積極財政にも濃淡がある 明日衆院選開票 高市再選で日本は復活できるか?

日本の経済成長は30年来止まり、それ以前の高度成長時代の貯金を使い果たし、G7諸国の中でも低位になってしまった。誰しも人間らしい振る舞いができるには、衣食住足ってこそだ。あまりに貧しいと意に沿わないことでもするしかなく卑屈にならざるを得ない。

明日、2026年2月8日は、過半数割れしている高市政権の評価を問う衆議院選挙の投開票日である。下馬評では、過半数割れした状態から300議席を超える大勝利になるだろうと言われている。

親爺の関心は、ずっと続いてきた財政再建と緊縮財政を止め、国債発行による投資でパイを拡大し、他国並みの成長路線に戻るかどうかにある。

財務省は、国債の発行は、通貨円の信任をさげ、副作用でやがてハイパーインフレになると国民の不安をずっと煽ってきた。ところが、国債は償還期限が来ても、「借換債」という新たな国債を発行し返済していないことを認めている。また、「60年償還ルール」という日本独自の奇妙なルールもある。「借換債」の発行と「60年償還ルール」は、どちらも実際のところ諸外国と同じルールで財務省は運用しているにもかかわらず、国民には国債の残高が諸外国の倍以上で最悪で、危険水域だと説明し、予算編成に際して60年償還ルールで予算から60分の1を償還していることにして、予算書を作っている。利払い費についても同様で、諸外国では入ってくる金利収入を相殺した金額を計上しているにもかかわらず、日本ではグロス(利払い費のみ)の金額を計上している。このような見せかけで、国債費が予算を圧迫していると国民に説明してきた。

下のショート動画は、高市政権の経済ブレーンの会田卓司さんである。会田さんの主張の根幹は、政府と民間企業をあわせて5%程度の借金を抱えている状態が、国民の財布を温めて丁度よいというものにあると親爺は思っている。誰かの赤字は、誰かの黒字だ。バブル崩壊以後、日本の民間企業は借金をして投資をしなくなったので、政府が代わりに借金をしなければならないと説かれている。この論説は、ノーベル経済学賞ものだと親爺は思っている。

繰り返すと、世界各国は国債を発行して経済成長し、国債の残高は返済せず、借り換えしているので残高はどんどん増えている。ところが日本は同じ方式でしているが極めて抑制的なやり方なため、一向に成長せず取り残され、相対的に貧困化している。

高市政権の経済政策「サナエノミクス 2.0」では、従来の財政規律の見直しが中心に据えられ、主なポイントは、単年度ごとのプライマリーバランス(PB)黒字化目標の実質的な撤回(または凍結)と、成長投資を最大化するための予算の複数年度化だ。こうすることで、国債を発行してもそれ以上の経済成長をすれば、国債残高がGDPに比して増加することはない。

この2点が実現できれば非常に素晴らしい。親爺は、生きているうちにこれが実現できる日がくるか訝しがっていた。もし選挙で大勝すれば、財務省や御用学者、御用マスコミの反対を乗り越えられるだろう。

財務省がここまで頑ななのは、明治以来抜本的に改められていない会計法と、戦後GHQによって作られた財政法があるからだ。財務官僚は法律を厳格に守っているだけだからだ。

ただ、国債の考えにはさらにもっとドラスティックな考え方もある。つまり、国債発行をして政府が負債を負うこと(赤字になること)で国民が豊かに(黒字になること)なるという考えである。税金(徴税)は予算の財源ではなく、世間で流通する通貨の回収で、経済を冷やしたり温めたりする手段だという考え方である。もちろん、国の経済の供給力の範囲内に限るのだが、中長期の範囲で世間に撒いた金額以上に成長すれば、年金を増やしても、消費税を廃止しても問題ない。国債はどの国も残高が増えていっても当たり前である。下の写真が、参政党の安藤議員である。この安藤議員は、元自民党衆議院議員で当時からその主張をしていた方だ。

下のショート動画では、会田卓司さんが、財務省に対し早く自分の間違いを認めれば楽になるのに、でも、官僚には無謬性を求める習性があるので難しいのでしょうかと語っておられる。

おしまい

エマニュエル・トッド「共産主義崩壊のような西側諸国の瓦解が始まっている」

グリーンランド情勢に見る西洋の“迷走”

トッドは、著書「西洋の敗北」以降も目覚ましい、目からうろこの落ちるような発言をしている。それが、タイトルの「共産主義崩壊のような西側諸国の瓦解が始まっている」である。

トランプ大統領は、関税で世界の貿易体制を打ち壊し、ベネズエラの大統領を誘拐し、グリーンランドまで欲しいと言い出している、同盟国のヨーロッパと対立して帝国主義を始めている、といった表現で伝えるのが日本のメディアでは一般的だ。トランプは平和で世界をリードする西洋社会に現れた、横暴で暴力的な専制主義者だと捉えられている。

これをトッドがどう見ているのかと言えば、西側諸国が、かつてのソ連中心の共産諸国が崩壊したように、西側諸国も崩壊しようとしている!と分析している。西洋諸国は何も見えていないという。

