈だ。グールドは、細部にアップダウンをつけ、演奏の意図が感じられ、適当なインターバルで弾き方を変えながら飽きさせず、しかも全体をうまく構成するのが長けている。

ごたくはこれくらいにするが、こちらが7番の第2楽章である。下のリンクは、二つとも同じものである。

https://www.youtube.com/watch?v=AnS1i9bVGHU

 

下が、カラヤンがベルリンフィルと録音した同じ楽章である。二つを聴き比べると、グールドにはオーケストラの演奏を模倣しようとする意図がまったくないことが良く分かる。完全に違った曲になって良い、あるいは交響曲とは違う魅力を引き出してみようというスタンスである。オーケストラの方は、この楽章が一つの曲で、一つの性格と考え、それを劇的に上手に出そうとしている一方、グールドは、この楽章をいくつかに分解し、新しい解釈を施し再構成している。主は、雰囲気がまったく違う小澤征爾の演奏も聴いてみたが、スタンスはカラヤンとも同じだ。グールドは、全く違う曲を聴かせてくれる。

下は、カラヤンのリンク。(二つとも同じである)

https://www.youtube.com/watch?v=2B9zf_rRN_4

 

おしまい

 

 

 

 

ノートE-POWER エンジンルーム・ボンネット デッドニング

ノートE-POWERの前後ドアや後部トランクのデッドニングをした後、エンジン・ボンネット部分にデッドニングを行った。ボンネットを開けると、厚紙のようなもので覆われた部分(赤線で囲んだところ)があり、その部分に制振材と吸音材(エプトシーラー)を貼り付けた。写真をクリックしていただくと、見やすく拡大されます。

斜めから見たカバー部分。固定部品の丸形のポッチ4個とエンジンルームのボンネットの支柱を留めているプラスティック部品(ホルダー)を取り外す必要がある。

こちらが、そのカバーを固定している部品計5点を取り外したところ。

下の写真は、カバーを固定していた部品を外した道具である。エーモンNo.1423と書かれている。

下の写真は、カバーを開けて制振材を最初に貼ったところ。極力、貼れるところには制振材をたくさん貼った。写っていないが、エプトシーラーという吸音材も貼り付けた。

こちらがボンネットを開けた際に、ボンネットを開けた状態で固定する、ステーを止める受具部分。こちらもねじ止めされていない。上の道具でゆっくりごしごしすれば簡単に外せる。

茶色っぽく写っているのが、外したカバーの裏面だ。

参考までに、こちらは、左ドアのデッドニングの様子。制振材の上に余ったエプトシーラー(黒いスポンジ状のもの)を重ね貼りした。

ちなみにデッドニングは、トータルでは結構作業時間がかかった。しかし、静音効果は、前後のドア、トランク部、前後座席のマット下、エンジンルーム・ボンネット、また、ドア部やボンネットと車体の隙間にゴム製品を貼り付けたところ、非常に効果があったと思う。施工前の状態がないので正確に比較できないが、オーディオをイコライザーを全く使わず(=周波数によって、メリハリをつけず)、ソースの音をそのまま再生するようになった。一般道走行中でも、高速道路を走っているときでも、十分にオーディオを楽しめるようになった。

おしまい

108~海馬五郎の復讐と冒険~

あらすじ

名脚本家として成功している海馬五郎は、ある日、元女優の妻・綾子の浮気をFacebookの投稿によって知ってしまう。コンテンポラリーダンサーである“ドクタースネーク”という男への恋心を綴ったその投稿を見て、わめき散らす海馬。あまりのショックに離婚を考える海馬であったが、財産分与で資産の半分を慰謝料で支払わなければならないことを知り大激怒。“不貞”の妻に慰謝料で支払わなければならない1000万円を、自分の“不貞”で使い切ることで復讐を決意した海馬。妻のFacebookの浮気投稿についた、108もの“いいね!” に湧き上がる猛烈な怒り。その数を目標に女を買いまくる、肉慾全開、前代未聞の復讐劇が幕を開ける――。( https://www.cinemacafe.net/movies/28796/ から)

 

https://rockinon.com/news/detail/189620 から

松尾スズキは、本も出している(下)。本の装丁で分かるように、この映画は妻や恋人と行ってはならない。全編、下ネタなのである。主は、けっこう下ネタが好きで、こういうバカバカしい話が、平和で大好きだ。ただ、きっとこの種の映画は、観客になる可能性のある半分の数を占める「女性」に見てもらう気はないのだろうとしか思えない。でも、男には、バカバカしくて「罪がなくて楽しい」映画だ。

主は、松尾スズキはNHKで放送された「木曜時代劇 ちかえもん」が、独特の存在感で気にいっていた。他と違って力が入っていなくて、ユルイ主人公なのだ。「ちかえもん」全体に、どこか浮世離れしたユルさが漂っていて、演劇風というか、舞台風というか、切迫感のないところに大きな魅力があった。

エンドロールで主題歌「夜のボート」が流れるのだが、雰囲気があって星野源を再発見した気分がして、とても良かった。

おしまい

アマゾンの成功の秘密 と 日本の失敗のわけ

主は別にアマゾンびいきではないのだが、アマゾンは圧倒的な品ぞろえで、値段も、他の店よりも多くの場合安い。おまけに、マーケットプレイスという仕組みがあり、最近では中古品も売っている。例えば、本など昔発行されて絶版になっているような、手に入らない本であっても、多くの価格帯の中の選択肢から購入できる。しかも、買った商品は、過失であっても1か月以内であれば返品が可能である。主がキンドルの不都合があった時に、カスタマーサービスにクレームした(キンドルを使って主が英書を読んでいる時に、知らない単語にカーソルを合わせると辞書が表示されていたのが、バージョンアップのバグがあり、表示されなくなった。これをクレームしたら、すぐに古いプラグラムを送ってくれた。)のだが、メールの相手先の社員らしき人物は、驚くべきスピードで対応し、アマゾンの顧客志向に驚いた。このような良心的な対応は、「オモテナシ」を標榜するものの、そんなものは実際にない日本!にあって、日本の企業との応対で主は、なかなか経験がなく、日本の小売店はもうすぐ駆逐されてしまうのではないか、そんな危惧を抱いていた。「モノづくり大国日本」と形容された物作りは、日本の独壇場だったはずだし、カスタマーサービスを含め、サービスのカテゴリーでも大きな競争力があったはずなのに、どうしたのか?、と思っていた。

