B&W 805D3 購入!

主は、下の写真のB&W CM8というスピーカーを2年ほど使っていた。B&Wというのはイギリスの会社である。秋葉原のヨドバシカメラに高級スピーカーを並べた部屋があり、やはり高級アンプ、高級CDプレイヤーの試聴をする際のリファンレンススピーカーとして店員が勧めていたのがこのB&W CM8だった。店員のこの話を聞き、これを買ったのだが結構気に入っていた。

B&W
B&W CM8

ところが、主がふだん行っているテニスクラブに、やはりクラシック好きでオーディオマニアの爺さんがいる。もちろん主も爺さんだが、このご仁は東京国際フォーラムで行われるオーディオフェアへ毎年欠かさず出かけるという筋金入りだ。

80歳の少し手前で、気の毒なことに現在は心臓病を発病し、いまはテニスを休んでいるのだが、秋には復帰できるらしい。この年齢だが、エドバーグ(この名前を知っている人は昔からのテニスファンですね)が使っていたようなフェース面積の小さい(85インチ!)こだわりのラケットをずっと愛用している。

音楽/オーディオの方は、チェロのミーシャ・マイスキーのファンだがジャズも聴くというオーディオマニアで、主はテニスクラブで音楽談義に話を咲かせていた。次の写真が、彼が持っているスピーカーだ。このスピーカーは1980年代に発売され、その後も大ヒットを続けた。

B&W_matrix801
B&W 801Matrix

B&Wのこのスピーカーのシリーズはその後も改良され、高い人気を保ち続けるのだが、昨年の秋にもモデルチェンジをし、主はその評判を耳にしていた。このB&Wの最高位のラインナップは800シリーズといい、主が購入したのは下の写真の805D3だ。最初は、評判を知っていたが、価格ゆえに躊躇していた。だが、普段聞いているグレン・グールドの協奏曲物とピアノソロ、ちょっと録音が古く音質が良くないものなど取り混ぜて、何度かヨドバシカメラへ持って行き試聴はさせてもらっていた。

B&W_805D3
B&W 805D3

試聴すると、表現される内容の次元が、これまで使っていたスピーカーとは違う。これまでは朦朧として気が付かなかったのだが、例えば、グールドのベートーヴェンピアノ協奏曲3番(指揮:バーンスタイン)は、1959年の演奏(グールド27歳、バーンスタイン41歳)でステレオ録音が始まった時期のものだが、オーケストラの音色、金管楽器と弦楽器がフォルテで全奏するところなど、古式蒼然とした音色だということに気が付く。大仰といってもいいし、歴史的録音という表現もできるだろう。それに、グールドのピアノのトラックが、真ん中に非常に大きな音で強調されており、今の録音ならこう極端なことはしないよなと今更ながらに思う。

主は、これまで器楽曲や室内楽といった小編成のものばかりを聴いてきた。というのは、オーケストラなどを聴くと、普通のスピーカーでは解像力が劣るために、音が混じってしまいいまいち好きになれないのだ。ところが、この805D3ではオーケストラが、オーバーな言い方だが、コンサートホールではこのように聞こえるだろうという再現性を見せる。さらに、このスピーカーに替えて気が付いたのは、チェンバロの音の美しさだ。特に録音が古いチェンバロ、例えばグスタフ・レオンハルトのもの(1972年の録音だった)などはあまり聴きこんでいなかったが、初めてその価値に気づいた。音が正確に表現されると違って聞こえるのだ。レオンハルトおそるべし。

チェンバロに限らず、「このCDには、こんな音が入っていたんだ!」と思うこともたびたびある。(おかげで、ジャズのマイルス・デイヴィスもよく聴くようになった)

この800シリーズのラインナップは次の4種類あるのだが値段がすごい。一番左が、802D3 で¥3,400,000、左から二番目が803D3で¥2,700,000、左から三番目が804D3で ¥1,460,000、右端が主が購入した805D3で¥880,000である。この805D3はブックシェルフ型なのだが、写真の純正スタンドは¥140,000する。

B&W800series

このヨドバシカメラでの試聴の際に、顔見知りになった店員に小声で「ここだけの話ですぜ。即決するなら、スピーカー2台で6万円まけます」と言われるのだ。ここで、最近の円高で輸入品の仕入れ値は下がっているはずだから、値下げされないかなと思っていた主の心は揺れる。ぐらぐら。とりあえず、名刺をもらって帰る。

そこで、奥さんに反対されない方便を考える。前から考えていたのは、古いスピーカを息子に譲り、有効活用を図る。これなら仕方なく認めてくれるかもしれない。

結局、ヨドバシカメラと自宅で同じ音が再現できたか? それは残念ながら、ヨドバシカメラの方が良いようだ。なぜなら、ヨドバシカメラでは純正のスタンドを使い、スピーカーケーブルは最高のものを使っている。アンプも相当、高級品だ。エージング(暖機運転を十分にすること)も十分だ。

オーディオの世界は、壁の電気コンセントとアンプなどの電気機器をつなぐケーブル(電線)や電気コードを差し込むタップに、10万円以上するものが売られているほどキリのない世界なのだ。オーディオにどんどん凝っていくと、究極は、電力会社にオーディオ専用の電柱を立ててもらうところまで行く。間違ってもそういう世界に入らないように、気を付けながら愉しもうと思っている今日である。

 

グールド ハイレゾFLAC リマスターCDよりいくぶん高音質!