この記事は、2026.1.26のもので、フランスの新聞・フィガロがトッドにインタビューしたものをクーリエが掲載したものだ。

記事の背景を簡単に書くと、2026年1月、トランプ大統領が、中国とロシアの脅威を防ぐため、NATOのアメリカ軍基地があるグリーンランドの領有と、反対する西欧諸国には10%の関税を課すと表明した。グリーンランドは、人口がわずか6万人弱、面積が216万平米(日本の約6倍)の島で、デンマークの自治領であり、政治経済の根幹的な部分はデンマークに依存している。この広大で人口の空白な島にも中国資本は進出しているが、アメリカのビッグテックにとって様々な実験ができるフロンティアと考えられている。有料記事なので、概略の紹介と親爺の思うところを述べたい。


トランプ発言のあと、ここへ欧州諸国は自国の兵士を派遣した。この事態をトッドは、「西洋諸国は完全に冷静さを失っている。」「『ロシアが攻めてくる!』と恐れを煽っていた西欧諸国が、兵士数十人を送り込んで同盟国の米国からグリーンランドを守ろうとするのは、まるでコメディ映画だ。」という。

西欧諸国の中で、ドイツの前首相ショルツは軍事行動に出るアメリカを抑える役目をしていた。しかし、今のメルツ首相は好戦的な姿勢を示している。

とりわけ深刻なのがアメリカである。アメリカは退化している。若年層で十分に読み書きできない層が増え、識字率が下がっている。農産物が貿易赤字で、工業製品を関税で保護し、国内製造業の回帰を目論んでいたが、有能な技術者やエンジニアが足りず、トランプもそのことを自覚し始め、「生産」するよりも「収奪」することに軸足を移した。トランプは2025年5月ころロシアに軍事で負けたこと、中国にも経済で負けたことを認めざるを得なくなった。その敗北の怒りを同盟国にぶつけている、今は、敗戦を先延ばしにするためウクライナ軍にロシアの石油関連施設をゲリラ攻撃させている。

トッドは、もはや米国が帝国だといっても名ばかりになりつつあると指摘する。「ロシアに対してゲリラ戦を仕掛けて時間稼ぎをするしかできなくなっているわけですからね」と。

トッドは、解釈の困難な将来の政治の行方について結論を出すために、様々な要素の分析を行う。宗教の変遷、とりわけ信仰心の希薄化が及ぼす影響、歴史、人口の様々な指標、家族形態などである。このうちの一つにGDPという指標がある。

GDPは、国家の富や規模を表す指標ととして、その国の生産と消費の規模を貨幣金額であらわすものだ。これがトッドはインチキだという。つまり、アメリカのGDPで言えば、異常に高額な弁護士費用、何万人もいる経済学者の給料、ウォール街で働く金融関係者の給料など、これらはその国の生産力をまったく反映、貢献していないし、豊かさの指標ではないという。そうした実際に生産に関与していない金額は、世間にも貢献していない。そう勘案すると、真のアメリカのGDPははるかに減少する。

中身を吟味すると、アメリカよりもロシアの方が地に足をつけているのかもしれない。

おしまい

ジャンヌ・ダルク高市早苗で日本再生の希望が見えるか?

親爺は、高市早苗がジャンヌ・ダルクになれるかと思っていた。ジャンヌ・ダルクは、英仏の百年戦争で、フランスを勝利に導いた愛国心に燃えた少女である。しかし、彼女はイギリスに囚われ火刑の刑に処された。 ジャンヌ・ダルクではなくサッチャー元首相を手本にしたいという高市早苗は、苦難の末に総理大臣に就任し、今までの菅、岸田、石破内閣とはまったく違う有能な閣僚を揃え、マスコミの記者たちを寄せ付けないレベルの応答をしており、様相が全く違う。高市自身も、公明党が離脱した後、維新との連立を手早く組み、アメリカ大統領、韓国大統領、中国国家主席との会談を大成功させた。

もちろん、反対勢力も足を掬おうと虎視眈々と狙っている。テレビ、新聞はもとより、裏で手をひく財務省がおり、自民党の内部にも権力闘争に敗れた反高市派がいる。社会にはLGBTや多様性のポリコレを声高に主張するウォークの連中もいる。戦争反対を叫び、対話で紛争を解決できると考える『お花畑の住民』もいる。アンタはガンジーか、キング牧師か。

この後、高市がどの程度の成功するのかわからない。しかし、ガソリン税の暫定税率の年内廃止に目途を立て、外交手腕を見て株価が5万2千円ほどになっているのをみるとマーケットも彼女を肯定的に見ているのがわかる。株価は景気の先行指標の性格もある。実体経済が回復し、国民の懐が温かくなるだろうか?日本は復活するか?その観点で、親爺が考えているところを書いてみる。

1.親爺が期待するプライマリバランスの放棄

 彼女の経済に対する主張は、つまるところプライマリバランスの当面の放棄である。プライマリバランスというのは、毎年度の収支(歳入と歳出)を均衡させるというものだ。この基準が日本の経済成長を妨げてきた。 高市も財務大臣の片山さつきも財源が足りなければ国債を発行する、国債発行で経済成長すれば問題はないと言い切っている。また、財務省は日本のGDPと比べた国債残高が外国より高いと危機感をあおるのだが、高市、片山は「それはグロスの話でしょ。ネット(純負債)で考えると問題ない」と考えている。つまり、財務省は負債の絶対額だけを見ているが、負債から資産を引いた額で考えることができるというのだ。このネットの額で負債を見ると、日本は日本はカナダに次ぐ健全財政の国ということになる。

2.親中政策から転換

公明党の存在が、中国に対する遠慮につながっていた(媚中)と言われる。例えば、ウイグルでの人権侵害、日本人がスパイ容疑で拘束されたり、南京事件の日に駐在員の子弟が惨殺されたりしても満足に抗議できなかった。多くの国会議員や記者がハニートラップに引っかかっているともいわれる。公明党の離脱で、遠慮する必要がなくなった。