それらを知るために、以下のアマゾンに関する本を読んでみた。他にもまだ出版されているものが多くあるが、地元の図書館に置かれているもののなかから、最近書かれたものを読むことにした。これら本を読むうちに、クラウドに関する知識を得た方が良いなと感じたのだが、図書館には適当な本がなかったので、こちらは自分で購入した。

本文の最後に、それらの本のアマゾンが商品のホームページに載せいているキャッチ・コピーをペーストしたので、こちらを読めば大体の概要はつかめると思う。

  • ①  「amazon 世界最先端の戦略がわかる」成毛 眞  2018/8/9
  • ② 「アマゾンのすごいルール」 佐藤 将之 2018/4/6
  • ③ 「アマゾンエフェクト! ―『究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか』」 鈴木 康弘 2018/4/12
  • ④ 「アマゾンが描く2022年の世界 すべての業界を震撼させる『ベゾスの大戦略』」 田中 道昭 2017/11/17
  • ⑤ 「イラスト図解式 この一冊で全部わかるクラウドの基本 第2版」林雅之 2019/4/20

これらを読んで感じたことを書く。

①の「amazon 世界最先端の戦略がわかる」は、著者がマイクロソフト・ジャパンの社長をされていた人で、非常にわかりやすかった。ジェフ・ベゾスの頭の中の考えを、いかに組織の成員全員に実現させる仕組みを作ったのかということがわかる。アマゾンは、総資産額が100兆円に近く、売り上げが20兆円ほどあるのだが、利益をほとんど上げていない。利益を出さずに、投資に回したり、販売価格の低下に還元している。

アマゾンは、自分で倉庫を持ち、在庫を抱えている。楽天は、実際に在庫を抱えて売っているわけではなく、会員の企業が商品を発送し、代金も受け取っており、手数料を取って仲介をしているだけだ。このため、事業の開始当初は、事業の拡大のスピードが速かった。しかし、楽天は場所を提供しているだけなので、商品価格を決定したり、輸送時間を短縮したり、1か月以内の返品が可能にするなど、顧客満足度を高める商習慣を変更するような方策を取ることは難しい。

アマゾンは顧客満足度を最大の目標に掲げていて、顧客にあらゆる購買の選択肢を最大化しようとする。従来の販売手法は、2割の商品が8割の売り上げを上げるという事実に着目し、効率性を重視してきた。ところが、アマゾンはその含まれない部分もカバーして、売ろうとしている。その方策の一つがマーケット・プレイスである。マーケット・プレイスでは、売り手の企業はアマゾンの倉庫に商品を納入するだけだったり、ホームページに載せるだけで、アマゾンの販売ルートを使える。それだけではなく驚いたことに、アマゾンはアマゾンの名前を使いたくない企業にも、アマゾンの倉庫を使わせ、アマゾンの流通システムを使わせるという。こうすることにより、広告や販売ルートの限られる中小企業でも商品を市場に供給しやすくなる。

アマゾンは、従来はB/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)だけが着目されていた会計の世界にキャッシュフローの概念を持ち込んだ。アマゾンは顧客からの入金と企業への支払いのラグにより、常に手元に多額のキャッシュを持っている。これがさらなる投資を可能にする。前払いされるアマゾンプライムは、顧客から別料金をとることで、1時間配達、配送料無料、さらには映画や音楽の視聴の特典を与える。プライム会員は、キャッシュをもたらすとともに、非会員の2倍購入するという。

アマゾンは、ネットの通信販売の会社だと思われがちだが、今では、通販は売り上げでも、利益の面でも今は小さい。AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)というのだが、アマゾンが事業を拡大するプロセスで拡大してきたコンピューターのシステムの遊休している部分を企業向けに利用させている。アメリカでは、クリスマスシーズンに非常に大きな売り上げがあり、その際にトラブルがあると信用問題になるため、その繁忙期に合わせた余裕のあるシステムの設計になっている。その普段遊休しているシステムを活用し、クラウド事業に使っている。そちらは、技術の進歩もあり、アマゾンは利用料金を60回も値下げ!しながらも、クラウドでは、マイクロソフト、グーグルを押さえて、40%のシェアがある。しかも、この事業はいったん始めると、手間もかからず、利益が確保しやすい。

端的に言い換えると「アマゾンの経営」は、これまでの「経営学」を書き換えるものだ!どこにもない。

②の「アマゾンのすごいルール」は、アマゾンジャパンの創業時から参加した人が書いたもので、社員目線のアマゾニアンの仕事ぶりが良く分かる。主は、アマゾンが社員の評価を細かい数字で管理していると聞いて、具体的なことを知らなかったが、詳しく書かれていた。

アマゾンは、アメリカの本社と打ち合わせながら、毎年高い目標を設定する。今年はこれだけやるんだという目標を時間をかけて決める、ここだけを読めば日本の企業と同じだが、これを徹底的に細かくブレークダウンする。例えば、倉庫新設の設備投資をする場合であれば、進捗を1年の週単位で計画する。本の販売で中次のトーハンを飛ばすのであれば、この交渉事を1週間単位で目標設定をする。1年間の目標を達成するためのプロセスを週単位に分解し、計画と実績を0.1%単位で比較している。出来なければ、原因を分析して後れを取り戻さなければならない。社員は、今週何をしなければならないかしっかり自覚している。