リマスターされたCD版とこのUSB版の両方を購入したので、違いなど感想を書いてみよう。


CD版の方は、CD81枚と結構豪華な24cm×24cm大416ページのブックレット(ジャケット写真やライナーノーツ、グールドの写真、解説が入っている。こちらは、グールドとジョン・マックルーアやティム・ペイジとの対話CDなどが含まれており、USB版はCD78枚分と3枚分少ない。(どちらも「早期購入特典付き」のものには、日本語訳された曲目リストや解説が書かれた小冊子がついてくる)

USBピアノに象られた左の写真はUSBメモリーで、上の部分のキャップを外すとパソコンのUSBソケットに差し込むことが出来る。USBメモリーは容量が128GBあり、FLACファイルに約30GB、MP3ファイルに約10GB使われている。

 

ランチャー2それとは別にアプリケーションが入っている。アプリケーションソフトをインストールすると、左のような画面になり、CDの楽曲をパソコン上から選択し、CD版に付属するブックレットをアクロバットリーダーで読める機能もついている。パソコン上で好きな楽曲を再生しながら、解説書も参照でき、なかなか気が利いている。表示言語は英語のみ。物理的なCDと解説書を選ぶか、PCに入れたFLACファイルとPC画面で見るPDF、どちらを選択するかは好みの問題のように思う。

ただ、このソフトは常に全画面表示になるようで、パソコン上で他の作業をすることができない。この点は、使い勝手が悪い。(後程、PDFを表示させる際にタスクバーが現れることに気付き、他の作業をすることができると気付いた)もちろん、foobar2000などで直接FLACファイルを再生できるので、困るということはないが。

さて、肝心の音質であるが、FLACファイルとリマスターCDを比べると、若干、FLACファイルの方が音質は良いように感じる。今回のリマスターは、アナログマスターテープをまずDSDでリマスターしその上で、PCM方式の24bit 44.1KHzへとコンバートしてFLACファイルが作られている。CDの規格は、16bit 44.1KHzなので、大幅に違うとは言えないだろう。ダウンロードサイトの一般的なハイレゾ音源は、DSDを別にして24bit 192KHzというものが多い。それと比べると 16bit が 24bit になった8bit(256倍)の差というのは少し物足りない。とは言うものの、リマスターされる前に発売されたCDを再生するときの、多数の音が同時に発声される際の聞き苦しい混然とした歪感は、はっきりと改善されている。マスターテープに録音されている音が、余すことなく再現される。

しかし、いずれリマスターしたDSDのオリジナルデータが発売されるだろう。また、そうあってほしいものだ。

以下追記(2019/5/18)– 

PCで聴く時は、FLACをDAC経由で聴いており、CDを再生する時には、YAMAHA CD S-3000というプレイヤーで聴いているのだが、どちらも従来のCDより、ずっと良い音がする。これは、上にも書いたが、オリジナルのアナログテープをDSDでリマスターしているからだ。これをFLAC、CDへとダウンコンバートして、売られている。ダウンコンバートされたと言っても、もともとのアナログテープに入っていた内容は余すことなくデジタルでコピーされているということだ。

グールドが録音した時期は、LPレコードの時代で、LPレコードのマスターテープには音楽として十分な情報量が含まれているのだが、これをアナログのまま忠実に再生しようとすると、非常に高額なオーディを機器をそろえる必要があった。ところが、昔のアナログのマスターテープの録音は、最終的にCDの基準へとコンバートされ、気軽に WALKMAN や iPod などで良い音で聴けるようになったのだが、技術は進歩していて、古いものより新しい技術の方が、一般的に良いということだろう。

いずれにしても、DSDでリマスターしたそのものを、SACDなり、ハイレゾ音源として、SONYは発売して欲しい。

おしまい

 

 

 

SACDプレイヤー YAMAHA CD-S3000 vs 老人性難聴!

 

CD-S3000左の写真のSACD(Super Audio CD)プレイヤー、YAMAHA CD-S3000を主が買ったのは、半年ほど前だ。カナダ人ピアニスト、グレン・グールド(1932-1982)のSACDが10組ほど発売されており、それのみを聴くのが目的で、実際にそうしていたが、9月にソニーからグールドの生前の正規録音81枚がDSD方式(=Direct Stream Digital:後述)でリマスターされたCDセットが発売された。これをパソコンにリッピングせずに、そのままこのプレイヤーで再生すると、意外や意外、パソコンで再生するのと変わらず良い音で再生される。このSACDプレイヤーは約50万円する。やはり、このクラスになると原音に忠実ということなのだろう。こうした意外性は、安物のCDプレイヤーではあり得ないと思う。CDをリッピングしてパソコンへ取り込み、DAC(Digital to Analog Converter)経由で音を出すというPCオーディオの方が、安価で良い音が手に入ると思う。

 

P1090282

こちらが、部屋の装置の写真である。ラックの上段が、YAMAHA CD-S3000である。下段が、プリメインアンプのLUXMAN L-550AX。この二つは日本製だ。上面に乗っているのがDACのZODIAC GOLDと電源部のVOLTIKUSである。ホームページをみたらブルガリア製だった。右の黒い箱ははタワー型のファンレス自作パソコンである。上に載っているのは、SSDが刺さったストレージのアダプターだ。さらに右の背の高いのが、スピーカーB&WのCM8。こちらはイギリス製だ。

ここまでは、そこそこオーディオに凝っているという話である。

他方、人間の可聴帯域は20Hz~20000Hzとされているが、主は10年ほど前から常に、高音の耳鳴りがする。常にピーとかキーンとかいう高音が鳴っている。あまりにずっと鳴っているので、慣れてしまい、特に日常生活に不自由があるわけではない。

こうしたところ、2015年3月にNHKの「ためしてガッテン」で高齢者の耳鳴りについて放送があった。高齢者は加齢による難聴により、脳へと高音の情報が入ってこなくなり、それを補おうと脳が高音に対する感度(ボリューム)を上げ過ぎる、それがピーとかいう高音の耳鳴りの正体だそうだ。結論は、高音を強調する補聴器をつけることにより、脳がボリュームを上げることがなくなり、耳鳴りも消えるので、耳鼻科に行きましょうというものだった。

http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20150304.html

この番組を見て、耳鳴りの相談に耳鼻咽喉科へ行ってきた。医院で主の可聴範囲を調べたところ、高音部で8000HZあたりからグラフが下がってしまう。聞こえが悪くなっているのだ。自宅でも、YOUTUBEの可聴範囲を調べるサイトで試したところ、確かに8000Hzを超えると徐々に苦しくなり、12000Hzでとぎれとぎれになり、13000Hzから完全に何も聞こえなくなった。

