アマゾン やっぱり税金払っていなかった!!

アマゾンが税金を納めていないということを前に書いたが、アマゾンが平成29年と平成30年12月期の法人税として300億円を納税したとの記事が2019.12.22に新聞に出ていた。下がその産経新聞のリンクである。

アマゾン、納税へ方針転換 法人税2年で300億円 売上高を日本法人に計上

世界的な経済政策を調整するのは、OECD(経済協力開発機構)だが、その租税条約では、住民や企業の「恒久的施設」に対して課税する仕組みになっている。アマゾンは、日本の支社や倉庫を「恒久的施設」ではないと理由づけ、法人税を従来日本政府に支払ってこなかったのだが、ようやく支払うことにしたということだ。しかも、従来のロジックでは、アマゾンの業務に何かと支障があるから変更したというのが理由だ。

成毛眞さんの「amazon」(2018/8 ダイヤモンド社)では、「世界が悩む、アマゾンへの課税問題」とのタイトルで項だてをして、ネットで売買が完結するKindleや映画のサービスへ消費税を納税してこなかったと書かれている。こちらを国税庁が課税するようにしたのは、ようやく、平成27年10月のことだ。

国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について

他にもアマゾンをはじめとする外資に有利な条件は今でもあり、ソフトウエアの開発費がそうだ。日本の税法では、ソフトウエアの開発費は、資産の形成と見なされ、一括損金に計上することはできない。つまり、耐用年数(一般的に、5年間)にわたって償却しなければならない。日本では単年度では、1/5しか経費として認められない。ところが、アメリカの税制では、このソフトウエアの開発費は、支払い年度ごとに全額損金計上できる。これを利用して、アマゾンは日本でのソフトウエアの投資を、日本には恒久施設がないとの理由で、アメリカの決算に含めて計上してきた。当然、日本で法人税を納めてこなかった。

こうしてみると、アマゾンは、日本企業よりずっと有利な条件で、1998年の日本上陸以来20年以上、競争してきたことがわかる。当然だが、このことは他の外資にも当てはまるだろう。アップルの音楽配信がそうだし、スターバックスも世界中に展開しているのでそうだ。

おしまい

 

ゴーンさん逃亡 高野隆弁護士ブログの引用

ゴーンさん逃亡事件だが、弁護団に宮崎駿監督に似た雰囲気の弁護士がいるのをご存知の方は多いだろう。下の写真の右側が、その高野隆弁護士で、左側がよくテレビに登場する弘中惇一郎弁護士である。どちらも日本で一二を争う最高の弁護士と言われるそうだ。

NHKニュースから

その高野弁護士が、ゴーン氏の逃亡の後、彼に対する共感と日本の刑事司法に対する自己批判を痛切にブログで語っておられる。このブログに、驚くほどの数のコメントがついている。主が見るたびに数は増えていて、1月11日現在で、770個を超えている。次のリンクをクリックしてください。

刑事裁判を考える:高野隆@ブログ

「・・・残念ながら、この国では刑事被告人にとって公正な裁判など期待することはできない。裁判官は独立した司法官ではない。官僚組織の一部だ。日本のメディアは検察庁の広報機関に過ぎない。しかし、多くの日本人はそのことに気がついていない。」

「・・・手続きが進むにつれて、彼の疑問や不安は膨らんでいったようだ。一向に進まない証拠開示、証拠の一部を削除したり、開示の方法に細々とした制限を課してくる検察、弁護人に対しては証拠の目的外使用を禁じる一方で、やりたい放題の検察リーク、弁護人の詳細な予定主張を真面目に取り上げないメディア「公訴棄却申し立て」の審理を後回しにしようとする公判裁判所、いつまでも決まらない公判日程、嫌がらせのようにつきまとい続ける探偵業者などなど。

「・・・・大晦日の朝、私はニュースで彼がレバノンに向けて密出国したことを知った。まず激しい怒りの感情がこみ上げた。裏切られたという思いである。しかし、・・・・・この密出国を「暴挙」「裏切り」「犯罪」と言って全否定することはできないということである。彼と同じことをできる被告人はほとんどいないだろう。しかし、彼と同じ財力、人脈そして行動力がある人が同じ経験をしたなら、同じことをしようとする、少なくともそれを考えるだろうことは想像に難くない。」

「・・・・この国で刑事司法に携わることを生業としている私にとっては、自己否定的な考えである。寂しく残念な結論である。もっと違う結論があるべきである。

確かに私は裏切られた。しかし、裏切ったのはカルロス・ゴーンではない。

おしまい

 

 

行っちゃったゴーンさん 日本の刑事司法に思うこと

多くの日本人は、「警察に捕まったら人生おしまいだ。二度と立ち上がれない。」と思い、遵法精神に従って生きている。それは、警察権力がいかに乱用されているかうすうす気づいているからだ。

2007年に周防正行監督の映画「それでもボクはやっていない」があった。下は、アマゾンの斉藤博昭さんの映画レビューである。

  • 周防正行監督が10年のブランクを経て完成させ、これまでの作風を一変させた社会派の1作。電車内で痴漢の容疑をかけられた青年が、無実を訴え続けるも、証拠不十分のために起訴されて裁判で闘い続けることになる。監督が痴漢冤罪事件を取材して練り上げた物語だけあって、細部まで綿密にリアルな展開。これまでの裁判映画では描ききれなかったシーンがいくつも登場し、最後まで観る者を惹きつけて離さない作りになっている。
    留置場での日常は、経験していない人には驚きの連続だが、最もショックなのは「疑わしき者は有罪」という警察や裁判所側の姿勢。取り調べでの自白強要はともかく、冷静に判断しそうになった裁判官が急に左遷されてしまうエピソードが強烈だ。被告人の青年役を演じる加瀬亮を中心に、キャスト陣もそれぞれの役を好演。電車内での痴漢に関わらず、ちょっとした運命によって、その後の人生が一変してしまう怖さは、本作を観た人すべてが感じるはずだ。