会議の資料と進め方も面白い。会議はA4で1枚か、6枚と決まっていてパワーポイントは使わない。多くの場合A4、1枚であり、記者発表の形式で言葉で書く。会議の出席者は、冒頭の15分間資料を黙って読む。15分経過後、説明と質疑を行う。質疑がなければ、賛成と見なされ、後日、批判的なことを言うことはできない。反対意見があれば、その場で言う。ジェフ・ベゾスがあってはならないという喩え話に「部屋の天井の高さが2メートル50センチという者と3メートルという者がある場合に、じゃあ2メートル75センチにしよう、といった安易な判断をしてはならない。実際に測らないとならない。」というのがある。日本では、中間をとったり、発言者を忖度することがしばしば起こるが、このようなことはもっとも忌み嫌われる。

人事の採用の話も面白い。毎年成長している企業であるため、採用は非常に頻度が高いが、ハードルは高い。求められる人物像は、「アマゾンを、今より高められる人物」でなければならず、採用はこうした人物を選抜する作業だからである。即戦力という生易しいものではない。面接は、直接の上司を含む6人の関係者が1対1で1時間弱かけて行う。このうち誰か一人でも異を唱えると採用されない。逆にこの採用面接は部署横断的に行われるために、例えば、食品のリアル店舗の運営の採用面接に応募してきた人物が、キャリアを説明するうちに、食品のリアル店舗では採用に及ばないが、過去の経歴から、倉庫内の商品の移動システムの保守管理の責任者として適任と考えられた場合、その部署の責任者と相談して、応募者に採用を打診するといったケースがあるという。

また、ひとつのプロジェクトの人数も面白い、夜食でピザを一緒に食べる範囲ということで、せいぜい10人まで位。また決裁も、関係者が少なくスピード重視で、たとえ10億円以上のものであっても、二日以内で決裁される。著者は、アマゾンは社員が愚直に仕事をする会社だと言う。その他、理不尽な人事評価が起こらない仕組み、社員が絶対に口に出さないNGワード(「こんなことができないのか。自分の力でやり遂げろ」)など、面白い。

③の「アマゾンエフェクト! ―「究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか」の鈴木康弘は、IT畑でエンジニアや経営者をされてきた人で、セブンイレブンの創業者、鈴木敏文の息子である。この本は率直に書かれており、セブングループの敗戦史という見方もできる。著者は、総合スーパー、コンビニチェーン、セブン銀行を有するホールディングスの「ネットとリアルを統合する」というITオムニ戦略を推進しようとするのだが、過去の成功体験を捨てられない抵抗勢力の反対に苦労する。

しかも、時代は変わっていた。アメリカでは、IT技術者の75%は企業内にいる。残りの25%は、インテル、AMD、マイクロソフトや、グーグル、アマゾンなどであり、自社外で使われる製品製造や開発を行っている。日本では、IT技術者の25%が企業内におり、残る75%は富士通や、NEC,、NTTをはじめとする多くのIT関連企業で働いていて、企業がシステム開発をする場合、企業内のIT技術者が、企業外のIT関連企業に外注することが一般的だ。つまり、アメリカは自社で使うソフト開発は自社でやり、日本は外注するのが一般的なスタイルである。(日本のIT関連企業の売り上げから見ると、独自で製品開発をするというより、企業システムのメンテナンスやヘルプデスクなどに人材を送り込む派遣業や、ゼネコンの元請け、下請けといった趣がつよい。)

この外注というスタイルは、発注者と受注者の間で、責任が不明確になりやすい。企業で実務を担当している人間が、その企業のシステム部門で働いているわけではなく、企業のシステム部門の担当者は、実務が良く分からないで、外部のシステム開発会社(SIer=日本独特であるシステムインテグレーター)との仲介役になる。受注者のシステムインテグレーターは、よく理解のできない業務分析を聞きながらシステム開発を行い、やがて、コストの割にはあまり役に立たないシステムが完成する、という事態がしばしば起こる。

主は、日経ビジネスで次のような記事を読んだ記憶がある。つまり、システムインテグレーターは、システム開発の失敗の責任を経営者から追及される際、「土下座要員」としての価値がいつまでもなくならないので、この図式(=システム開発の失敗をめぐって、経営者と企業のシステム部門とそれを請け負うシステム開発会社が、責任の所在があいまいなままに手打ちをする場面)は続くだろうと、自虐とともに言うのである。

特に直近のこの10年は、クラウドが、コンピューターの世界をまた一変させていた。1980年代は、汎用コンピューター(メインフレーム=大型コンピューター)の時代で、富士通やNECなどは、汎用機とOS、プログラムの納入で大いに儲けていた。しかし、1990年に入ると、パソコンの性能が向上し、パソコンをサーバーにするクライアント・サーバーという形式、2000年になると、ネットワークコンピューティングが一般的になる。さらにこの10年のクラウドコンピューティングでは、サーバーの機能をクラウド側(=アマゾンや、グーグルなどの事業者側)で持ち、企業側で用意するのは、ノートパソコンやスマホなどの端末だけでOKという時代が来ている。これまで、企業自身が行ってきた機器やシステムのメンテナンスを、企業の要望に応じてクラウド事業者が代行してくれるのだ。