こうなると、ハイレゾ(High-Resolution Audio=CDより高解像度なオーディオ)もへったくれもない、主の言うことには説得力がないと言われねばならない。

CDは、16bit 44.1KHzで、高音は22,000Hzまで出る規格だ。CDに対し、ハイレゾにはCDの方式を高規格化したPCM方式と、SACDに使われている録音方法であるDSD方式の2種類がある。PCMのハイレゾとしてよくある規格に24bit 192KHzというものがあり、CDと比べると1000倍(8bit(=24bit-16bit)×192/44.1≒256×4)のデータ量になる。データ量が多い分、良い音がするはずだ。

下が二つの方式の概念図である。上はPCM方式、下がDSD方式である。白い波型が音型で、これを再現するためにPCM方式は、均等なピッチで、緑のグラフの高さにより表現する。PCM方式のハイレゾの場合は、サンプリングの割合(頻度)が細かく(高く)なる。下の方のDSD方式は、波形をあらわすのに粗密で表現しているのがわかるだろうか。DSD方式の方が、人間の耳には自然に聞こえると言われている。

PCM-vs-DSD

出典: http://shobrighton.blog.jp/archives/35655302.html

年齢とともに高音の聴力は落ちるのは間違いがない。しかし、一番良い音は生演奏であり、順に、DSDのハイレゾ、PCMのハイレゾ、現在のCDの規格であると結論付けることはできる。音質は、高音だけで構成されるものではないからだ。

ただ、グレン・グールドの最初の録音は1955年で、今から60年も前であり、当時はモノラル録音だった。1958年頃からステレオ録音になるのだが、主がもっぱら考えているのは、これらを良い音で聴きたいということだ。最近の録音であれば、主は、YOUTUBEで聴く音楽でも十分に美しいと思っている。問題は、何といっても演奏の質だ。これに尽きる。

 

グールド リマスタード – The Complete Columbia Album Collection

今年9月11日、グレン・グールドのコロンビア時代の正規録音81枚のLPが、リマスターされ、CDで発売された。これが、実に素晴らしい音なのだ。同時に、1955年版と1982年版ゴールドベルグ変奏曲のレコード!が再発売された。また、12月にUSBメモリーに入った24bit、44.1KHzのハイレゾ・バージョンも発売される予定だ。

グールドが亡くなって33年が経つのだが、これらの発売は、彼の人気が如何に未だ衰えないかをよく表している。

このコレクションは、グールドがコロンビアマスターワークス(のちにCBSマスターワークス)に発売を許可した正規録音をすべて含んでいるグールドは、1955年1月のアメリカニューヨーク、タウンホールでのデビューの翌朝!に、コロンビアレコードの重役オッペンハイムに専属契約を申し込まれる。これに従い契約を結ぶのだが、生涯他のレコード会社へ移籍をしなかった。同年にバッハのゴールドベルグ変奏曲を初めて録音してから、2度目のゴールドベルグ変奏曲を再発売すると同時に亡くなる1982年まで、ずっとコロンビアからレコードが発売された。最初の5枚目までは、モノラルのLPレコードだった。若い人のために説明すると、当時のレコードは、直径が30cmの溝が切られた黒いLP(Long Play)と呼ばれる円盤で、ターンテーブル上を1分間に33回転し、レコード針がその溝を擦りながら音を拾い上げるというアナログな仕組みだった。録音技術は徐々に進歩し、6枚目からステレオで録音されるようになり、1980年以降の5枚は、現在のデジタルであるCD規格で録音された。

このリマスターは、レコードを製造するために使用した既存のアナログ・マスターテープを、現在のDSD(Direct Streaming Digital)というデジタル技術で置き換えるものだ。このデータをもとにCD規格に再変換している。同時にリマスターしたデータから、何とLPレコードでも発売された!!最近、先祖返りのブーム(懐古趣味)で、レコードが見直されているのは確かだが、新発売するというのは凄い。

このCD、ハイレゾUSBとアナログレコードの発売だが、前述したとおりアナログ・マスターテープをDSD方式でサンプリングしたものを使っている。DSDというのは、CDの高音質バージョンであるSACDプレイヤーで使われている録音方式だ。今では、この方式にもSACD以上の高品位規格があり、こちらはメディア(円盤)ではなく、インターネットのダウンロードにより、手に入れることになる。12月に発売されるUSBのハイレゾは、ハイレゾと言いながらCDの規格が16bitのところが24bitになっただけで、同じPCM規格であり、非常に良いというわけではない。ところが、DSDは録音方式自体がPCMとは違い、自然に近い音だと言われている。これの意味するところは、今回リマスターされたもっとも高音質なDSDのオリジナルデータは、まだ発売されていないということだ。こちらの発売もやがてあるだろう。早く売れっちゅうねん。

残念なのは、バッハのフーガの技法のピアノ版やイタリア協奏曲の新録音などが含まれていないこと。逆に、CDショップでは手に入らない「20世紀カナダの音楽」と題するモラヴェッツやエテュの作品、R.シュトラウスの≪朗読とピアノ伴奏のドラマ≫「イノック・アーデン」やヒンデミットの「金管とピアノのためのソナタ全集」などこれまで聴いたことがない曲を初めて知ることができた。これら正規レコード81枚分が、良い音で蘇ったというのは非常に大きい。どの曲を聴いても、素晴らしい。びっくりする。やはり、最低限この程度の音で聴かなくては良さが伝わらない。

下が、 CDで発売されたもの。24,000円。CD1枚あたり300円と考えるとバカ安だ。CD81枚だけでなく、24cm×24cm大の立派なブックレットがついており、当時のジャケット写真とライナーノーツと解説(すべて英語)が載っている。早期購入特典ありとなっているものには、日本語の小冊子がついている。また、初めて見るグールドの写真も多く、非常にお買い得だ。

グールドリマスター(CD)

こちらは、12月発売予定のUSBハイレゾ・バージョン。53,000円。FLAC形式のものとMP3形式のもの2種類が入っている。インタビュー3枚分が含まれていないので、78枚分ということになる。