 

電車で痴漢と指摘されて、線路へ逃げたという報道がよくある。あれは大人しく駅務室へ行き、警官に引き渡されると、ベルトコンベアに載せられたように、被害者の証言が100%採用され、確実に有罪になるからだ。否認すると、やっていないことの立証責任を被告側が負ってしまうのだ。

次は、2005年12月に起こった小学1年生の女児児童の殺害事件で、8年以上経過した2014年に逮捕された勝又拓哉被告(逮捕時32才)である。覚えておられる方も多いだろう。この事件、自白以外ほぼ証拠がないのだが、彼は、地裁と高裁で無期懲役を言い渡されている。(詳細は下のリンクをクリックしてください。)

こちらも、えん罪ではないかと疑う記事がたくさん出てくる。毎日、圧迫する取り調べを長時間すれば、誰でもおかしくなって捜査段階で自供することもあるだろう。まして世間知らずの若者であればなおさらだ。そして、自白すれば、証拠がなくても有罪にしてしまうというのは、裁判の機能ではないだろう。

栃木小1女児殺害で無期懲役判決。事件のあらましとこれまでの裁判

今市事件 法廷にたちこめる「霧」の正体

次は、ゴーン弁護団の高野隆弁護士のブログのことを書きたいと思っている。

おしまい

「国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか」デービッド・アトキンソン

2010.5.14 ——————-

当初以下のように書いていた。しかし、アトキンソンさんいう日本の生産性が上がらないのは中小企業が原因だとしても、いきなり中小企業に廃業を求め、その従業員を生産性の高い企業で働くように集約するのが良いとしても、労働者の流動性には時間がかかるので、負の影響(例えば、自殺者が出るとか)が大きいと思うようになった。

つまり、現下のコロナのような問題を抱えているときに、この機会を捉えて、中小企業を切り捨てる政策をとると、労働者が新しい職場をすぐに見つけられるとは思えない。多くの生活ができない人が生じるのは確実な情勢で、まずはその人たちを救うことが最優先だと思う。

そのためには、まず財政拡大をして、人々を救い、経済を回復させる必要がある。そして、経済再生を果たしたときに、中小企業の生産性を高める方策をとるべきだ。

2020.1.8——————-

デービッド・アトキンソンの「国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか」を読んだ。彼は、イギリス人で日本の国宝を保守する小西美術工藝社の社長である。これまで、東洋経済に経済記事をよく連載しており、従来の経済学者にはない着眼点が新鮮で、「新・観光立国論」、「新・所得倍増論」、「日本人の勝算」など、ずっと読みたいと思っていた。彼は、とても説得力のあることを言うのだが、日本の経済学者からは「経済学の博士号を持っていないでしょう!」と言って、取り合ってくれないと嘆いていた。これほどまでに、アカデミズムの世界は閉鎖的なのだ。

彼は、1965年イギリス生まれ、オックスフォード大学日本学科卒業。ソロモンブラザーズを経て、ゴールドマン・サックスのパートナー(共同出資者)まで昇進する。

Wikipediaによると次のように書かれている。

  • アナリストを引退して茶道に打ち込む時期を経て、日本の国宝や重要文化財などを補修している小西美術工藝社へ2009年に入社し、2010年に会長就任。2011年に社長兼務となって経営の建て直しにあたった。その後は日本の文化財の専門家として、日本の文化財政策・観光政策に関する提言なども行っている。東洋経済新報社の著書『新・観光立国論』で第24回山本七平賞を受賞した。2015年5月より東洋経済ONLINEにて文化財・観光・経済政策に関する題材を中心とした連載を開始。2016年より三田証券株式会社の社外取締役に就任。2017年6月より日本政府観光局の特別顧問に就任。
  • 日本の観光業界・行政が売り物にする「おもてなし」が外国人旅行者から見ると優先度が実は低いと指摘。長期滞在してもらえる仕組みづくりやガイドの配置、公衆トイレといった環境整備が遅れていることに苦言を呈している。また日本経済に関して、人口減少社会と少子高齢化社会における生産性向上の必要性を主張し、そのための賃上げや中小企業統合の政策を提言している。

同じく、Wikipediaからの引用であるが、次のような経済関係の書籍を出版しているのだが、日本の景気の悪化に比例して、彼の危機感が深まっているのが分かる。

  1. 『銀行―不良債権からの脱却』日本経済新聞社、1994年
  2. 『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』講談社+α新書、2014年
  3. 『新・観光立国論』東洋経済新報社、2015年
  4. 『イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」』講談社+α新書、2015年
  5. 『国宝消滅』東洋経済新報社、2016年
  6. 『新・所得倍増論』東洋経済新報社、2016年
  7. 『日本再生は、生産性向上しかない!』飛鳥新社、2017年
  8. 『世界一訪れたい日本のつくりかた』東洋経済新報社、2017年
  9. 『新・生産性立国論』東洋経済新報社、2018年
  10. 『日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義』東洋経済新報社、2019年
  11. 『日本の生存戦略―デービッド・アトキンソンと考える 』東洋経済新報社、2019年
  12. 『国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか』講談社、2019年