3.再生エネルギーからの方向転換 

太陽光パネルが山を切り開き自然破壊をしながら敷き詰められている。東京都の小池知事は住宅の新設に合わせて、屋根に太陽光パネルを設置するよう条例を定めた。この太陽光パネルのほどんどは中国製である。最初のうちは日本のメーカーが先行していたが、中国製が価格で圧倒し日本製は太刀打ちできない。このパネルは経年劣化し、年月が来ると産業廃棄物になる。また、発電コストが高く、再エネを推進するために「再エネ賦課金」として電気料金に上乗せされている。こうしたデメリットだらけの太陽光パネル推進を止めようとしている。こうした中国製パネルで儲けている国会議員の名前がネットでは簡単に出てくる。

4.馬鹿げたトランプのノーベル平和賞推薦

高市が、トランプをノーベル平和賞に推薦すると言ったことは、会談での唯一の失敗だろう。ウクライナ戦争にしろ、ガザのハマスとイスラエルの紛争にしろ、原因はそもそもアメリカにある。ウクライナ戦争は、アメリカが約束を破ってNATOを東方拡大させてきたからロシアが危機感を抱いたのが原因だし、ガザは根本的に、選民思想のイスラエルが度を越した暴力主義で領土拡大に走ったものであり、世界中がイスラエルを非難する中、アメリカだけが資金源のイスラエルを是認しているからだ。自分が起こした戦争を止めて、ノーベル平和賞をもらうというのはあまりに虫が良すぎる。恥を知れというレベルの欺瞞だ。(というか、ノーベル平和賞自体が特定のプロパガンダである。ノーベル経済学賞も、主流派経済学者であるフリードマンの系譜の学者しか受賞できないし、・・・。)

5.最終ゴール 消費税の全廃

高市の経済政策の成功により、次のステップとして消費税の廃止をしてもらいたい。今回の総裁選の公約では、消費税の減免について触れていなかった。だが、高市は消費税の減免も検討すると言っているのだから。

おしまい

AIの言う「信用創造(通貨発行)」に、親爺がツッコんだら答えが変わった!?

先のブログで、「30年の超長期国債がマーケットの動向から金利が上昇、価格が低下し予定した発行ができない」 と報道され、日本国債の格下げが言われているらしいことに反論した。そもそも変動相場で、自国通貨建て国債を発行できるなら、通貨のデフォルトはありえないから、信用は低下しない。ただもちろん、その国の供給力以上の通貨発行をするとインフレなどの弊害が起こるなどの制限事項はある。

そうしたことをAI(Gemini無料版)と対話していると、信用創造(=通貨発行のことです。)で、AIが妙なことを言う。銀行の行う信用創造は、預金者の預金を元にしているというが、真実は預金を原資にしているのではなく、借り手(債務者)の返済能力だけが与信の判断材料である。

そのやりとりを下に示した。つまり、AIは預金者の預金を元手に、準備率の範囲(=乗数の範囲内)で貸出を行っているというのは古典的な解釈だった、現代の主流的な考え方は「銀行の与信は債務者の返済能力のみに依存し、乗数効果(信用乗数)に関係なく貸出が実行される」と答えてきた。

1.親爺の質問は

【日銀が日銀当座預金を金融機関に貸し付けることで、信用創造しているか】

2.AIの最初の答えは

【日銀が日銀当座預金を金融機関に貸し付ける行為は、直接的には信用創造とは言えません。信用創造とは、民間銀行が預金通貨を創造するプロセスを指します。日銀当座預金は、民間銀行が日銀に保有する決済用の口座であり、民間銀行の信用創造を促進する役割はありますが、日銀自身が当座預金を貸し出すこと自体は、信用創造とは別の金融政策の一環です。

詳細: 信用創造とは: 民間銀行が、預金されたお金の一部を貸し出すことで、世の中に出回るお金の量を増やす現象を指します。例えば、Aさんが100万円を銀行に預金し、銀行がそのうち90万円をBさんに貸し出すと、Bさんの口座に90万円が増え、世の中のお金は100万円から190万円に増えます。これが信用創造です。

3.上記の回答はおかしい。更問をぶつけてみた

【この説明は銀行が預金者の預金を元手に貸出を行っていると読め、間違っている。実際に銀行の与信は債務者の返済能力のみに依存し、乗数効果(信用乗数)に関係なく貸出が実行されると考えるがいかがか。】

4.AIの回答(2回目)は

【ご提示いただいた「日銀が日銀当座預金を金融機関に貸し付ける行為は、直接的には信用創造とは言えません」という説明は、信用創造のメカニズムに関する一般的な理解に基づいていますが、ご指摘のように、現代の金融理論においては、銀行の信用創造が「預金者の預金を元手に」行われるという古典的な乗数効果モデルとは異なる見方が主流になりつつあります。

ご指摘の通り、「銀行の与信は債務者の返済能力のみに依存し、乗数効果(信用乗数)に関係なく貸出が実行される」という考え方は、現代の主流な金融理論に合致しています。これを「内生的貨幣供給論」または「ローン・ファースト(貸出先行)」の考え方と呼びます。