グールドリマスター(USB)こちら2枚がアナログレコードで発売されたゴールドベルグ変奏曲。上が1955年、下が1982年盤である。あー、懐かしい! 昔は、30cm×30cm大のジャケットを眺めたり、ライナーノーツを読みながらレコードを聴いたものだ。(写真はいずれもアマゾンから)

ゴールドベルグ1955(LP)

ゴールドベルグ1981(LP)

 

 

 

ハイレゾとSACD購入

最近、CD-S3000を使って普通のCDを再生している。これが非常にいい音がする。これまで、CDはリッピングしてパソコンを使いDAC経由で再生していたが、このCD-S3000、さすがに高級機だけあって、そういう手間が必要ない。もちろん、SACDはさらに良い音がする。

CDを1枚ごとに再生した場合、PCオーディオと比べると、曲間の時間が正確なようだ。PCオーディオでは、すべての曲間の無音の時間が同じだが、CD再生では、第1楽章と第2楽章の間の無音の時間より、1曲目と2曲目の無音の時間の長さのほうが長くとられているようだ。ちょっとしたことだが、使い勝手が良い。リッピングの仕方が悪いのかもしれないが。(2015/10/21追記)

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SACDとSACDプレイヤーは世間にあまり流通していないので、ずっと買うまいと思っていたのだが、グレン・グールドの10種類ほど発売されているSACDディスクを聴きたいという欲望に負けて買ってしまった。

さすがにSACD、ハイレゾだけあって良い音がする。グレン・グールドのアナログで録音されたマスターテープを音源にしてSACDは作られているのだが、自然な音の厚みがある。 CDに録音された交響曲など大編成のものは、どんなに立派なオーディオ装置を使っても実際のコンサートホールの演奏にはまったく及ばないとかねがね主は思っている。だが、SACDであれば、代替が可能かもしれないと思わせるほどの違いはある。

                                                                                                                             SACDディスクとプレイヤーは非常に微妙な位置にあるオーディオだ。SACDはかなり前(1999年)にできた高音質を謳う規格だが、記憶容量ではDVDに近い。CDの10倍ほどのデータが入っている。このため、CDとの互換性がなく、世間に広がることなく今に至っている。また、SACDには強力なコピープロテクトがかかっており、CDのようにパソコンへ書き出しができない。この結果、売れない、ソフトがないという悪循環にはまっていた。だが、最近のハイレゾブームで音の良さが見直されるということが起きた。

SACDは高音質なのだが、CDと比べて音が良いと感じられるには、それなりに高価な再生装置を使わないと実感できない。安物のステレオでは、CDもSACDも差が感じられないのだ。そうした事情もあって、SACDディスクで売られているのは、ジャズかクラシックだけでポピュラーはほぼ販売されていない。また、販売されているのは過去の巨匠の演奏の焼き直しが多く、最近の録音は少ない。要するに、レコード会社は新譜を発売しても、売り上げを見込めないために冒険をせず、今では博物館に入っているような伝説の名演をSACDへデジタル化し、一部のマニア相手に売れればよいと観念していると思えるほどマーケットは小さい。

ところが、最近は円盤(ディスク)を使わず、インターネットから高品位なデータをダウンロードして聴くPCオーディオという方法が注目されるようになった。この方式では、SACDよりもさらに高品位(データ量が多い)なものも売られている。ダウンロードであれば、プレイヤーのような回転装置が不要になり音質面、価格面でも有利だ。

グレン・グールドの演奏の音源の権利は、カナダ放送協会(CBCが所有するごく一部のものを除き、ほぼすべてをソニーが持っている。したがって、ソニーは権利のある音源のすべてをCDで発売し(100枚程度)、そのうち主要な曲SACD11種類をSACDで発売している

だが、不調と言われるソニーは、ここでも「ソニーよ、どこを目指すのか?!」という事態が生じている。CDはデータをパソコンに取り込める、だが、SACDはパソコンに取り込むことが出来ない。ディスクをプレイヤーで再生するしか方法がない。このため、CDを超える現在のハイレゾ音源は、インターネットからダウンロードして得ることになる。一方で、ソニーは、mora(モーラ)というインターネットを使ったダウンロードサイトを運営している。このmoraにおいてグレン・グールドの演奏は、CD規格の音質のもののみを配信しており、SACDのインターネット版であるDSDは配信していない。唯一、バッハの「インベンションとシンフォニア」をPCMという規格でハイレゾ配信しているのみだ。

ここで、疑問が生じる。ソニーはSACDのコンテンツの販売を拡充しようとしているのか。それともmoraで今後はSACDで販売しているコンテンツを含めハイレゾ配信するつもりなのだろうか。それとも、SACDディスクを購入したユーザーに遠慮して、SACDをインターネット配信するつもりはないのだろうか。その辺の方向が見えないし、中途半端でスピード感がない。

–以下2015/6/7追記–

上のように書いていたのだが、グールドの全集がDSD録音をもとにCDとUSBメモリーに入ったハイレゾファイルがこの秋に発売されるようだ。SONY MUSIC SHOPというから海外からの輸入のようだ。アマゾンやタワーレコードなどでも予約を受け付けている。以下が記事のリンクだ。上記の疑問の回答になろうが、おそらく将来は mora などで配信するようになるのだろう。

http://www.cinra.net/news/20150529-glenngould

PCオーディオの話 (再)

30年前に決められたCDの規格は44.1KHz、16bitである。これをざっくり説明すると、サンプリングと言うのだが、1秒間を44,100分の1に分割し、65,536(16bit)種類の音、デジタルで表現していることになる。音は波の形で表現できるが、44,100分の1秒ごとに65,536の音色で表現されながら、もとの演奏を再現している。これが、30年前の規格なのだが、600MB(メガバイト)のCDに70分程度の演奏が入る。