とうとう、(彼の忠告をいつまでたっても受け入れない)日本経済の悪化は来るところまで来て、『国運の分岐点』まで来たというのだ。そうなった原因は、日本の中小企業の多さと、これまでの政府の振興策にあるという。バブル崩壊までの日本の高度成長期は、人口の増大した時代で、高度成長も人口の増加の好影響によるものだと分析する。ところが、バブル崩壊とともに日本は、少子高齢化が進み、人口減少の時代に入っている。

中小企業の振興策(税制の優遇など)は、人口増大時期に雇用場所を提供するためには正しい政策だったが、人口減少へと方向性が変わった今では、生産性(=賃金)が上がらない第1の原因であり、そのために中小企業を統合し、数を減らし、生産性(=賃金)の上昇をさせることが必須だというのが結論である。

何時までたっても、日本の経済が良くならない責任は、日本の企業の経営者にあり、日本は経営者天国だという。また、政府の施策、通商産業省の中小企業政策は、ここ何十年間も有害だったという。こうしたことは、中堅企業経営者の団体「経済同友会」や中小企業の社長たちの団体「日本商工会議所」が言う、「最低賃金を上げると多くの中小企業が倒産し、雇用が失われる」という発言に良く表れているし、政府も中小企業の団体を含めた財界への支援を、票が欲しいがために減らそうとはしない。彼の主張は、中小企業が統合することで、労働環境のよい職場に集約され、生産性(=賃金)が上昇する。労働者は困らない、困るのはその必要以上に手厚い保護を受けてきた中小企業の経営者だけである。

いま、手を打たないと、地震や自然災害が多発すると、財政的に余裕のない日本を助けてくれるのは、アメリカを含めて西側には誰もおらず、多額の融資でアフリカを植民地化してきた中国だけであり、日本は中国の属国になってしまうのではないかと言う。

主は、昨今の「企業が多額の内部留保を溜め込んでいるのに、何故、賃金が上がらないのか」という疑問に対する分析は、様々に言われるが、デービッド・アトキンソンのこの主張が、目新しく、一番説得力があると思う。(勿論、プラザ合意による為替レートの円高、世界基準の会計基準への変更、ハゲタカファンド、現在の量的緩和の評価、アベノミクスなどに触れていないのが物足りない面があるが、あえて、議論を単純にして、分かりやすくしているのだろうと思っている。)

おしまい

 

カルロス・ゴーン行ってらっしゃい! 《江戸時代の日本の司法》

日本でガラパゴス化しているセクターの一つに刑事司法制度がある。

よく言われるのは、刑事事件で警察に取り調べる際に、諸外国では弁護士が同席できるらしい。それで、日本の制度は海外から「中世のようだ」と言われる。刑事事件で起訴されると有罪率が99%以上あり、検察は有罪にならないと自分の能力を否定されると感じ、何としても有罪に持ち込もうとする。「推定無罪の原則」はない。これは逆に言うと、有罪に持ち込めないかも知れない案件は起訴しないことを意味する。巨悪が懸念されていても有罪の確証が得られないものは起訴したがらない。最近では伊藤詩織さんがレイプされたとTBS記者の山口敬之氏を訴えたことに対し、検察審査会が「不起訴相当」にしたのだが、他の力学の存在も疑わせるものの、典型的な例だ。結局日本の司法は、江戸時代以前の自白主義のままで、「自白が証拠の王」との考えが依然として変わっていない。これでは、取り調べ段階で何日も拘束し、睡眠も与えずに取り調べをすれば、取り調べに耐え切れずに、自白を強要される場合があるだろう。だから、99%の有罪の中には、えん罪が結構あるはずだ。

大体、裁判官が思いっきり上から目線で、事件を反省しない被告には量刑を重くして説教を垂れ、裁判の過程でも事実認定を争うより、自白を前提にして、どれだけ反省をしているかで、量刑が争点になっていることが多い。

結局は、法の作りが前近代的なのではないか。主のサラリーマン時代は、官庁系業務で経理畑が長かったが、こちらも国の会計法が様々な制約を加えているのだが、こちらも明治の制定以来、根本的な改正がされず、ボトルネックになっている。

実刑判決で2年半刑務所暮らしをしたホリエモンが、YOUTUBEでゴーンの裁判プロセスを予想していた。日本の司法に従事する、検察と判事の人事異動のコースを踏まえた説明をする。また、裁判記録を閲覧できないし、していないという前提だが「裁判は間違いなく地裁で有罪判決が出て、高裁、最高裁へと争うと結審までに10年かかり、判決は少なくとも5年の実刑になるだろう。65歳のゴーンさんは80才になるのではないか。検察は、日本で初めて導入された司法取引を使ってみたかったんでしょうね。ただ、日本の司法取引には問題があり、アメリカでは被告にも対抗措置がとれるイーブンな制度だが、日本の被告にはそれがない制度になっている。」というのが彼の見立てだった。

堀江貴文氏「有罪なら出所80歳」ゴーン被告が心配

こちら公判前整理と保釈について詳しい解説を聞ける。↓

おかげで、ゴーンを内部告発した西川前社長は、その後、役員報酬を不正受領したことが発覚した際、社長を辞任するのだが、検察の取り調べを受けることがなく、ゴーン側の弘中弁護士が「この違いは何なのか!?」と言うことになる。

下は、12月30日のYOUTUBEである。日本脱出のホリエモンの推理は当たっている。どうやらゴーン事件はうやむやにされそうだ、というのがホリエモンの見立てだ。

——-2020.1.11追記———-

ところで行っちゃったゴーンさんだが、日本側はICPO(国際刑事警察機構)をつうじてレバノン側に引渡しを要求したが、両国の間に犯罪人引渡し条約がないので引渡しは困難だろうといわれる。これは、日本はこの条約を締結している国が、米国と韓国のみしかないのだが、普通の国は、数十か国あるのが普通だ。これは、日本に「死刑制度」が残っているからだといわれる。特に、欧米諸国は死刑制度を廃止しており、死刑制度を残している国には、引渡し条約を締結しようとしないということだ。アジア諸国には、「死刑制度」が残っている国が多いのだが、日本が世界の趨勢から、遅れている感は否めず、先進国を標榜するのは止めた方がよい。

また日本の検察は、ゴーンさんの会見の前日に、キャロル夫人に逮捕状を出した。これに対し、夫人は

“I find this a belittling act from an alleged great democracy.”