このような前提条件のもとで、アメリカでは自企業で使うシステムの開発は、社員が専念して自前で作る。アマゾンの場合、実に社員の半数がシステム要員である。もし、外注であれば、システムの改修には時間がかかるが、自前で行えばそのようなロスはない。アマゾンでは、日本で依頼するシステムの改修が重要な場合、その日のうちに、時差のあるアメリカのエンジニアたちが、たとえ深夜であっても対応する。

ところが、日本ではクラウドに対する取り組み自体も遅れているし、どの企業でも、システムを自前で持ちたがり、システムのメンテナンスはコンピューター技術者がやるもので、一般の社員はコンピューターを無縁なものと考えている。当然、システムの作り込みは、相変わらず開発会社に外注する。本来、システムと業務のやり方は、混然一体で同義なのだが、日本ではシステムをそのように考えている人は少ない。おかげで、顧客だったり、業務で使うシステムは使い勝手の悪いものとなっている。

ちなみに、標題の「アマゾンエフェクト」というのは、アマゾンのおかげでアメリカの多くの企業の経営が危うくなっていることを言い、「アマゾンショック」とは、実際に倒産したトイザらスなどを言う言葉である。なにやら、ユニクロですら、アマゾンの脅威に怯えていると書かれていた。これらの本を読んでいると、アマゾンがいつ銀行を始めてもおかしくないし、生鮮食料品の販売はすでに始めようとしている。どんな大会社が買収されてもおかしくない。すでにアマゾンに勝つことを考える時代は過ぎ、アマゾンをいかに上手に利用するかを考えた方が賢明というのが大方の相場のようだ。

ここで一句。アマゾン30代部長年収2000万円台、かたやジェフ・ベゾス個人資産15兆円、部長の報酬は、高いのか、少ないのか?

その差、75万倍! おかしいと思っても、どうしようもないよね (^^)/

おしまい

——– 以下は、本の説明 ——–

① 「amazon 世界最先端の戦略がわかる」成毛 眞  2018/8/9

●アマゾン1社さえ分かれば、最新のビジネス感覚が身につく●

アマゾンという企業を研究することは、これからの最新の経営学を学ぶことと同じです。 「ビジネスモデル」「キャッシュフロー」「AI技術」「会員サービス」など、ありとあらゆる革命がこの企業にはつまっています。 アマゾンは、あっという間にさまざまな業界に入り込み、それぞれの大企業を脅かす存在になりました。 いったい、それはどうしてなのか。アマゾンは何をしているのか。 この本では、「小売り」「資金」「クラウド」「会員サービス」「M&A」「物流」「テクノロジー」「組織」などの面から、元マイクロソフトの社長である成毛眞氏が徹底解説。 この1社さえ押さえておけば、世界で今何が起こっているのか、現代のビジネスマンや企業家が知っておくべき最新のビジネス感覚を身に着けることができます。

【本文より抜粋】 序章 アマゾンがなかったら生活できないかも アマゾンが秘密主義なのはなぜなのか アマゾンは、ローマ帝国

  • 第1章 圧倒的な商品数と安い値段がどうして可能になるのか 「品揃えが大量で、安い」を実現する仕組みとは あらゆる商品が扱える「マーケットプレイス」という仕組み スタートアップを最初に取り込めると大きい 「低関与商品」市場はこれからますます広がる――アマゾンダッシュボタン
  • 第2章 キャッシュがあるから失敗できる 驚異的なアマゾンのキャッシュフロー 赤字でも株価が下がらない仕組み CCCがマイナスという魔法から資金が生まれる
  • 第3章 アマゾンで一番利益をあげているAWS アマゾンのほとんどの儲けをたたき出す、知られざる巨大ビジネス AWSの営業利益が、別部門の資金になる 大きくなりすぎると成長率がとまる理由
  • 第4章 アマゾンの「プライム会員」とは何なのか 年会費は安くして、後から上げる サービス過多なのは、ライフスタイルに入り込みたいから
  • 第5章 アマゾンから、効率のいいM&Aを知る ホールフーズのM&Aで、実店舗への乗り出しが現実的に M&Aのメリットをおさらいしよう
  • 第6章 巨大な倉庫と配送力で物流を制す 海上輸送に乗り出し、輸出の中間業者を中抜き ラストワンマイルを制するものは、物流も制する
  • 第7章 プラットフォームの主になるには 業界で打って出るのはプラットフォーマーになることがなにより第一 スーパーの脅威にもなる「アマゾンフレッシュ」 「卸の中抜き」は安値を出す基本――出版業界
  • 第8章 アマゾンを底ざさえするのがテクノロジー アマゾンの真の凄さはテクノロジー

内容(「BOOK」データベースより)

「何が勝って、負けるのか」ビジネスの基礎知識も身につく!この一社を知ることは、最新のビジネス感覚を身につけることと同じ。

② アマゾンのすごいルール 佐藤 将之 2018/4/6

内容紹介

アマゾン ジャパンの立ち上げに携わった元幹部社員が初公開!
ジェフ・ベゾス直伝の「超合理的な仕事術」とは?

次々に革新的なサービスを生み出し、世界をリードし続けるアマゾン。
その強さの背景には、ジェフ・ベゾス直伝の「仕事術」がありました。

・会議冒頭15分間沈黙ルールとは
・パワーポイント使用禁止の理由
・10億円規模の新企画も、たった2日で決裁がおりるスピード感の背景
・必ず優秀な人材を見抜ける採用面接の質問集
・アマゾン社員が絶対に口にしてはいけないNGワード
・世界一の難関? アマゾンの入社試験とは
・絶対に「理不尽な評価」が起こらないアマゾンの評価制度とは

アマゾン ジャパン17番目の社員として、アマゾンの立ち上げを支えた元幹部社員が、
アマゾンの全社員が遵守する「最速で最高の結果を出す仕事術」を初公開!
アマゾンの飛躍を支える「門外不出のルール」が満載の一冊です!