ところが、コンピューターの発達の過程そのままに、コンピューター発展の初期段階ではCDの規格を圧縮する技術がもてはやされた。例えばMP3という規格がそうだが、圧縮したり耳に聞こえない成分を捨て去ることで、データのコンパクト化が行われた。こうすることでCD1枚に千曲も入るということになる。(その分、音質は犠牲になっている)

一方、現在ではコンピュータの性能も上がり、インターネットのスピードも格段に向上した。実際の録音の現場では、サンプリングの精度が格段に上がり、192KHz、24bit以上になっている。これは、先ほどと同じ表現をするならば、1秒間を192,000分の1に分割し、16,777,216(24bit)種類の音で表現していることになる。1秒間を分割する割合で4倍強、音の種類で256倍ということになる。それなら、1000倍ほどの情報量になり、データの大きさも1000倍になるかというと、CD(600MB)に入っていたものがDVD(5GB=CD約8枚分)に入る程度で済むようだ。これくらい現在の録音は情報量が違うのだが、30年前の規格であるCDで発売するためには、せっかく良い音質で録音したものをわざわざダウンコンバートしているわけだ。そこで、録音された情報量そのままに聴きたいというのが人情である。そこで最近はやりだしたのが、ハイレゾ(High-Resolution Audio)だ。一般的な入手方法はインターネットからのダウンロードである。

昔と比べてインターネットのスピードも速くなり、ハードディスクやUSBメモリーなどの記憶容量が格段に増えた。これまでの制約がなくなったのだ。

そうした原理的なことに加え、音楽データをパソコンやホームサーバーに入れたり、携帯パッド(スマホなど)にいれ、USB接続、LAN接続、bluettothやWiHiで飛ばし再生するのだが、これには大きなメリットがある。

まず第1にCDプレイヤーが不要になることである。最近ではデジタル出力を備えたCDプレイヤーもあるが、一般的にはCDプレイヤーの出口でアナログ変換がおこなわれ、この段階で音の劣化が始まる。CDプレイヤーの後段に接続するアンプをいくら高級品を使おうと接続に安物のケーブルを使えば、それがボトルネックになる。CDプレイヤーには高級品は数十万円するものがあり、デジタルのままデータを出せば(USB接続、bluetoothやWiHi)、音の劣化がない。第2のメリットはCDのようにいちいちディスクを交換しなくとも、パソコンの画面から簡単に選曲できるし、スマホのような端末ではさらに便利だ。

次のリンクは、再びオーディオの世界へ参入したソニーの製品のリンクだ。残念ながら、超高級品というわけではないが入門機としては十分、手ごろだろう。これまでのアナログの機器とは音が明らかに違う。写真はハイレゾウォークマンだ。近い将来、こうしたウォークマンのような専用機ではなく、スマホでハイレゾを再生できるようになるのは確実だろう。インターネットのクラウドにデータを置き、スマホでハイレゾを楽しむということは、今でも可能だろう。また、パナソニックが昔のブランドであるテクニクスを復活させるというニュースもある。日本はまだだがヨーロッパが先行するようだ。この発表を見ていると、高級品は500万円!、低価格品は50万円というから力の入れ具合が、わかろうというものだ。この高級機とハイレゾを組み合わせると次元の違う音が鳴るのではないか。ソニーとテクニクスでは路線に違いがあるようだが、世界中を席巻してもらいたいものだ。

残念ながら、パプアニューギニアで暮らす身にとっては、YOUTUBEの再生もままならず、当面無理だなのだが。

http://www.sony.jp/system-stereo/lineup/high-reso.html

sony

 

 

グレン・グールド考 再No.2(PCオーディとお勧め曲)

グールドに熱中するようになったのは、ここ2、3年ほどの事です。私は現在60才ですが、20代の頃は、ピンクフロイド、オールマンブラザーズバンドなどのロック、キースジャレットなどのジャズに熱中していました。1980年代にレコードからCDへとメディアの世代交代があり、ちょうどそのころからクラシックも聴くようになりました。

グールドは、亡くなる直前に録音されグラミー賞も受賞した「ゴールドベルク変奏曲」(1981年発売)を出始めのCDで聴いて、いいなと思っていたのですが、彼の他の録音は1950年代から始まっており、初期のものは、録音状態が悪く敬遠していました。

3年ほど前から(実際はもう少し前だと思います。)、PCオーディオという聴き方が流行ってきました。PCオーディオというのは、CDプレイヤーを使わず、CDの内容をパソコンに書きだし(あるいはインターネット経由でデータをダウンロードして)、デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)という機器をつないで聴くのです。この方法ですと、音質の劣化が少なく、安価でも高音質な音楽を楽しめます。もともとCDの規格は30年以上前に定められたもので、かなり以前から、録音時に高音質で録音したデータを、30年前の規格に合うように低品質にダウンコンバートしてCDが売られているのです。

ハイレゾ(High Resolution)という言葉をご存知の方も多いと思います。これはデータ量が多くなり、CDには収まりきらなくなるのですが、インターネットからデータをダウンロードすることで、CDの規格をはるかに超える高音質が手に入ります。ソニーなどはハイレゾウオークマンを発売し、人気が出てきたようです。

このPCオーディオで音楽を聴くと、過去の録音であっても、当時の最高のレベルの機器で再生された音質を簡単に手に入れることができるようになります。安物のステレオ機器の値段で、最高音質の演奏を聴くことができるようになるのです。ざっくり言ってしまうと、録音されたデータとスピーカーから出てくる間には、さまざまなボトルネックが存在するのですが、これらの間をスピーカー以外はデジタル接続することにより、音質の低下を抑えることができるのです。

こうしたことで、「昔の録音でもいい音じゃん!」と思うようになり、グレングールドの音楽の世界に深く足を踏み入れることになりました。昔の録音で、音質が悪くて聴く気がしない、と思っていた音楽も十分に楽しめます。

さて、グールドの魅力の続きです。
普通の音楽はどんなものであれ、主旋律と伴奏という形をとるのが一般的です。クラシックも例外ではありません。ポピュラー音楽もそうですね。かの小澤征爾さんさえ「音楽はメロディー、ハーモニー、リズムから成り立っています」とNHKで言っていました。