と発言し、新聞社などは、「キャロル容疑者は『立派な民主主義と自称する国が、ささいなことをしている』とも発言した」と伝えている。しかし、正確に訳せば、「立派な民主主義と自称する(言いつのる)国が、価値を下げる振る舞いをしている」という感じだと思う。

ここで、注意してほしいのは、「立派な民主主義の国」ではなく、「自称」と皮肉を言っているところだ。言外で「民主主義でない国」と言っているのだ。大体外国人は、日本人のようにストレートな批判をしない。スマートな皮肉で、痛烈な批判をする。その皮肉が分からない日本人もいる。

おしまい

82年生まれ、キム・ジヨン (追記:2019/12/30)

「82年生まれ、キム・ジヨン」(チョ・ナムジュ 斎藤真理子訳 筑摩書房)を読んだ。

最後に、アマゾンのコピーを貼り付けたので、概要はそちらを見ていただけるとありがたい。以下は主の感想である。

文大統領が登場し、慰安婦問題に加え徴用工賠償の判決が出て以来、冷え込んだ日韓関係は、似た者同士の近親憎悪、内ゲバではないかと思っていたが、韓国は日本とは異なる根深い問題を抱えていると初めて知った。もちろん、日本女性が置かれている立場を考えると、欧米など先進国から比べるとはるかに劣悪だが、韓国はもっと悪いのではないかと感じた。

韓国の大学進学進学率は、男女とも80%を超える。大学に入っても、日本の大学生ように遊び惚けることなく、不景気もあり、良い就職に向けてずっと努力を続けている。父親世代の中高年はリストラを迫られ、若者には良い就職口がほとんどない。法的に男女平等を建前のとする社会だが、実際のところ(儒教社会で)出来ない男たちでも優遇され、家庭でも女である母親、娘たちは、男である父、息子たちを、食べもの、教育などあらゆる面において優遇しないとならない。

女は、社会に出て男より実績を残しても、安い給料しかもらえない。おまけに、年頃の娘が電車に乗れば痴漢に会い、会社では、自分の会社、取引先と昔ながらのセクハラが横行している。会社で、女子トイレの盗撮事件が起こり、その映像を知った男の社員たちは、それを告発することなく、社員同士で映像を共有していたことが発覚する。警察に取り調べを受けた男性社員たちは、女子社員たちの気持ちを考えるどころか、保身だけを考えている。うわべはフェミニストのように見える男は、過去に他の男と付き合った女を「他人が、噛んで捨てたガム」と喩える。息子を生まなかった嫁は、周囲から評価されずに絶望する。育児に疲れた母親が150円のコーヒーを公園で飲んでいたら、近くにいた男のサラリーマンたちに、「夫の給料で暮らして、公園でのんびりコーヒーを飲みやがって!『害虫』が」と罵倒する声が聞こえてくる。

世界中で、#METOOとか言っているときに、日本で#KUTOO(靴が苦痛)といっているようでは、日本は遅れていると思っていたが、女性のおかれている立場というのは、この本が示しているように、程度の差こそあれ、普遍的な問題があるのかもしれない。

アフリカでは、ISISやボコハラムなどが、人さらいしてきた若い女性を兵士と強制結婚させ、中近東では、顔写真をつけた女性をアプリで人身売買をしている。インドでも21世紀と思えないような悲惨なことが起こっているみたいだ。欧米などの先進国などでは、そこまでの虐待や殺人に近いことは少ないのかもしれないが、有名人や金持ちが、少女たちをレイプしている記事に類するものは山のようにある。

180度話が変わってしまう!が、女優の剛力彩芽さんは、前ZOZOTOWNの社長前澤友作さんとごく最近別れたのだが、その破局の原因と思われる、前澤さんが秘書の採用面接にやってきた女性を口説こうとした様子が週刊「文春」に載っていた。こういう生々しい文章が暴露されることは昔ならなかなかなかったはずだが、現代はこういうことが簡単に起こるのですね。

「82年生まれ、キム・ジヨン」は真面目なテーマで、前澤さんの方は笑えないドジな話で、軽々しく比較すべきではないかもしれない。

「82年生まれ、キム・ジヨン」は、社会が男女平等を謳いながら、実は男の都合のいい時にだけに男女平等で、その裏には欺瞞が充満していて、相変わらず女のみが、育児や家事を含めて重労働に明け暮れている。ところが、お金や権力のある前澤友作さんのような男を、非難する資格は男にはない。男全員が、前澤さんのようなお金と権力を持つなら、同じになってしまう性質を持っているからだ。前澤さんを非難可能なのは、女のみだ。

つまり、男女平等といっても、生物学的な差があり、1回の射精で1億匹以上の精子を放出する腕力のある男と、一生に最大産める子供の数が数人のか弱い女性では、遺伝子を残すための戦術が違ってくる。

つまり、現代社会では、イスラムや未開の民族を別にすれば、一夫一婦制が宗教、法律や倫理における最優先の枠組みだ。これとて、キリスト教などの宗教などがルーツであり、人類の歴史から見るとその歴史は浅い。子の成長には10年以上の長い年月が必要で、子を育てる女性は、男の協力か、社会の協力が必須だ。他方、産める子の数に限りがある女性にとっては我が子を殺されることは遺伝子を残する機会を失うことだ。