以下にその詳細と、ご提示いただいた説明がなぜ「間違っている」と読めるのか、そして実際の銀行の信用創造のメカニズムについて説明します。

ご提示の説明の「間違い」とされている点

ご提示の説明で「信用創造とは: 民間銀行が、預金されたお金の一部を貸し出すことで、世の中に出回るお金の量を増やす現象を指します。例えば、Aさんが100万円を銀行に預金し、銀行がそのうち90万円をBさんに貸し出すと、Bさんの口座に90万円が増え、世の中のお金は100万円から190万円に増えます。これが信用創造です。」1とある点が、ご指摘の「銀行が預金者の預金を元手に貸出を行っている」と読める部分であり、現在の金融理論から見ると誤解を生みやすい表現です。

この説明は、準備預金制度に基づいた「預金乗数(信用乗数)」の考え方を前提としています。預金乗数とは、銀行が受け入れた預金の一部を準備金として中央銀行に預け、残りを貸し出すことで、最終的に元の預金の何倍もの預金(貨幣)が創造されるというモデルです。このモデルでは、預金がまず存在し、それが貸し出しの「種」となるかのように描かれます。

しかし、現代の金融システム、特に変動相場制の下にある先進国の中央銀行制度では、銀行の貸し出しプロセスは異なります。

内生的貨幣供給論(ローン・ファースト)

内生的貨幣供給論では、銀行の貸し出しは「預金を受け入れてから貸し出す」のではなく、「貸し出しを行うことで預金を創造する」と説明されます。

  1. 貸し出しが先行する: 企業や個人が銀行に融資を申し込む際、銀行はまずその債務者の返済能力、事業計画の妥当性、担保の有無などを審査します。この審査が通れば、銀行は「貸し出し」という形で、借入人の銀行口座に新たな預金(銀行預金は銀行の負債)を創造します。この時点で、銀行は「預金を受け取ってから貸し出す」のではなく、貸し出しと同時に預金を生み出しています。
  2. 準備預金は事後的に調達される: 銀行は貸し出しによって新たな預金を創造しますが、決済を行うためには中央銀行に預けている準備預金が必要になります。例えば、借入人がその預金を使って他の銀行の顧客に支払う場合、その銀行は支払先の銀行に対して準備預金を送金する必要があります。もし不足するようなら、銀行は銀行間市場から他の銀行から借り入れたり、中央銀行から借り入れたりして、必要となる準備預金(日銀当座預金)を事後的に調達します。中央銀行は、金融システムの安定を保つために、通常は銀行が必要とする準備預金を供給します。
  3. 中央銀行の役割: 中央銀行の主な役割は、金利を操作することによって、信用創造の「量」を直接コントロールするのではなく、信用創造の「コスト」をコントロールすることにあります。具体的には、政策金利を設定することで、銀行が準備預金を調達する際のコストに影響を与え、それが貸し出し金利に波及し、最終的に信用創造の意欲に影響を与えます。

したがって、銀行は預金という「元手」がなくても、貸し出しを行うことができます。貸し出しは、銀行が顧客の負債(ローン)を資産に計上し、同時に顧客の預金(銀行の負債)を計上する、という帳簿上の操作によって行われます。

日銀当座預金と信用創造の関係

ご提示の回答にあるように、「日銀が日銀当座預金を金融機関に貸し付ける行為は、直接的には信用創造とは言えません。」2これは正しいです。日銀当座預金は、金融機関が日銀に保有する決済用の口座であり、民間銀行の信用創造を促進する役割はありますが、日銀自身が当座預金を貸し出すこと自体は、信用創造とは別の金融政策の一環です。3

日銀が金融機関に日銀当座預金を貸し付ける(オペレーション)のは、主に金融市場の流動性を調整し、短期金利を誘導するためです。これにより、銀行が貸し出しを行う際の資金調達コストに影響を与え、間接的に信用創造に影響を与えますが、日銀が直接信用創造を行っているわけではありません。

まとめ

ご指摘の通り、「銀行の与信は債務者の返済能力のみに依存し、乗数効果(信用乗数)に関係なく貸出が実行される」という考え方は、現代の金融理論における信用創造の理解に合致しています。銀行は預金を受け取ってから貸し出すのではなく、貸し出しと同時に新たな預金を創造し、その後に必要となる準備預金を調達します。

したがって、ご提示いただいた最初の回答における信用創造の説明は、古典的な預金乗数モデルに基づいているため、現代の金融システムの実態を正確に捉えているとは言えず、誤解を生む可能性があります。】

3.親爺の感想

これまた、AIの回答は肯定できるものだ!素晴らしい!! 主流派経済学では、信用創造を説明する際、銀行へ預金者が全員預金を引き出しに行くことはないので、銀行預金を原資にして一定の率(預金準備率という。)を残して残りを融資できるとし、それを乗数効果として説明する。つまり、この主流派経済学の説では、国が大量の国債を発行する際に、民間預金の残高を取り崩すことになり、金利が上昇する(民間の預金が減少し、企業へ貸し付ける元手がなくなる「クラウディングアウト」が起こる)と警鐘を鳴らしてきた。ところが、そんな現象は全く起こらない。 いい加減な、主流派経済学者たち!!頭を丸めよ!!

おしまい

「30年国債が予定どおり消化できない」という件をAIに聞いてみた。そうしたところ、AIは主流派経済学者よりよっぽどマシだった!

