グールド ハイレゾFLAC リマスターCDよりいくぶん高音質!

リマスターされたCD版とこのUSB版の両方を購入したので、違いなど感想を書いてみよう。


CD版の方は、CD81枚と結構豪華な24cm×24cm大416ページのブックレット(ジャケット写真やライナーノーツ、グールドの写真、解説が入っている。こちらは、グールドとジョン・マックルーアやティム・ペイジとの対話CDなどが含まれており、USB版はCD78枚分と3枚分少ない。(どちらも「早期購入特典付き」のものには、日本語訳された曲目リストや解説が書かれた小冊子がついてくる)

USBピアノに象られた左の写真はUSBメモリーで、上の部分のキャップを外すとパソコンのUSBソケットに差し込むことが出来る。USBメモリーは容量が128GBあり、FLACファイルに約30GB、MP3ファイルに約10GB使われている。

 

ランチャー2それとは別にアプリケーションが入っている。アプリケーションソフトをインストールすると、左のような画面になり、CDの楽曲をパソコン上から選択し、CD版に付属するブックレットをアクロバットリーダーで読める機能もついている。パソコン上で好きな楽曲を再生しながら、解説書も参照でき、なかなか気が利いている。表示言語は英語のみ。物理的なCDと解説書を選ぶか、PCに入れたFLACファイルとPC画面で見るPDF、どちらを選択するかは好みの問題のように思う。

ただ、このソフトは常に全画面表示になるようで、パソコン上で他の作業をすることができない。この点は、使い勝手が悪い。(後程、PDFを表示させる際にタスクバーが現れることに気付き、他の作業をすることができると気付いた)もちろん、foobar2000などで直接FLACファイルを再生できるので、困るということはないが。

さて、肝心の音質であるが、FLACファイルとリマスターCDを比べると、若干、FLACファイルの方が音質は良いように感じる。今回のリマスターは、アナログマスターテープをまずDSDでリマスターしその上で、PCM方式の24bit 44.1KHzへとコンバートしてFLACファイルが作られている。CDの規格は、16bit 44.1KHzなので、大幅に違うとは言えないだろう。ダウンロードサイトの一般的なハイレゾ音源は、DSDを別にして24bit 192KHzというものが多い。それと比べると 16bit が 24bit になった8bit(256倍)の差というのは少し物足りない。とは言うものの、リマスターされる前に発売されたCDを再生するときの、多数の音が同時に発声される際の聞き苦しい混然とした歪感は、はっきりと改善されている。マスターテープに録音されている音が、余すことなく再現される。

しかし、いずれリマスターしたDSDのオリジナルデータが発売されるだろう。また、そうあってほしいものだ。

以下追記(2019/5/18)– 

PCで聴く時は、FLACをDAC経由で聴いており、CDを再生する時には、YAMAHA CD S-3000というプレイヤーで聴いているのだが、どちらも従来のCDより、ずっと良い音がする。これは、上にも書いたが、オリジナルのアナログテープをDSDでリマスターしているからだ。これをFLAC、CDへとダウンコンバートして、売られている。ダウンコンバートされたと言っても、もともとのアナログテープに入っていた内容は余すことなくデジタルでコピーされているということだ。

グールドが録音した時期は、LPレコードの時代で、LPレコードのマスターテープには音楽として十分な情報量が含まれているのだが、これをアナログのまま忠実に再生しようとすると、非常に高額なオーディを機器をそろえる必要があった。ところが、昔のアナログのマスターテープの録音は、最終的にCDの基準へとコンバートされ、気軽に WALKMAN や iPod などで良い音で聴けるようになったのだが、技術は進歩していて、古いものより新しい技術の方が、一般的に良いということだろう。

いずれにしても、DSDでリマスターしたそのものを、SACDなり、ハイレゾ音源として、SONYは発売して欲しい。

おしまい

 

 

 

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