こうして何人でも子供を作れる男と、そうでない女が平和に共存するには、一夫一婦制が多勢が満足できるという折り合いの意味から、近年の宗教や民主的な倫理観が発達したのだろう。

人類がアフリカで誕生してから700万年。ホモサピエンスが登場して5万年。農耕がはじまったのが、1万年前。宗教や書き言葉が登場したのは、わずか数千年の歴史だ。ほとんどの時代において、一部の有力な豪族や部族が、残りの民の生殺与奪の権利を気ままに握っていたはずだ。今のような、一夫一婦制や女性参政権をはじめとする民主的な社会の成り立ちができたのは、せいぜいここ100年、男女同権に限っては50年ほどだろう。

このため、夫婦の形は、雑婚や一夫多妻婚の時期の方が、一夫一婦制の時期より長いと考えるのが自然だろう。なぜなら、男のなかには、多くの獲物をとってこれない男がいたはずで、女はそうした男の遺伝子を残そうとはせず、獲物をいっぱい取ってくる優秀な男の遺伝子を残したいと思っただろう。また、既に子供を産んだ女性が新しい夫と暮らす社会では、後の夫は往々にして、自分の存在を脅かす前の夫の子を殺すことが起こる。

誰が夫か妻か区別がつかない雑婚の社会では、こうした子殺しを避ける意味から、進化の過程で、女性は排卵の時期を隠すようになったという説がある。つまり、つねに男を受け入れることで、回りの男たちに子供の父親である可能性を残して、子殺しを避けたというのだ。

つまり、動物学的なオスとメスで考えると、あちこちで種をまきたいオスと、優秀なオスの遺伝子を確実に残したいメスが、平和に暮らすためには、宗教や倫理の力を借りて、オスの気ままな欲望を押さえさせる一夫一婦制が、社会全体の成員の福祉を一番大きくすることを考えると一番良い。しかし、人間の歴史の中で、動物のオスの欲望はなかなかコントロールできず、特に現在でも、金持ちや権力者にそれを望むのは難しい。

一方で、女性自身もこれまでの倫理観に囚われず、不倫をするようになったという現実もある。ただし、この小説「82年生まれ、キム・ジヨン」のテーマは重く、男が作った社会の欺瞞がいつになったら消えるのだろうかと主は途方に暮れる。

—-追記:2019/12/30—-

最近、堀江貴文氏のYOUTUBEをよく見ている。その番組の中で、司会者に日韓問題を問われて、彼がコメントをしていた。色々な角度でセンシティブな問題なので注意して発言していたが、面白いことを言っていた。曰く、「韓国は、整形大国なんですけど、他では考えられないくらい『清廉潔白』を求められる国なんですよ。だから、悪いとなったら、徹底的に叩かれる。自分の国で生きていけないくらい叩く。K-POPの歌手が自殺したけど、彼女も韓国で再起できずに、日本で活動しようとしていたんですね。SNSの罵詈雑言なども、凄いらしいみたいですよ。だから、気の弱い人はそれだけで生きていけなくなる。」

主が、この本を読んだときにはそういう風には感じなかったが、たしかに日本以上に韓国社会に「キツさ」があることを感じた。男女とも大学進学率が80%以上あり、大学に入っても真剣に就職に向けて努力し続けるというのは、いくら不景気になったといえ、日本にはないだろう。日本の大学の本質は、プレイランドだ。そう考えると、日本人にもいいところがあるのかもしれない。(ホリエモンは、炯眼なので「日本の座学の教育は、従順な人間を育てるだけで意味がない」とでかい声で言っている!)

慰安婦問題は、朝日新聞がすでに事実無根と謝罪した、でっち上げが大いに影響していると主は思う。徴用工の問題は、日本政府が植民地支配は合法だったとの立場から、賠償名目ではなく経済援助名目で支払いをし、植民地支配を非合法と主張する韓国政府は、不法行為による植民地時代の個人請求権は消滅していないとのロジックらしい。日本政府は、植民地支配が合法だったか非合法だったかにかかわらず、「請求権は解決済み」と請求権協定に書いてあると主張している。朝日新聞は、例によって大衆迎合シンパシー的な記事で左派?進歩派?の読者を掴む記事を書き、韓国は与党・野党とも、国民の結束に都合の良い材料として使っているように見えて仕方がない。

何より、あまり大きな声でテレビでは言わないが、徴用工は、韓国以外にも、北朝鮮や中国に同じ境遇の徴用工が何十万人もおり、日本政府は最初の堤防が壊れることを意味し、何としても譲れない。

バランスをとるつもりはないが、朝日新聞の責任は大きく、「韓国へ行って交渉してこい!」と思う一方で、他の新聞を読む気になるかというとそうはならない。他は日本政府の広報紙に思える。

おしまい

 

 

 