先日、日頃投資をして金融に詳しい知人たち数人で話をしていた。そこで、日銀主導の金利上昇局面で超長期(30年・40年)の国債金利が高騰、価格も下がって、政府は予定どおりの国債発行をできなくなり、国債格付け低下の懸念があると話題になった。 

親爺は、日本の国債は変動相場のもと自国通貨建てで発行されており、需給ギャップが解消されない中、かなりの額の国債を追加発行しても信任低下など起こらないだろう、報道は財務省の流す不正確なデマだろうと思っている。

下は、そうした記事の見出し部分である。こうした見出しが主要メディアに並んでいる。そこで、この件を親爺は流行りのAI(Geminiの無料版)に聞いてみた。AIの答えは、へたな学者が書く文章よりはるかにうまく読みやすく、内容も公平で妥当だ。

ネット記事のスクリーンコピーから

1.親爺のした質問は

30年国債の消化がマーケットの変化により、困難との報道があるが、この原因は日本の財政悪化がもたらす不可避な問題なのか、それとも国債の消化は、自国通貨建て、変動相場制の日本では異常な量の国債発行をしない限り(供給力の範囲内であれば)問題ないと考えてよいか、考えてみてください。また、むしろ、需給ギャップが存在し、民間需要が弱いとときには、政府が国債発行により負債を負うことで国民が資産を手にすることになり、需給ギャップの解消、経済成長できるのではないか。2000文字程度で論じてください。

2.AI(無料版Gemini)の回答は

30年国債の消化が困難であるという報道は、マーケットの変化を示唆していますが、これが日本の財政悪化に起因する不可避な問題なのか、あるいは自国通貨建て・変動相場制の下で異常な量の国債発行をしない限り問題ないのか、さらに需給ギャップが存在する局面において国債発行が経済成長に寄与しうるのか、という点は多角的な検討を要します。

30年国債の消化困難と日本の財政状況

30年国債の消化がうまくいかない状況とは、市場での買い手がつかず、予定通りに発行できないことを指します 11。これは、新規に発行される新発債だけでなく、既に市場で流通している既発債の価格下落や流動性低下にも影響を与える可能性があります 2222。消化が困難となる理由としては、市場の需要不足、将来的な金利上昇懸念、経済状況の悪化、投資家のリスク回避姿勢の高まりなどが挙げられます 3

日本の財政状況は、長年にわたる財政赤字と累積債務の増加という課題を抱えています。しかし、自国通貨建ての国債を発行している日本では、政府が財政破綻する可能性は低いと一般的に考えられています。これは、政府が自国通貨を発行できるため、債務不履行に陥るリスクが極めて小さいという点にあります。日本銀行が最終的な資金供給者(最後の貸し手)として機能し、必要に応じて国債を買い入れることで、国債市場の安定を保つことが可能です。

ただし、30年国債のような超長期債の消化が困難になる背景には、単なる財政状況の悪化だけでなく、以下のような市場メカニズムが働く可能性があります。

  • 金利上昇圧力: 国債の需要が低い場合、国はより高い金利を設定して購入を促す必要があり、結果として金利が上昇する可能性があります 4。これは、国債価格の下落にもつながります 5
  • 財政運営への影響: 国債の消化が困難になると、国は資金調達が難しくなり、財政運営に支障をきたす可能性があります 6
  • 金融政策への影響: 国債の消化状況は、金融政策の運営にも影響を与える可能性があります 7

これらの影響は、日本の財政状況そのものが直接的に破綻するということではなく、資金調達コストの上昇や市場の不安定化といった形で現れる可能性があります。特に、長期金利の上昇は、住宅ローン金利など民間部門の金利にも波及し、経済活動に影響を与える可能性があります。

自国通貨建て・変動相場制における国債発行の意義

自国通貨建て・変動相場制を採用している国では、政府は自国通貨を発行できるため、財政赤字をファイナンスするために必要な資金を「借りる」のではなく、「創造する」ことが可能です。この観点からは、国債の消化問題は、異常な量の国債発行(供給力の範囲を超える発行)をしない限り、本質的な問題とはならないと考えることができます。

現代貨幣理論(MMT)の考え方に近いですが、政府は通貨の発行者であり、財政的な制約は存在しない(資金不足によるデフォルトは起こり得ない)とされます。真の制約は、資源制約、すなわちインフレを引き起こすことなく生産可能な財・サービスの量であるとされます。この理論によれば、政府支出は、インフレを引き起こさない限りにおいて、国債発行を通じて拡大することが可能です。

したがって、国債の消化が問題となるのは、市場が将来的なインフレや財政の持続可能性に疑念を抱き、国債の購入に消極的になる場合です。しかし、変動相場制の下では、通貨の価値は市場で決定され、財政状況が悪化すれば通貨安になることで調整されます。これにより、輸出競争力が高まり、経済成長を促す側面も持ち合わせます。

需給ギャップと国債発行による経済成長

むしろ、需給ギャップが存在し、民間需要が弱いときには、政府が国債発行により負債を負うことで、国民が資産を手にし、需給ギャップの解消や経済成長につながるという見方もあります。

  • 政府の負債は民間の資産: 政府が国債を発行して財政支出を行うことは、民間部門にとっては政府に対する債権(国債)を持つことを意味します。つまり、政府の負債は民間の資産となります。これにより、民間のバランスシートは改善され、消費や投資が促進される可能性があります。
  • 総需要の創出: 需給ギャップが存在する、すなわち経済に余剰生産能力がある状況下では、政府支出の拡大は、その余剰生産能力を活用し、新たな需要を創出します。これにより、企業の生産活動が活発化し、雇用が増加し、所得が増えるという好循環が生まれます。
  • 流動性の供給: 国債は、金融機関にとって安全な資産であり、決済手段としても利用されます。日銀が国債を買い入れる際、その代金は金融機関の日銀当座預金口座に振り込まれます 8888。これにより、金融機関の流動性が高まり、民間への貸し出し余力が増加し、信用創造を促進する可能性があります 9