内容(「BOOK」データベースより)

だからamazonは成功した!amazonの最大の武器は超合理的な「仕事術」だった。アマゾン ジャパンの立ち上げメンバーがジェフ・ベゾス直伝のメソッドを初公開。最速×最高の結果を出す仕事術と14の心得。

③ アマゾンエフェクト! ―「究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか 鈴木 康弘 2018/4/12

内容紹介

  • アマゾン・エフェクト(効果)とは、いまや世界一の億万長者になったジェフ・ベゾス率いるアマゾン・ドット・コムの快進撃の陰で、業績や株価の低迷にあえぐアメリカ企業が増えている現象をさす。その業界は百貨店やスーパーに限らず生鮮品、衣料品、家電量販店、コンテンツ産業など幅広い業態におよぶ。
  • オムニチャネルを知悉した著者が解説する
    デジタルシフト危機への対処法
  • アマゾンの動きの影響を受けて対応を迫られたという意味で、いまから一二年前、日本で最初に〝アマゾン・エフェクト〟を経験したのは、おそらくわたしではないかと思うのです。
  • わたしはそれまで 、ソフトバンクグループのヤフーの傘下で、書籍のネット販売を手がけるセブンアンドワイという会社を経営していました。それが一転、二〇〇六年に日本の流通業でイオン・グループと双璧をなすセブン&アイ・ホールディングスのグループに入り、セブンーイレブン・ジャパンの子会社に転じる選択をします。
  • 当時、同社の会長兼CEO職は、わたしの父親である鈴木敏文が務めていました。しかし、移った理由はそこにあるのではなく、アマゾンが家電の販売を始めるなど、業容をどんどん拡張し始めたのがきっかけでした。目指すゴールとは「ネットとリアルの融合」でした。
  • しかし、その近道を選んだはずの選択が大きな「読み間違え」であったことを、その後の一〇年におよぶリアルの流通業での苦闘の連続と、ネットの世界でのアマゾンの躍進により、思い知らされるのです。(まえがきより)

内容(「BOOK」データベースより)

  • アマゾン・エフェクト(効果)。アマゾン・ドット・コムの快進撃の陰で、業績や株価の低迷にあえぐアメリカ企業が増えている現象をさす。業界は百貨店やスーパーに限らず、生鮮品や衣料品、コンテンツ産業など幅広い業態におよぶ。オムニチャネルを知悉した著者が解説。デジタルシフト危機への対処法。

④ アマゾンが描く2022年の世界 すべての業界を震撼させる「ベゾスの大戦略」 田中 道昭 2017/11/17

内容(「BOOK」データベースより)

  • 小売り・流通に変革をもたらしてきたECの巨人・アマゾン。近年は、リアル店舗への進出にとどまらず、クラウド、宇宙事業、AI、ビッグデータなどの分野へも展開、米国ではアマゾンに顧客と利益を奪われることを意味する「アマゾンされる」という言葉が生まれるほどに、その勢いを増している。本書は、大学教授、上場企業の取締役、コンサルタントという3つの顔を持つ著者が、膨大な資料と独自のメソッドで、「アマゾンの大戦略」を読み解く一冊。

⑤ 「イラスト図解式 この一冊で全部わかるクラウドの基本 第2版」林雅之 2019/4/20

スマートウォッチ HUAWEI HONOR BAND 4 購入《使えるようになるまで》

知人が2,000円台で買ったというスマートウォッチを持っており、アップルウォッチなどと値段が違うというので、主も欲しくなった。何やら、心拍数を記録したり、睡眠の品質を計測したりできるらしい。主は、椅子に長く座っている時に、「長座注意」してくれる機能がいいね!と思ったのが購入の動機である。

アマゾンで見ると様々に安い機種があり、聞いたこともないような中国製の中から、口コミを頼りにTUAYOOという会社の3,000円程度の製品を買った。下がその写真。

こちらは肝心の着信、メール、LINEの通知などが動作しなかった。また、文字盤のディスプレイもデフォルトのままで変更ができなかった!が、従来の腕時計とはまったく違っており、近い将来スマートウォッチが取って代わるだろうと感じさせる強い魅力を感じた。そのため、1度、同じ商品へ交換をしてもらった。交換は簡単で、手元の不良品は返品不要という連絡があり、「さすが日本企業と違って!、太っ腹!合理的!!」と感じる。しかし、やはり再度送られて来た製品でも不具合があり、結局のところ、アマゾンに返品、返金処理をしてもらった。

その後、たまたま、NHKの「クローズアップ現代」という放送を見て、通販サイトでは大量にサクラを雇って口コミが書かれているという報道があった。発売後間もない商品に1000個以上の口コミがあり、ほとんどが★★★★★というのは怪しい、これがそうだと気付いた。このため、口コミの数がなく、名前の通っているHUAWEIなら正常に動作するのではないかと考えた。具体的には、Huawei Honor Band 4という4,700円ほどの製品を購入した。

Huawei Honor Band 4

日本語の説明書がなかったり、日本製品のような詳しいマニュアル類は一切ないので分かりにくい部分もあるのだが、スマホにアプリを入れるとそちらは日本語であり、少し試行錯誤をしたものの、無事に使えるようになった。主のスマホは、4,5年前のエソニーのエクスペリアZ3という機種だが、問題なかった。

ただ、全然トラブルがなかった訳ではなかったので、苦労した点を紹介する。

スマホの着信、SMS、LINEなどは通知されるものの、gmailについては、うまく通知が来なかった。この点をHUAWEIに問い合わせようとしたのだが、メールの他にもLINEで問い合わせをする方法があり、主はこちらを試した。これは時間を問わず問い合わせができて、便利だ。ところが、このLINEチャットで問い合わせたところ、Honor Band4は、日本国内向け製品ではない(=海外モデル)ので、ここでは対応できないと書かれてあり、別に日本国内にある一般的なコールセンターのような場所の連絡先が書かれていた。