  • 《以下、アマゾンのコピー》
  • ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  • 韓国で100万部突破
    チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化決定
    社会現象を巻き起こした大ベストセラー小説
  • ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  • 6か月連続売上第1位! (2019年1-6月 海外文学部門/トーハンTONETS i調べ)
  • 日本でも圧倒的共感の声! 「これはわたしの物語だ」
    異例の大ヒットで、たちまち14万部突破!!
  • 「女性たちの絶望が詰まったこの本は、未来に向かうための希望の書」――松田青子
  • ひとつの小説が韓国を揺るがす事態に
    K-POPアイドルユニットのRed Velvet・アイリーンが「読んだ」と発言しただけで大炎上し、少女時代・スヨンは「読んだ後、何でもないと思っていたことが思い浮かんだ。女性という理由で受けてきた不平等なことが思い出され、急襲を受けた気分だった」(『90年生まれチェ・スヨン』 より)と、BTS・RMは「示唆するところが格別で、印象深かった」(NAVER Vライブ生放送 より)と言及。さらに国会議員が文在寅大統領の就任記念に「女性が平等な夢を見ることができる世界を作ってほしい」とプレゼント。韓国で社会現象にまで発展した一冊は台湾でもベストセラーとなり、ベトナム、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど18カ国・地域で翻訳決定。
    本書はもはや一つの<事件>だ。
  • ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかの様子のキム・ジヨン。
    誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児……キム・ジヨン(韓国における82年生まれに最も多い名前)の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。
  • 「キム・ジヨン氏に初めて異常な症状が見られたのは九月八日のことである。(……)チョン・デヒョン氏がトーストと牛乳の朝食をとっていると、キム・ジヨン氏が突然ベランダの方に行って窓を開けた。日差しは十分に明るく、まぶしいほどだったったが、窓を開けると冷気が食卓のあたりまで入り込んできた。キム・ジヨン氏は肩を震わせて食卓に戻ってくると、こう言った」(本書p.7 より)
  • 「『82年生まれ、キム・ジヨン』は変わった小説だ。一人の患者のカルテという形で展開された、一冊まるごと問題提起の書である。カルテではあるが、処方箋はない。そのことがかえって、読者に強く思考を促す。
    小説らしくない小説だともいえる。文芸とジャーナリズムの両方に足をつけている点が特徴だ。きわめてリーダブルな文体、等身大のヒロイン、ごく身近なエピソード。統計数値や歴史的背景の説明が挿入されて副読本のようでもある。」(訳者あとがきより)

「ここは、おしまいの地」こだま 太田出版

こだまさんの「ここはおしまいの地」を読む。このこだまさんは、「夫のちんぽが入らない」という小説でデビューした人である。こんなタイトルありなの?という感じで、書店で探した時に、さすがにパートの店員さんに書名で探してもらうわけにもいかず、ネットで注文した。カミさんにこの本を見せたら、拒否反応が返ってきた。だが、読んで見るとけっこうおもしろい本だった。それで、2作目の「ここはおしまいの地」を楽しみにしていた。

「夫のちんぽが入らない」に戻ってしまうが、この本を説明したほうが良いだろう。この本は、タイトルどおりの内容で、二人が結婚したのだが、出血したりして、うまく挿入できない。そのため年月を経る間に、夫は風俗通い、妻は出会い系を始めたりする。夫も妻もお互い、愛し合っているのだが、うまくセックスができず、他人となら問題が起こらない。やがて仕事の面でも、うまくいかずに精神科で治療を受けるようになったりするのだが、現実をそのまま受け入れることで、折り合いをつけて穏やかに生きるといった内容の本だ。この本を読みながら、「早く、医者へ行ってカウンセリング受けろ」とか思うのだが、「人間誰にも相談したくない、相談できないことがあるんだなあ」と思うようになる。不便でも解決できないことって、それぞれ誰しも抱えていて、世の中にはきっといろいろあるんですね。

そんなで、「ここはおしまいの地」なのだが、こだまさんらしいというか、屈折した生涯が、短編小説の形で並んでいる。一話一話ストーリーとして連続はしていないのだが、エッセイ風な側面もあり、主人公の拘りの強い性格やら、正義感の強いところだったり、ユーモアだったり、誰しも「そういう一面、持ってるよねえ」と思いながら読める。学級崩壊だったり、バブル後の不景気の時代に生きた同級生たちのその後が登場し、「本人の責任じゃないよねえ」といったことが多いことに気づく。

「夫のちんぽが入らない」。前は扶桑社から単行本の形で出ていたのだが、今は講談社から文庫本になっているようだ。この本は、講談社コミックプラスから漫画で出版され、フジテレビで全10話でドラマ化され、NETFLIXでも配信されている。下は、ドラマのリンクである。

連続ドラマ『夫のちんぽが入らない』 主演:石橋菜津美、中村蒼

 

おしまい

あまりにお粗末、日本のカスタマーサービス。ヤフージャパンの例。

昨今のキャッシュレス決済ばやりで、どこが一番主導権を握るかを考え、ソフトバンクが後ろ盾ということで、ヤフージャパン(=ペイペイ)を選択し、IDを取得したり、クレジットカードを作ったり準備した。ところが、IDを二つ取得し、それ自体は問題がないらしいのだが、ヤフージャパンとペイペイの連携でエラーが出て、買い物のポイントが反映されないという事態が起こった。

それで、11月中旬からカスタマーサービスと連絡を取り、対応をお願いしてきた。ヤフージャパンのカスタマーサービスは、電話がなく、メールだけである。それも、ホームページの非常にわかりにくいところに質問フォームがあり、それに書き込んで送信すると、こちらの質問内容を引用せず分からないようにして、メールの返事のみが来る。下が、質問をするページの入り口だが、さんざん顧客にQ&Aを読ませて解決させ、極力メールで質問をさせないような構成になっている。ちなみにAIのロボットがチャットで回答する機能もあるのだが、アホだ。他にもこの種のAIチャットを使う企業(確か、じゃらん?)を見るが、どの程度賢いのか経営者は分かっているのだろうか? 他方、GOOGLEとかアマゾンなどの外資のシステムはやはりよくできている。