もちろん、この議論には限界があります。国債発行による財政支出が過度になり、経済の供給能力を超えた需要を生み出すと、インフレーションを引き起こす可能性があります。また、長期的に見て財政の規律が失われると、将来世代への負担が増大するという懸念も存在します。

しかし、デフレが続く状況や低成長が常態化している状況においては、積極的な財政政策が有効な手段となり得ます。政府が国債を発行し、公共投資や社会保障、教育などへの支出を増やすことで、民間が自律的に投資や消費を拡大するきっかけを作り出すことが期待されます。

まとめ

30年国債の消化が困難であるという報道は、日本の財政悪化がもたらす不可避な問題であるとは一概には言えません。自国通貨建て・変動相場制の下では、政府は通貨発行権を持つため、資金調達に本質的な制約はありません。国債の消化問題は、むしろ金利上昇圧力や市場の不安定化といった形で現れる可能性があります。

一方で、需給ギャップが存在し、民間需要が弱い局面においては、政府が国債発行により負債を負うことは、民間の資産を増やすことにつながり、総需要の創出、ひいては経済成長を促す有効な手段となり得ます。ただし、この政策はインフレ率や供給能力とのバランスを慎重に見極める必要があります。

したがって、日本の30年国債消化問題は、単に財政悪化の結果と捉えるのではなく、現在の経済状況における金融政策と財政政策のあり方を議論する上で重要な指標と捉えるべきでしょう。政府と日本銀行は、市場の動向を注視し、経済全体のバランスを考慮した上で、適切な政策運営を行うことが求められます。

3.親爺の感想

AIの回答は素晴らしい!! 現状の経済学は、様々な主張が並立して学者たちは決定的な答えを言えないでいる。しかし、経済の行方に主流派と言われる学者たちが大きな発言力をもっているが、現実にそぐわず説得力がない。「30年間ずっと『オオカミ少年』と言われてきたが、オオカミ少年をやめない。」と、開き直る始末だ。主流派経済学者たちは、自己の間違いを認めるべきときだ。

AIのやり取りでは、他にも興味深いものがいろいろあった。以下がその例である。

日銀が金融機関に日銀当座預金を貸し付けるときの簿記の仕訳を聞いたら、【金融機関側では「借方:日銀当座預金、貸方:借入金」または「借方:日銀当座預金、貸方:短期借入金」となります。日銀側では「借方:貸付金、貸方:日銀当座預金」または「借方:短期貸付金、貸方:日銀当座預金」となります。】と正確に答えてくる。また、日銀が市中の国債を引き受けるのは、禁じられている「財政ファイナンス」にならないのかについては、【財政法は、日銀が直接国債を引き受けることを禁じていますが、金融機関が保有する国債を日銀が買い入れることは、市場での取引として行われます。】と返してくる。つまり既発債は合法ということだ。

他に信用創造については、次のように返してくるのだが、この答えは明らかに間違っている。これについては、AIに「・・・・、間違っているんじゃないの?」と問いかけたら、間違ってましたとの答えが返ってきた! このことについても、面白い現象だと思うので、このことは次のリンクをクリックしてください。https://brasileiro365.com/2025/07/14/ai%e3%81%ae%e8%a8%80%e3%81%86%e3%80%8c%e4%bf%a1%e7%94%a8%e5%89%b5%e9%80%a0%ef%bc%88%e9%80%9a%e8%b2%a8%e7%99%ba%e8%a1%8c%ef%bc%89%e3%80%8d%e3%81%ab%e3%80%81%e8%a6%aa%e7%88%ba%e3%81%8c%e3%83%84%e3%83%83/

  • 信用創造とは:

民間銀行が、預金されたお金の一部を貸し出すことで、世の中に出回るお金の量を増やす現象を指します。例えば、Aさんが100万円を銀行に預金し、銀行がそのうち90万円をBさんに貸し出すと、Bさんの口座に90万円が増え、世の中のお金は100万円から190万円に増えます。これが信用創造です。

4.添付ファイルについて

最後に添付したファイル「30年国債の消化が思わしくない件」は、親爺が最初にAIに質問したものとその答えだ。こちらは、短いのでもっと読みやすい。

おしまい

「西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか」 エマニュエル・トッド その2

エマニュエル・トッドは、確実に「西洋は敗北」すると予言する。世界は、アメリカがリードする形で、戦後80年が経過した。しかし、アメリカがリードしてきた西洋は、自由と平等、民主主義を価値の中心に置き、この30年間、それを実現する方策はグローバリズムと新自由主義だと言ってきた。しかし、30年が経った今、その価値観は世界のどこでも実現せず、経済格差は以前より激化した。数年前、世界のトップ8人の所得が、地球全体の6割の人口の所得に等しいと言われていたが、格差はさらに拡大している。世界の紛争・戦争は亡くならならない。そうした反省から、グローバリズムが失敗だったという勢力と、相変わらずグローバリズムを続けたい勢力の戦いが、アメリカの大統領選挙だった。 今や、世界全体は、日本、韓国を含む西洋とそれ以外の国々に分かれ、中近東のイスラム国や、インドネシアがBRICSに入るようになっている。

そこで、エマニュエル・トッドは、この西洋の側が敗北するだろうと予言する。トランプ大統領は、果たしてどこまでこの敗北を阻止できるのか、というのが現下の最大の関心事である。 以下は、この本からの引用である。