そこで、そのコールセンター(ファーウェイ製品全般を扱っている)に電話で問い合わせをした。そこでの対応がなかなか親切で、「わかる範囲になりますが、できるだけお教えします」「ちょっと、待ってください。実際に、Andoroidのスマホを手元に持ってきます」と言って、GMAIL側の設定方法を教えてくれた。要するに、原因は、GMAIL側の設定が「新着メールごとに通知する」というところにチェックが入っていなかったのが原因だった。通常のコールセンターでは、GMAILは、自社ではないソフトの説明になるので、対応してくれないことが多いと思われ、ここは親切だ。

上が、実際の通知の画面である。一番右側の写真を見ると、どうやら日本語のひらがななどは表示できず、漢字と英数字のみが表示されるようだ。主は、1度ファームウエアのバージョンアップをしたので、いずれ改善されるかもしれない。

使ってみての感想だが、睡眠の質(深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠、覚醒)を下記のように表示できたり、心拍数の1日をつうじた経過をスマホのアプリで見たりすることもできる。こちらは、問題のないちゃんとした日本語表示である。主は、まだ試していないがランニングやスイミングなどの履歴もとれるようだ。毎日さまざまなデータをとっても、充電は週1~2回くらいで済みそうだ。防水機能も優れていて、水泳時の記録をとることもできるようだ。

主が期待していた「長座注意」は1時間でちょっと長く、45分くらいならばもっと良かったのだが、時間が来ると振動で知らせるだけでなく、アイコンが体操を始め、楽しい。また、ちょっとしたストップ・ウオッチにも簡単に手元の操作ででき、昼寝の時間を計るのに重宝している。

おしまい

退職するなら会社都合でしよう!! 失業給付の話

今の労働法では、65歳まで企業側は雇用義務がある中で、定年延長の恩恵にあずかる主は、何も知らず、64歳10か月のところで、契約期間を満了して退職した。この2か月の差により、失業保険で手厚い給付を得ることができた。

詳しく書くならば、主は非常勤の嘱託として週に3日働いていた。もう1年勤める権利があったのだが、今年の年度末で退職した。実際のところは、職場の人間関係に嫌気を指し、即刻辞めようと思ったのだが、有給休暇も使えるし、期間を満了して契約更新しないスタイルの方が、体裁がいいかなと漠然と思ったのだ。

失業保険の仕組みは、退職の年齢、被保険者だった期間と、会社都合の退職か自己都合の退職かの別により、上の表のとおり給付額や給付期間に差が出る仕組みになっている。65歳以上になると、そりゃそうだと思うが、ゼロではないものの、対象外のような扱いとなる。また、自己都合で辞めると、下の表のとおり給付日数が減ることに加え、給付開始までに2か月の猶予期間があるため、金が手元に入るまで時間がかかり、厳しい。

「https://president.jp/articles/-/8804」から
「http://taisyoku.style-space.com/archives/jikotugo.php」から

ネットには、会社都合になる条件などが詳しく出ている。自分の意思で辞めるにしても、ちょっとした知識があれば、不都合を避けられる。自己都合であっても、できるものならば、会社の人事にお願いして、円満に会社都合にしてもらうのが得策だ。

おしまい

厚生年金はどのように計算されるか

主は、厚生年金を受給する年齢となり、何度か年金事務所へ足を運び受給額をシミュレーションしてもらっていたのだが、実際にエクセルをつかって細部を計算してみた。計算方法などは、年金機構のホームページで知った。

サラリーマンの年金である厚生年金は、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金保険)の2種類が支給される。

まず、老齢基礎年金(国民年金)分はシンプルで、20歳から60歳まで480か月分掛けた場合の満額(年額)が、780,100円である。22歳の4月から働き始めた主は、60歳の誕生月まででは、446か月だ。この場合だと、支給額は、780,100×446/480を計算すればよい。(この式では、満額支給されないように思われるのだが、差額は、次の老齢厚生年金の「経過的加算」により支給される)

65歳から支給される老齢厚生年金(厚生年金保険)は、「報酬比例年金額」、「経過的加算」、「加給年金額」の3要素からなる。経過的加算は、前述の国民年金額の不足分に相当し、加給年金額は配偶者手当のようなものなので、説明を省略し、報酬比例年金額だけを書いてみる。

報酬比例年金額を求めるには、働き始めた(保険料を納付しはじめた)時から、現在に至るまでの標準報酬を知る必要がある。これは、年金定期便の詳細バージョンに書かれている。このあたりの詳しい仕組みや経緯を主は知らないが、年期定期便は、ラフなものと根拠が分かる細かいものがあり、ラフなものは計算結果しか表示されていない。年金事務所で、本部へ電話で依頼すると詳細バージョンの最新のものを作ってくれると教えてもらった。ネットのマイページでも、詳細データを見ることはできるが、まとめてデータを書きだすような機能はないようなので、出力依頼する方が確実である。(ただし、3か月ほど待たされるが)

平成15年4月以降、年金保険の掛け金は、ボーナスに対しても納めるように制度が変更になった。また、給料がいくら多くとも、最高の標準報酬月額は62万円に設定されており、それ以上の給与をもらっていても62万円に見合う掛け金しか納付しない。やはり、ボーナスにも上限額があり、一月あたり150万円の設定である。このようなことから、仮に1000万円以上の年収を得ていても、掛け金を納められる上限が決まっているため、支給額は一定のところで頭打ちになる。(もちろん、上限に満たない場合は、報酬に比例して支給額が少なくなる)