ヤフージャパンのメールの内容は、バカ丁寧なだけで、内容空疎だ。書いてある内容は、どこかのひな型をコピペした内容ばかりで、お客への返事には、要約すれば「自分で操作して、自分で解決しろ」と書かれているだけだ。

他のイオンとか、ヨーカドーなども、ITに関する仕様が使いにくく、主は、顧客満足をまともに考えているとは思えず、今回のキャッシュレス決済キャンペーンの対象から外した。だが、PC事業の老舗のヤフージャパンも古いだけで、顧客のことをまともに考えているとは思えない。

気づいたことを列挙する。

① ヤフージャパンなのだが、クリックしているうちに関連企業を渡り歩き画面が遷移する。「パスワードなしで認証」が売りらしく、画面が遷移してログイン画面が表示されるたびにSMSで暗証番号が送られてくる。これが馬鹿げていて、画面の「戻るボタン」で前のページへ戻ると、もう一度SMSが送られてくる。調べて見ると、SMS1通送ると大体3円かかるらしい。下が、その画面なのだが非常にしつこい。おまけに何度もSMSを送ったあげく、「回数の上限を超えたので、時間をおいて操作してください」という意味のメッセージが出てくる。他の会社の例だが、家計簿を自動的に作成する「マネーフォワード」は、IPアドレスを使っていると思うのだが、普段使用している機器からのアクセスは、二段階認証していない。スマホでは指紋認証が使える。

 

② ヤフージャパンのカスタマーサービスの人たちは、顧客の画面情報を見ないで、メールで返信している。顧客からカスタマーサービスへの質問の送信画面は、テキストしか送れない。つまり、添付ファイルは送信できない。そして、個人情報を送るなと言っている。下が、この会社のポリシーなのだが、要は顧客の情報を社内でも限定した人物しか見られないような仕組みにしており、カスタマーサービスの人たちは、顧客の画面を見ないで回答している。それでは、一般的な回答しかしようがないわけである。

これでは、顧客のクレーム内容が直ぐに解らないのは当然だろう。幸いカスタマーサービスからの返事はメールで来るので、主はトラブルのあるヤフージャパンとペイペイのエラーが起こっている画面のスクリーンショットをたびたび添付して返信したのだが、そもそもスクリーンショットを送れとは、ホームページのどこにも書いていない。

対照的にアマゾンでは、次のようになっており、顧客情報にまったくアクセスせずに返答しているとは思えない。

③ ヤフージャパンでは、受け取った問い合わせごとに返信する担当者が変わる。ここでは、問い合わせの担当者をランダムに振り分け、返信する。今回のやり取りで、主が、最初たまたま2通に分けて問い合わせたところ、同じ人物からの照会と理解されなかった。その後、質問を何回かやり取りしたところ、4~5人の担当者から返信が来たが、横の連絡がなく経緯を知らないようで、同じような返事が返ってくる。

④ メールのみで、電話での問い合わせができない。ヤフージャパンとペイペイは別会社だが、ペイペイは、メールと電話の両方がある。このため、主は電話でペイペイに問い合わせたことがあるが、ヤフーに電話の問い合わせ先がないため、ヤフーに対する電話の問い合わせが代りにかかってくるそうだ。 ただし、ヤフーは顧客の画面を見ずに応対しているので、電話で聞かれたらもっと答えようがないだろうと思う。

⑤ 返信から時間が経ったら自動的に、馬鹿げた満足度を調べるアンケートがヤフージャパンから送られてくる。問題が何にも解決していないのに、このいい加減さは凄い。顧客が出した問題点の解決具合を知らずに、アンケートを送るシステムの仕様になっている。こんなことでは、フィードバックも何もしていないのだろう。

⑥ 最近あったニュースで、HDDが7000個以上オークションで売られ、情報流出するという事件があったが、このオークションとはほぼ大半がヤフオクだ。これはヤフー側にも責任の一端があるだろう。このような中古の記録媒体が何千と同じ売主により売られていれば、情報流出に気付くチャンスがあったはずだ。個人の中古売買では犯罪以外あり得ないし、業者が大量に中古品をデータ消去せずにアップしていれば、あきらかに情報流出の懸念があるだろう。出品者の書き込みを見れば、ある程度のことは分かるはずだ。また、コンピューターから出てくるデータをふだん分析していれば、内部に気付く人間が1人はいただろう。

企業側の責任という観点でいうと、メルカリで、主はインチキなSDXCカードを掴まされ、メルカリと相談しながら、売り手と返金交渉したことがある。SDXCカードは500GBの容量表示なのだが実際は30GBほどしか容量がないものだった。だが、パソコンでプロパティを見ると500GBと正常に表示されるので、「受取ボタン」を押してしまった。ボタンを押すと「我関せず」というメルカリのスタンスになり、「お客様が警察に訴えられるのであれば、わが社は協力します。」と言う。「ホームページのトップに偽物を売られたら、わが社は対応しますと書いている。これだけ被害者が情報提供したら、警察へ行くのは場所を提供しているお前だろう!」と思って、オーナーシップ(当事者意識)のなさにつくづく嫌になった。両方ともいい加減だ。

メルカリのキャッチフレーズ

結論:会社の幹部や経営層は、ちゃんと自社のシステムを使って買い物したり、オークションに出品したり、中古品を売ったり、システムを使い倒しているのか? 他の会社のシステムもさんざん利用したうえで、どこが使いにくいとか、どこに改善点があるかなど注視しているのか疑問に思う。カスタマーサービスを単なる顧客の不満のガス抜き、顧客のストレスのはけ口だと思っているのではないか。

「ワードプレス」というブログで世界のトップシェアを誇る会社があり、全社員約300人が全員在宅勤務らしい。この会社では入社するとまず最初の1年間はカスタマーサービスで働かされるそうだ。そして、顧客の要望と会社のシステムをよく知り、システムの開発を担当したり、他の仕事をするということだ。(このブログは、ワードプレスを使っている。)

おしまい

 

明石市が離婚家庭の子どもへ不払い養育費の立て替え

久々にマトモな政治家のニュースを聞いた!!