2-1「ガス抜きをして米国経済の虚飾を正す」

「2023年1月から6月にかけて、ウクライナが必要とする兵器をアメリカが生産できないでいることを多くの研究者が明らかにした。これらの研究は、クレムリンに近い小団体などではなく、アメリカ国防総省や国務省から資金提供を受けているさまざまなシンクタンクが公表したものである。世界一の大国が、なぜこれほど馬鹿げた状態に陥ってしまったのか。・・・・」

「徹底的な批判を始める前に、公平さを保つためにまずアメリカ経済の議論の余地のない強みを指摘しておこう。近年、最も重要な技術革新がシリコンバレーからもたらされたことは論を俟たない。・・・これも近年のことだが、アメリカの石油、特に天然ガスの生産国としての復活も私たちは目の当たりにした。1940年に日量400万バレルだったアメリカの石油生産量は、1970年には960万バレルまで上昇し、2008年には500万バレルに落ち込んだが、戦争直前の2019年には、水圧破砕技術のおかげで1220万バレルまで達している。主要輸出国ではないが、アメリカは石油の純輸入国ではなくなったのである。 ・・天然ガスも同様で、アメリカはロシアに次ぐ天然ガスの輸出国である。・・

「戦争のおかげで、特にロシアからの天然ガス供給を突然遮断されたヨーロッパの同盟諸国に供給できるようになったアメリカは、世界最大の液化天然ガスの輸出国となった。エネルギー分野は、この戦争の明らかな不条理の一つを浮き彫りにしている。アメリカの目的は、ウクライナを守ることなのか。あるいはヨーロッパと東アジアの同盟国を支配し、搾取する事なのか。

「GAFA、天然ガス、シリコンバレー、テキサスというアメリカ経済の強みは、人間の活動範囲の両極端に位置している。プログラミングのコードは「抽象化」に向かうが、エネルギー資源は「原材料」である。この両端の間にこそ、アメリカ経済の弱みと困難さがが存在する。つまり、モノの製造、伝統的な意味での「工業」に当たる部分である。NATOの標準兵器である155ミリ砲弾すら十分に生産できないという極めて陳腐な事態を通じて、この戦争が明らかにしたのは、アメリカに産業基盤が欠落していることである。さらに種類を問わず、いかなるミサイルも十分に生産できなくなっていることが少しずつ明らかになった。」

「物事の正体を暴く戦争は、私たちの(そしてアメリカ自身の)アメリカに対する認識とアメリカの真の実力とのギャップを明らかにしたのである。2022年、ロシアのGDPは、アメリカのGDPの8.8%(ベラルーシと合算すると、西洋陣営のGDPの3.3%)でしかなかった。GDPで見れば、ロシア側をこれほど圧倒していたにもかかわらず、なぜアメリカはウクライナが必要とする砲弾すら生産できなくなってしまったのか。

2-2「米国産業の消滅」

「アメリカ自身によって進められたグローバル化が、アメリカの産業覇権を根底から覆した。1998年、アメリカの工業生産高は世界の44.8%を占めていた。しかし2019年には、16.8%に落ち込んだ。同時期にイギリスは、9.3%から1.8%に減少した。・・・中国は、2020年に28.7%まで増加。ロシアに関する比較可能な統計の少なさを鑑みると、アメリカのある種の航空機が獲得しようとしている「ステルス性能」をこの国の産業が手にしてしまったかのようだ。ロシアはアメリカに対する究極の武器「ステルス産業」なるものを作り上げ、不意打ちを喰らわせたと言えるのではないか。

「グローバル化した世界における「物理的」なパワーバランスをよりよく評価するために、「工業の中の工業」としての工作機械の生産を見てみよう。2018年、中国は世界の工作機械の24.8%を製造し、ドイツ語圏は21.1%、日本は15.6%、イタリアは7.8%、アメリカはわずか6.6%、韓国は5.6%、台湾は5.0%、インドは1.4%、ブラジルは1.1%、フランスは0.9%、イギリスは0.8%だった。わたしは統計の中にロシアを探すことは諦めざるを得なかった。「ロシアが見えない」ことは、想像以上の数値を疑わせるのに十分である。

「モノの製造におけるアメリカの衰退は農業にも見られる。メキシコとカナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)が1994年に発効されて以降、アメリカの農業は「集中」、「専門化」、「衰退」のプロセスをたどった。第1章では小麦の生産に言及したが、ロシアは2012年に3700万トンだったのが、2022年には8000万トンに達したのに対し、アメリカは1980年に6500万トンだったのが、2022年には4700万トンに減少した。全体としてみれば、かつてアメリカは農産物の一大(純)輸出国だったが、現在はかろうじて輸出入の均衡を保っているにすぎず、むしろ赤字に傾きかけている。今後も人口増加が見込まれることから、10年から20年以内に輸入国に転落するのはほぼ確実だろう。」

2-3 虚飾のGDPという指標(「米国のRDP(国内実質生産)」から)

「アメリカのGDPは、効率性、さらには有用性の不確かな「対人サービス」がその大半を占めている。医者(オピオイド(麻薬)の件では殺人者となる)、法外な高給取りの弁護士、略奪的な金融業者、刑務所の守衛、インテリジェンス関係者などがそこに含まれる。2020年アメリカのGDPは、この国の1万5140人もの経済学者の仕事を付加価値として計上していたが、そのほとんどが虚偽の伝道者であるのに、平均年棒は12万1000ドル(=1900万円)にも達している。真の富の生産にはつながらない。このような寄生集団の活動を取り除いた場合、アメリカのGDPは果たしてどの程度になるのか。」