ところがジャズやロックを思い浮かべてください。これらの音楽では、異なったミュージシャンが時に主役になったり、脇役になったり、同時に競ったりしています。ジャズやロックは、メロディーもさることながら、この楽器同士(ヴォーカルを含め)の掛け合いが楽しいのだといってよいと思います。

これをグレングールドはクラシックの世界でやってのけた、唯一といっていい人物です。普通ピアノは右手でメロディー、左手は伴奏を受け持ちます。特にモーツアルト以降のロマン派の作品(ショパンやドビッシーなどを思い浮かべてください)はそうなっています。これに対し彼の場合、バッハやベートーヴェンが主なレパートリーですが、10本の指を自在にコントロールしながら、違うパートのメロディーを同時に歌わせるのです。しかもその時、一番重要なメロディーをレガートで強調しつつ、脇役となるメロディーをスタッカートで弾きちょっとコミカルな雰囲気をだしたりします。少しの小節ごとに奏法を変え、音の長さを変え、音量も変えているので聴き飽きるということがなく、常に新発見があります。

この同時に奏でられる複数の旋律のことをポリフォニーといい、ハーモニーとは少し違います。グールドはモーツアルトの曲などでは、主旋律の他に違う旋律(音符)を自分で加えたりしています。このことで『再作曲家』と言われることがあります。また、聴く人を作曲家の気分にしてくれると言われたり、曲の裏側から光をあてたなどと言われます。

では、今回も曲の紹介をしましょう。

1曲目は、バッハの「ゴールドベルグ変奏曲」です。彼はこの曲でデビューし、死の直前にこの曲を再録音しています。まさに「ゴールドベルグ変奏曲」で始まり「ゴールドベルグ変奏曲」で終わったのです。この曲はアリアで始まり、30の変奏曲の後で再びアリアに戻ります。30番目の変奏曲は他の変奏曲とは趣が異なり(クオドリベット)、当時の俗謡が二つ入っていて非常に聴きやすく、終曲直前にふさわしい楽しい曲です。最後のアリアは静かで非常に美しい。
バッハは、この曲をカイザーリンク伯爵が安眠するため作曲したという逸話があります。この逸話は現在否定されているようですが、弟子ゴールドベルグが伯爵の寝室の隣の部屋で伯爵が眠る前に演奏したというのです。

グールドが最初にピアノ録音をリリースするまで、この曲はチェンバロで演奏するのが通例でした。チェンバロはピアノに比べ表現力という点では劣る楽器です。チェンバロは魅力的な音色を持っていますが、音の強弱、音の長さをコントロールできません。これに対してピアノは、全く次元の違う表現力を持っています。バッハの時代になかったピアノの豊かな表現力でこの「ゴールドベルグ変奏曲」を彼が弾き、バッハを生き返らせ、彼に続くピアニストたちがこぞってバッハをピアノで弾くようになったのです。

以下は、バッハの「ゴールドベルグ変奏曲」のYOUTUBEのリンクですが、再生回数がなんと2百万回を超えています!!

https://www.youtube.com/watch?v=N2YMSt3yfko

2曲目は、モーツアルトのピアノ協奏曲24番です。グールドは、モーツアルトの曲に対位法的(ポリフォニーの)要素が少ないので、非常に低い評価をしか与えていませんでした。このため、唯一録音されたピアノコンチェルトです。

ピアノソナタ(ピアノ独奏)の場合、彼は普通のピアニストが弾くような弾き方でも素晴らしい演奏ができたのですが、彼は、旧来と同じ演奏をするなら意味がないと考えており、常に新しい解釈を求めていました。このため、かなりエキセントリックなモーツアルトのピアノソナタばかりです。例えば、最後に「トルコ行進曲」が含まれるK331は、最初まるで近所の子供が弾いているかのようなポツポツとした弾き方で始まり、徐々にスピードを上げ、アダージョの変奏曲をなんと『悪魔的に』アレグレットで弾きます。

さて、肝心のピアノ協奏曲24番はそうしたエキセントリックな演奏ではなく、そういう意味では流麗で、リリカルな、堂々としたノーマルな演奏をしています。(ベートーヴェンのピアノコンチェルトをはじめ、協奏曲を弾くグールドは、全般にノーマルな解釈をしています。彼の頭の中では、ピアノ協奏曲はピアノ伴奏付交響曲であるという考え方があり、ピアニストがオーケストラを凌駕し、圧倒し、ねじ伏せるという昔の考え方ではなく、ピアノを含めたオーケストラ全体が一体となった演奏を望んだのです)ノーマルとはいっても、天才ぶりが十分に発揮された素晴らしい演奏です。

指揮者で、バイセクシャルのレーナード・バーンスタインが、観客がいる演奏会でこの曲を指揮し、第1楽章のカデンツァ(ピアノ協奏曲でオーケストラが休止し、ピアニストが名人芸を披露する独奏部)を聴き、「思わずズボンの中でイキそうになった」とコンサート後のパーティーで打ち明けたという話が伝わっています。(ちょっと下ネタになってしまいました)

以下は、モーツアルトのピアノ協奏曲24番のYOUTUBEのリンクです。この上のリンクはバーンスタイン指揮、ニューヨークフィルとのカーネギーホールでのライブ盤(1959)をリンクしました。こうした録音が今もあることを初めて知りました。下のリンクは、発売されているCDの方で1961年、サスキント指揮、カナダ放送協会交響楽団のものです。録音状態はやはこちらがはるかにいいですね。オーケストラもいいと思います。もし、どちらかひとつだけ聴くなら、下の方をお勧めします。

https://www.youtube.com/watch?v=qV_lnAtLYkU

https://www.youtube.com/watch?v=kNV1icyCTt4

つづく
 

RAID0 ULTRA FASTで起動成功!