昨晩(2019年12月23日)放送されたNHKニュース9 で、泉房穂明石市長が、一人親になった離婚家庭に養育費の不払いがある場合に、市の事業として立て替えているというのだ。そのインタビューに答えてこういう。

「行政がしていかないと子どもの貧困というテーマは解決に向かわない。子どもに力を入れることが街のためだという考え。4人に3人以上の子どもは養育費を受け取っていないという。世界に類を見ない子どもに冷たいのが日本だ。こんな国は(先進国で)ほかにないから

この立て替え払いの方法も、なかなか良い。民間の保証会社と契約し、養育費を受けていない場合に、保証会社が立て替えて養育費を支払い、支払い義務のある者の給与をその保証会社が取り立てるというのだ。今後は、支払わない者への罰則の立法化も進めているらしい。

こういう見識のあるマトモな政治家が世の中にいるのだと感心した。また、地方自治でこういう取り組みもできるとは知らなかった。幼児教育の無償化ももちろんよいことだが、養育費をしっかり受け取れるようにすることは、こちらの方が貧困対策として緊急性が高いと思う。(下のチャートを見ると大阪市、湖南市でもやっているようだ。)こうした動きを広げることが、将来を担う子どもたちにとって重要だ。

エキサイトニュースが開きます

NHKのニュース9は、もともと、最高裁判所が16年ぶりに社会情勢の変化を考慮して、離婚した際の養育費の目安額を改訂し、年収によるが月額1~2万円増額したというものだった。主は、養育費の相場の算定表が月に4~5万円だったものが、それが1~2万円増えるとしても、上げ幅が少ないなあと思っていた。(養育費の支払い義務のある者と受け取る者の所得に応じて、相場の額は変わってくる仕組みになっている。)ところが、この養育費を、受け取っている割合は24%ほどしかないという。そのため多くの離婚家庭、多くは母子家庭で貧困レベルにある。

最高裁判所が発表した養育費の目安の算定表

ところで、この明石市長、2年前に市道の拡幅工事が進捗しないことを巡って、幹部職員に腹を立て、その幹部に「火を付けて捕まってこい!」的な発言をしたことが問題になり、市長を辞職へ追い込まれた。しかし、よく頑張っているという市民の署名が5千人分集まり、辞職後の再選挙に立候補、再選を果たした人物だ。この職員に対する言い方が、あまりに口が悪く、録音されたのだが、暴露された時期が選挙直前だったため、対立陣営のリークが疑われた。市長自身は、むしろ頑張っているという評価が市民の間で起こっていた。覚えておられる人も多いだろう。

産経新聞:「火を付けろ」暴言の明石市長、脅迫罪は不起訴

こちらは明石市長のツイッター。このおっさん、激情して「火を付けて捕まってこい!」といった発言といい、なかなかの人物だ!!

おしまい

紅葉の長瀞、奥多摩へ行ってきた

11月下旬、車で、ほぼほぼ紅葉が終わろうとする長瀞と奥多摩へ2泊の旅行をしてきました。初めて知ったのですが、長瀞って秩父地方の結構有名な観光地なんですね。見どころが他にもたくさんあります。地図、写真をクリックすると拡大されます。

最初は、長瀞と奥多摩(鳩ノ巣渓谷)のロケーションです。関東地方の西の山間部に位置する感じでしょうか。Google Mapを使いました。

まず、初日、午後に行った麓にある長瀞の寳登山神社です。とても立派でした。

途中、ロープウエイからの紅葉の様子です。下が長瀞の街並みです。盆地になっているんですね。山頂には奥宮や植物園などがあります。先週までは「紅葉祭り」があり、夜間のライトアップをしていたり、週末には雲海見物のためのロープウエイの早朝運転をしているのですが、あいにくタイミングが合いませんでした。

翌朝、雲海を見に、夜明けに合わせ車で「秩父ミューズパーク」へ行きました。あいにく雲海は少ししか出ませんでした。雲海は、盆地に放射冷却の起こった早朝に出やすいそうです。

こんな感じ。うっすら雲が出来ています。

再び、長瀞へ戻り、荒川の岩畳を撮りました。東京へと続いているあの荒川の上流です。この日は天気にも恵まれました。

ライン下りに参加しました。台風の時には水位が2,3メートル上がるということでした。

長瀞からは約50キロと、結構距離がある三峯神社へ行きました。修験者が出てきそうな奥まった山中の場所です。

神木に触ると参拝者でも氣をもらえるそうです。もっと真剣に気をもらえばよかったです。ネットでググって、やっていることの意味を初めて知りました。(苦笑)

こちらは3日目の奥多摩の鳩ノ巣渓谷の吊り橋、JR青梅線・鳩ノ巣駅の近くにある「鳩ノ巣小橋」です。下には多摩川が流れています。ここから、散策路がスタートするはずでしたが・・・

台風19号などの影響で、ハイキングコースがいまでも激しく崩落しており、通行不能でした。左の川岸に散策路があったはずです。

こちらは代わりに行った奥多摩湖です。奥多摩湖も広いです。

奥多摩では、健康的にサイクリングをしている人に多く会いました。あの山道を自転車で走破するのは大変だと思います。都会から近く、観光客が多いので、おいしいレストランや色々楽しめる施設などもたくさんありそうです。

おしまい