実際にエクセルで計算するには、支払い月の標準報酬額に「再評価率」を乗じる必要がある。つまり、過去の給与には、物価の変動や金利の動向などの影響があり、年度ごとの「再評価率」が決められており、これを乗じる必要がある。これを見ていると、世相を反映しているなと思うのだが、昭和の時代を昔へ遡るほど数字は大きくなり、昭和32年の掛け率は14倍である。これは、昭和32年に10万円の給与をもらった場合、140万円として計算することを意味する。この率は、徐々に下がり、平成元年には1.2倍、それ以降はデフレを反映して、掛け率は1を下回る0.9台になっている。

「最評価率」が別ページで開きます

つまり、報酬比例年金額は、過去に働いて納めた掛け金に相応する標準報酬額に再評価率を乗じて求めた加重平均に、さらに被保険者期間の月数を乗じて求める。 ところがこの再評価率は、前述したように、高度成長期に貰った給与は掛け率が高く、平成以降のデフレ期の給与は掛け率が低いので、世代間格差が出てくるのはここに原因がある。トータルで、同じ金額の給与をもらっていたとしても、働いた時期が古いほどもらえるが額が多くなる。

NAVERまとめから

現在のトピックとして、厚生年金で生活しようとすると、生涯で2000万円が不足し、その分の貯金が必要という金融庁の報告に対し、野党などが年金は「100年安心!」と言っていたのではないかと、世間を騒がせている。ほとんどの人は、漠然とにしろ、そのような状態になるだろうと思っていると思われる。実際に主が計算した例でも、昔の世代の勤労者であれば、月額給与上限の62万円に達していたことが多いはずだが、現在では、非正規で働いている人を含め、昔ほどの高給を貰っていない人の比率が高いだろう。その場合、当然ながら、将来もらえる年金額は比例して下がる。

金融庁の思惑は、そのような事態に備えて、個人に投資を進めるところにあったが、これまた、元本自体を目減りさせるリスクが大きい。

無責任な発言かもしれないが、ここは、国民全体でコンセンサスの転換をして、ベーシックインカムの導入を本気で考えるしかないと思う。3000年紀に入り、2000年紀と社会自体が変わってしまっているのだから。また、消費税を計画通り上げそうな気配だが、さらなる不況に陥る可能性が高い。

おしまい

エブリバディ・ノウズ【日本病】「国債を刷れ 廣宮孝信」& MMT (現代貨幣理論)

「通貨発行益」のことを知ろうと、よく行く図書館で「国債」をキーワードに検索してみた。そこで、8冊出てきたのだが、そのうちの1冊に「国債を刷れ」(廣宮孝信 彩図社)という本が出てきた。

何を知りたいのかというと、日本では借金の残高1300兆円を超え、財政再建のために税金を集めて、借金返済をしなければならないというのが緊急の課題と、マスコミや政府が言うからだ。

一部であるが、「そうではない、日本の財政は健全だ。国債発行残高が高すぎるということはない。財政再建よりも、景気浮揚が先決だ」という経済学者もいる。具体的気に名前をあげれば、高橋洋一、森永卓郎の名が浮かぶ。

高橋洋一や森永卓郎が、日本はそれほど借金漬けでないという根拠として、政府と日本銀行のバランスシートと統合すると、資産の部の方が大きいという。下の図は、高橋洋一の「99%の日本人がわかっていない国債の真実」(あさ出版)という本から写したものだ。画の上段が、政府だけのB/S(バランスシート)であり、下が日銀を統合したB/Sである。(クリックしていただくと、見やすくなります)

上図からわかることは、政府の資産が900兆円、国債の負債がが1350兆円である。日銀を統合すると下の図になり、日銀の分が赤字で囲ったところだと思われる。日銀が保有する国債が400兆円で資産の部、それに対して日銀券(お札)を400兆円渡しているのが負債の「銀行券等」だ。緑で囲ったのが、徴税権750兆円となっているのだが、残念ながら高橋洋一は詳しくここのことろを説明していない。おそらく、政府には毎年の税収とは別に、徴税する権利を750兆円持っているということだろう。

ここで留意すべきは、下図の統合B/Sの負債の部、「銀行券等400兆円」に矢印のついた線が引かれており、「●実質的に債務でない ●利子負担なし ●償還負担なし」と書かかれている点だ。要するに、資産の部である「国債400兆円」に対し、負債の部に計上されている「銀行券等400兆円」(=国債購入のために刷ったお札)の実態は、返済を意味する性質のものではない、というのだ。

一方、主の危機感として、平成を振り返るトピックのNHKのニュースで、約30年前と現在の平均的家庭の所得を比較したものがあった。内容は、平均的家庭の所得水準は、30年前も今も約600万円で、報道の主眼は、貧困層(300万円以下)と1200万円を超える高所得者層が30年間で増え、中間層が減って格差が拡大しているというものだった。

このニュースを聴きながら、主は、格差のこともさることながら、30年間、平均所得が横ばいだったということの意味をNHKが、報道しないことに驚いた。30年間経過すれば、ほとんどの先進国の平均所得水準は、軽く倍以上になっているはずだ。中国やアジア諸国であれば、何十倍にもなっているだろう。そうしたなか30年間日本は全然変わらない、ここ数年人口減少しているとはいえ、30年前という長いスパンで比べると人口は若干増えているだろうから、その割合だけGDP(=一人当たりのGDP×人口)は微増ということだろう。この現象は、外国と比べると異様だ。