主のPCがULTRA FASTでBOOTできるようになった。

Windows8 (64bit)をWindows8.1にアップグレードしたのち、BIOS(UEFI)をバージョンアップしたら、RAID0が起動しなくなった。Windows8.1で作ったシステムイメージがあったので、これを使って最終的に回復したのだが、この奮闘記を書いてみる。何かの参考になれば幸いだ。なお、マザーボードは、Asrock Z77 Extreme7-M、CPUは i7-3770Tだ。(今後のためにUSBメモリにUEFI起動Windows8.1回復システムを作成した。)

BIOS(UEFI)をアップデートするとデフォルトにリセットされるので、RAID0に障害が起こり、Windowsが起動しなくなることは前回述べた。これを再インストールする際、DVDメディアからインストールすると必ずBIOSでしかインストール出来ない。UEFIでインストールするためには、USBメモリーに入れたWindowsシステムを準備し、インストールする際にUEFIモードのUSBメモリを指定する必要がある。このためまずは、Winodws8のUSBシステムを作成、RAID0を再構築したドライブにUEFIモードでインストールした。次にWindows Updateを何度か繰り返し、Winodows8.1にアップグレードする。この段階で、ようやくWindows8.1で作ったシステムイメージが認識されて、もとに戻すことが出来た。このシステムイメージは、BIOSで作られたシステム、UEFIのWindows8のいずれからも認識されないのだ。悪戦苦闘することになった原因を上げると、次のようになる。

① DVD-ROMインストールは、UEFIでインストール出来ない

Windows8(Windows8.1でも)をUEFIでインストールするには、DVD-ROMからインストールすることはできないので、インストール用USBメモリを作り、UEFIを選んでブートしなければならない。間違えてAHCIを選ぶと、UEFIにはならない。

② Windows8のシステム回復は、Windows8.1で作ったシステムイメージを認識しない

Windows7では、サービスパックがSP3まであったが、OSとしては同じだったので、システム回復が同じように使えた。だが、Windows8とWindows8.1は違うOSのようだ。

③ ライセンスがWindows8アップグレードの場合は、クリーンインストールできない。 

主は、Windows7から8へ移行する際に、安価なアップグレード版をダウンロードして使っていた。これを使って新規(カスタム)インストールすると、ライセンス違反というエラーメッセージが出て、ライセンス認証が出来ない。だがこの現象は、必ずしもWindows7をインストール後にWindows8へアップデートしなくとも、Windows8を2回インストールすれば可能だ。

④ ビデオカードはGOPに対応している必要がある

対応していない場合は、CPU内蔵のVGAを使えば可能だ。

 

 

 

 

RAID0 BIOSのアップデートで再インストールするはめに

半年ぶりに日本に帰ってきたら、マザーボードのBIOSの新バージョンがリリースされているのに気が付いた。

主の使うPCは、レスポンスを良くするためにSSD2枚を使ってRAID0を組んでいる。RAIDは、BIOS(UEFI)のハードディスクの起動オプションででIDEやAHCIではなく、RAIDを選択したうえで、さらに別の設定画面でRAIDドライブを指定しなければならない。しかし、何も考えずにBIOSをバージョンアップすると、BIOSのバージョンアップはデフォルトの状態へと戻る。すなわちAHCIになり、再起動後、RAIDドライブはエラーを起こして、Windowsは永遠に立ち上がらなくなってしまう。

この失敗を元旦にしてしまった。(^^);;

BIOS(UEFI)のアップデート自体は簡単に終了するのだが、Windows8.1は立ち上がらない。仕方ないので、DVDトレイに入れたWindows8のシステムから起動し、システム修復を試みる。システムイメージがあるので簡単に修復できるとたかをくくっていたが、やってみると何故か「システムイメージを復元できませんでした。ファームウエアが異なるコンピュータにシステムイメージを復元できません。このシステムイメージはBIOSを使用するコンピュータで作成されましたが、このコンピュータはEFIを使用しています。というエラーメッセージが出て、システムイメージは使えない。(涙)

結局、Windows8を再インストール、Windows Updateを繰り返し、Windows8.1も再インストールする羽目になる。データは、Cドライブに入れていないので大きな被害はなかったが、元旦早々、半日がつぶれた。

システム修復の際に、修復対象を選択する「ドライブの除外」という項目があり、除外するドライブをしっかり指定しないと、Cドライブ以外のドライブも消えてしまうので注意が必要だ。

その後、Googleで検索したら、エラーメッセージの原因について、価格コムの口コミで次の書き込みを見つけた。http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000383962/SortID=15170871/

記事を見て気が付いたが、以前、UEFIブート用のUSB Windows8を作った記憶がある。だが、パプアニューギニアへ持って行ってしまって手元にない。必要な時に手元にないとは、全くとほほだ。

PCオーディオ その2(日本オーディオメーカーの衰退)

2014年10月現在、大手メーカーのソニーやテクニクスなどのハイレゾ参入など、事情がかなり変わってきました。以下の記事は、2013/12/20に書かれたものですので、ご承知ください。

プアニューギニアから日本へ休暇一時帰国している。相変らずカナダ人ピアニストのグレン・グールド(1932-1982)ばかりを繰り返し聴いている。向こうでは仕方なく手軽な機器で聴いているので、自宅のPCオーZODIAC.jpgディオの音の良さを改めて再発見することになった。 自宅にはオーディオセットが3組!(女房が使っている物を入れると4組!)あり、どの部屋もネットワーク経由でハードディスクに入った音楽データを再生することが出来る。そのうちメインに使っている機器は、100万円以上費用ががかかっている! 左が50万円以上するDAC(デジタルアナログコンバーター。アメリカ製)写真の右側が電源部、左側が本体である。右側は単なる電源アダプターなのだが、低ノイズを謳っておりこれだけで10万円!する。オーディオの世界は、値段の高いものがいくらでも売られているので、これより高いDACもあるが、この値段は高額な部類に入ると言っていいだろう。さすがに我が家にある他のDACとは全く違うレベルで、原音を忠実に再現する。グレン・グールドはマイクをいろんな距離において、ピアノの音を録音をしている。今回我が家に帰って気づいたのだが、近くに置いたマイクと遠くに置いたマイクを違うチャンネルに録音している!この両方の音が聞こえるのだ。かなり静かな曲のインベンションとシンフォニアを聴いてその二つの音を聴き分けれることに気付いた。この現象はヘッドホンの場合に気付くことができた。