話を元に戻すと、高橋洋一も「国債を刷れ」の廣宮孝信も、言っている内容はほぼ近いものがある。ただ、高橋洋一は東大の理学部数学科を経て、経済学部の出身の元大蔵官僚である。経済を専攻して、言いにくいことをズバッというのがセールスポイントなのだが、数学的な説明を別にすると、やはり歯切れが悪い。逆に、廣宮孝信は、阪大の工学部電子工学科出身で、経済学の学位を持っていない。しかし、よく勉強しているようで、こちらの方が説得力がある。

かれが言うには、政府でも日銀でも、不換紙幣(兌換紙幣の反対で、政府なり日銀が紙幣発行に対し、義務を負わない紙幣)を発行するのは、江戸時代の通貨の改鋳、明治政府の太政官札発行など、普通におこなっていることで、すべて通貨発行益になる。悪性のインフレさえ起こさなければ、不換紙幣を刷って、景気を回復させよ、これがかれの主張だ。日銀や政府、学者は通貨の過剰発行は、第二次大戦敗戦後のハイパーインフレ同様になると、しきりに警告するのだが、その率は、たった300%で、ジンバブエやブラジル、ベネズエラなどの何万%というハイパーインフレと比べると極めて少なく、むしろすぐに日本はデフレ傾向になっているという。要するに、太平洋戦争のあとのインフレ率でさえ、300%で、困ったことになったのは、金持ちと企業が持っている債権の値打ちが1/3になったということで、大衆は、所得が増えればどうということもない。

この本を読んでいると、他の経済学者が書いたような、歯にモノが挟まった物言いではなく、明解だ。「通貨発行益」は、造幣局が発行する硬貨のみだと考える学者と、日銀が所有する国債や株式の利子や配当が国庫納付されるために、国庫納付金が「通貨発行益」と考える学者がメジャーだ。森永卓郎は、はっきりと通貨の発行自体を、「通貨発行益」と言うのだが、経済学者のなかでは、マイノリティーである。

いま日本で行われている国債発行は、政府が国債を発行し、日銀が直接引き受けると「国債発行が際限なくできる」という理由で、直接引き受けは認められていない。このため、政府が発行した国債を市中の金融機関が買い入れし、それを日銀が買い集めている。やっている中身は、日銀が直接引き受けているのと何も変わらない。

こうしてみると、日銀はマーケットが必要としている通貨供給しているのか、怪しい。こういう言い方をすると、通貨供給を増やしても、ヘリコプターからばら撒く訳には行かない、お金の借り手がそもそもいないのだ、という議論になる。そうではなく、それでは、この本のように政府が財政支出をもっとすればよいのだ。一部やろうとしているが、子育て、保育所もそうだし、何より、科学研究、社会福祉、ぼろぼろの学校校舎の建て替えなど課題は山積だ。直接の財政政策ではないが、最低賃金の大幅アップをやれば、公務員や、勤労者の給与も上がるだろう。廣宮孝信が言うように、極端なインフレさえ起らない範囲で、国債を刷って、貧困から抜け出さないとマズイ。

この本が書かれたのは2009年で、10年前だが、病状は徐々に悪化している。主が危惧するのは、日本がこのまま、財政再建を念仏のように唱えていると、国債を外人が買うようになる時代がくる。もうかなり来ているだろう。

そうなると、海外でハイパーインフレを起こした、ジンバブエやギリシャ、ブラジルのようになりかねない。バカな経済学者たちは、国債と為替がが暴落して、金利が暴騰するという。日本が、国力を今の調子で失えば、最後の最後はそうなる。その時に、主流派の学者が「それみたことか」となるのが恐ろしい。

単純に国債の残高だけを見て、「1350兆円もあるから、すぐに減らさないと」などといっているようではだめだ。例えば、ソフトバンクの負債が何兆円もあるのに、世間は高い評価を与えている。その理由は、負債の残高だけを見ているのではなく、相手科目の資産と、収益を見ているからに他ならない。負債の残高をグロスで見て、1350兆円と騒ぐのは、財務諸表の見方を知らない議論だ。 国の負債は、国民の資産のはずだ。 おまけに、国の借金は、企業よりさらに条件が良い。すなわち、通貨の発行権を持っているからだ。

こんな「基本のキ」の話、主流派の経済学者も気がついているんだろうが、言わないのだろうと思えて仕方がない。デフレ状況で、持てる者にとっては、資産の保全には何もしないことが一番良い方法だからだ。

廣宮孝信の分析に説得力があるのは、学位がないということが、それが妙な経済学の先入観やしがらみがないというメリットなのだろう。

世の中で幅を利かせているのは、法学部出身者、それも東大法学部出身者だろう。財務省のキャリアには法学部と経済学部出身者で差があり、法学部出身者が出世する。その経済オンチたちが「借金を次の世代に背負わせるな!」と間違った経済を語る。そう語ることで、かれらが握る「予算」のありがたみがまし、誰も逆らえなくなっている。

おしまい 参考:2013年に「国債を刷れ」の新装版が出ていた。

2019/5/25追記

最近の経済学の動向で、MMT(Modern Monetary Theory=現代貨幣理論)をよく耳にするようになった。MMTとは、端的に言えば、通貨を自国で発行している国では、国債の残高がいくらになろうと問題がなく、インフレになる前に、税額をアップさせればよいというドラスティックなものだ。

以下のリンクは、安達誠司がMMTを解説をしているものである。安達誠司は、リフレ派で主は高く評価している人物であり、著作も多いが非常に信用できるものを書いている。このMMTは、従来の経済学の枠組みから逸脱するものであり、当然ながら、安達誠司も懐疑的である。しかし、昨今、消費税を10%に上げるかどうか、政治の世界ではせめぎ合っており、幼稚園、保育園の無料化、低所得者層の大学奨学金の無償化などは、消費税のアップがこれらの財源とされており、消費税を上げずに財政出動する根拠にMMTが急浮上しているらしい。

本当におしまい