下はスピーカーとアンプ。こちらは、両方で50万円ほど。この値段くらいだとマニアックとまでいかないだろう。スピーカーはイギリスのB&Wという会社の製品。

B&W遙か昔のブログの主の青春時代、40年前は広くオーディオブームだった。若い男は決まってオーディオマニアだった。どこのスピーカーが良いとか、レコードのターンテーブルがいかに正確に回転するとか性能に皆うるさかった。当然ながら、オーディオ分野に多くの日本のメーカーが存在した。スピーカーに限ると、タンノイやJBLの海外スピーカーがジャズ喫茶(おー、何と懐かしい響き!!)で名声を馳せていた。しかし、部屋で聴くスピーカーは日本製品だった。 ところが時間がたつにつれオーディオはじり貧になり、死語になったかというくらいに売り上げが落ちていく。ウオークマンがヒットし、その後iPodなどに取って代わられるが、高級アンプやスピーカーを部屋に置いて音楽をじっくり聴くというスタイルは、限りなくマイナーな存在となる。

40年前、履歴書に無難な趣味として「音楽鑑賞」と書いたものだが、今は音楽を「鑑賞」すると表現しないのではないか。「鑑賞」という言葉には、対象を幾分有難く思う雰囲気がある。突然だが、ピアノもそうだろう。高度成長期、猫も杓子もピアノの存在が教養の証のように思われ、有難がってピアノが売れた時期があった。時代は変わったのだ。生活が貧しくなった、余裕がなくなったと解釈することもできるだろう。そうではなく、「音楽鑑賞」やピアノの向こうに有難いものなどないのだと化けの皮がはがれたのかもしれない。

オーディオは特殊な存在となり、いつの間にやらミニコンポに取って代わられた。ミニコンポは、中学生、高校生あたりをターゲットにした値段の安い値段のものが中心で、大人向けに少し高級志向の製品が僅かに並んでいるばかりだ。 

こうした凋落の歴史があり、高級オーディオの分野は、今では欧米の製品がほとんどを占めている。スピーカーは、欧米メーカーの名前で売られているが、実際の組立は中国でやっており、コストパフォーマンスが非常に高い。海外には特長のあるメーカーがたくさんあり、昔と比べるとコストパーフォーマンスが上がっている。小さなスピーカーでさえ、びっくりするほど良い音がする。スピーカの形もずいぶん変わったものが出ている。

日本メーカーはテクニクス、ダイヤトーンがなくなり、残っているのはONKYO、パイオニア、ビクター、ヤマハといったところで、幅広くオーディオ製品を作っているのはONKYOだろう。だが、このONKYOも買いやすい値段の商品を主流にしている。国内市場の縮小が原因で、日本メーカーは技術開発で海外勢に後れを取っていると感じる。また、コスト競争もまずいが、何より魅力のある品が日本製品には少ないことが、一番大きな問題点だろう。

アンプも同様だ。日本製はONKYOなどが頑張っているが、多く売れるところを狙っているのLUXMAN_thumb.jpgで、高級品の定番製品はない。高級品では、ラックスマンやアキュフェーズといったマニアックなメーカーが従来の路線で支持されている。日本製は重さで勝負(これまでの常識では、高級品には電源に余裕を持たせるために大きなコンデンサーを使ったりヒートシンクも巨大になるので、必然的に高級品は重かった)、真空管方式もありますぜといったスタンス。

ところが、近年海外勢はユニークなデジタルアンプを次々発表している。時代の先端を行くユニークな高級デジタル製品が出ているのだ。日本製は少ない。

主は結局のところ、日本製で評価の高いアンプ、ラックスマン。ラックスマンは昔ながらの重量(30KG)があり、この重さで音質を稼いでいるアンプだ。

このデジタルの技術革新に伴い、PCオーディオのブームがやってきた。パソコンとネットワークを使うとCDプレイヤーのような回転装置が不要になる。というより、何十万円もする超高級CDプレイヤーと同等のレベルの音質で聴くことが出来る。また、CDの規格は30年以上前に作られたもので、今は高品質で録音をしたものを、わざわざダウンサンプリング(品質を落と)してCDが作られている。この矛盾をインターネット経由でPCへとデータを取り込むことで解消し、品質の高い音楽データが手に入る。また、DAC(デジタルアナログコンバーター)とヘッドホンさえあれば、最高の音質をコストをかけずに楽しめる。昔は、アナログ接続が基本で、高級パーツを揃えてもたった1本のケーブルがボトルネックになったのだが、今や接続方法に無線や光などという手段もあり、事情が変わってきた。

これがきっかけで、主の「音楽鑑賞」の趣味が復活した。安い値段の装置でも、アナログと比べると非常にいい音で再生できるのだ。主は、古い録音(1950年~1960年代に録音されたCDなど)は、音質が悪く、いくら演奏が優れていても感動を呼び起こさないものと諦めていた。しかし、PCオーディでは昔の録音が、その当時の最高級アナログ再生装置を使ったかの如くリアルに再生できるのだ。

手軽に昔のCDを高音質で聴けることが、皮肉な現象を引き起こしている。主と同じようなオールドファンは、昔の巨匠の演奏ばかり聴き、タワーレコードなどのショップでも現代の演奏家より昔の演奏家のCDが多く並んでいる。理由の一つは、現代の演奏家の新譜は値段が高いことだ。また、現代の演奏家の新譜にどの程度価値があるのかわからず、冒険しづらいというのも理由だろう。片や若者は、レンタルやYOUTUBE、iTUNESなどで曲を手に入れており、CDはまったく売れなくなっている。

演奏のレベルは時代の経過に必ずしも比例しないのだ。今や録音技術が進歩していても、コンテンツのレベルが上がっている訳ではない。昔の方がハイレベルな場合も十分にあるのだ。こうして埋もれていた音源(ソース)が生き返えったのだ。