ここで、トッドは、GDPから生産されない金額を除くRDP(Real Domestic Product)の思考実験をしている。GDPから、なに物も生産しないウォール街の金融業者の報酬、高額な弁護士収入、役に立たない経済学者の給料、アメリカ国民の平均余命が低下しており、過大評価されている医療費などを減じると、一人当たりRDPは、西ヨーロッパ並みの40,000ドルになるという。これは乳幼児死亡率の順位と一致し、ドイツが1位、アメリカが最下位になるという。

トッドの指摘は、つづきます。 

おしまい

「西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか」 エマニュエル・トッド その1

親爺はエマニュエル・トッドの本が大好きで、かなりかぶれている。彼は、ソ連崩壊、リーマンショック、アラブの春、ブレグジット、第1回トランプ当選を予言した歴史人口学者・家族人類学者である。親爺は、昨年11月に発刊された「西洋の敗北」を紹介しようと思う。これは彼の著作の中でも、もっともストレートな表現で書かれており分かりやすい。しかし、15カ国で翻訳されているにもかかわらず、英語版だけは出版されていないという、過激で説得力のある内容であり、今後世界に何が起こるのかの預言書である。そして、その予言は、西側諸国にとって極めて悲観的である。

まずは、この本のアマゾンのコピーを載せる。その後、親爺の感想を述べる。

1.概要(アマゾンのコピー)

ロシアの計算によれば、そう遠くないある日、ウクライナ軍はキエフ政権とともに崩壊する。
戦争は〝世界のリアル〟を暴く試金石で、すでに数々の「真実」を明らかにしている。勝利は確実でも五年以内に決着を迫られるロシア、戦争自体が存在理由となったウクライナ、反露感情と独経済に支配される東欧と例外のハンガリー、対米自立を失った欧州、国家崩壊の先頭を行く英国、フェミニズムが好戦主義を生んだ北欧、知性もモラルも欠いた学歴だけのギャングが外交・軍事を司り、モノでなくドルだけを生産する米国、ロシアの勝利を望む「その他の世界」……
「いま何が起きているのか」、この一冊でわかる!

・ウクライナの敗北はすでに明らかだ
・戦争を命の安い国に肩代わりさせた米国
・ウクライナは「代理母出産」の楽園
・米国は戦争継続でウクライナを犠牲に
・米情報機関は敵国より同盟国を監視
・NATO目的は同盟国の「保護」より「支配」
・北欧ではフェミニズムが好戦主義に
・独ロと日ロの接近こそ米国の悪夢
・ロシアは米国に対して軍事的優位に立っている
・モノではなくドルだけを生産する米国
・対ロ制裁でドル覇権が揺いでいる
・米国に真のエリートはもういない
・米国に保護を頼る国は領土の20%を失う
・日独の直系社会のリーダーは不幸だ
・日米同盟のためにLGBT法を制定した日本
・NATOは崩壊に向かう 日米同盟は?

2.親爺の日ごろの疑問や問題意識

親爺は明らかに日本はおかしい、変調していると思っている。世界の中で日本だけがまったく経済成長しないことが第一であるが、毎日起こる殺人や傷害事件、若年者の自殺も昔はここまでなかった。昨年、能登で地震が起こり大災害で、秋には水害も起こった。同じ時期に、台湾で同じ規模の地震が起こり、こちらは回復しているだろうが、両者の対比は一向に報道されない。

他にもいろいろある。カルロス・ゴーンに刑務所から逃げられ、逃げた理由は日本の司法制度の下で無罪になることはまったく期待できないからだという。昨年、羽田空港で自衛隊機と民間ジェット機が滑走路上で衝突したが、管制官を含め原因がはっきりしない。ゴーンにしろ、航空機事故にしろ、こういうことが日本の信用を失墜させるんだよなと思っていた。

BBCの放送が契機(BBCより先にこの問題をガーシーがYOUTUBEにアップしていた)で、ジャニー喜多川氏の少年たちへの性犯罪が常習的に行われていたことが明らかになった。ところが、同じ穴のムジナのテレビ局はジャニーズ事務所だけの問題として、自分の責任を一切、報道しなかった。東京都知事選では、SNS人気を足場にした石丸信二氏が、オールドメディアの予想を覆し、蓮舫氏を押さえ2位に入った。名古屋市長選では、自民、立憲、公明、国民が押した候補が、オールドメディアの圧倒的な下馬評を覆し、日本保守と「減税日本」が押した前副市長に敗れた。さらに兵庫県知事のパワハラ疑惑による出直し選挙では、背後に反知事派県議と職員が企んだクーデターがあったという情報を立花隆氏がYOUTUBEで流し、オールドメディアが思いもよらないほど予想を覆し、斎藤知事が再選した。

今は中居正広氏が、フジテレビの女性社員相手に性加害を起こし、慰謝料9千万円を支払ったと明るみに出た。この事件は、フジテレビ幹部社員のお膳立てで、会社ぐるみだと週刊誌が報じた。多くの人が、テレビがジャニーズ事件で自分を反省しなかったのは、女衒のようなことをしていたからだと思った。フジテレビは物言う外人株主(アクティビスト)の要請に応え釈明会見をしたが、多くのスポンサーが降り存亡の危機にある。中井氏は芸能生活からの引退を表明した。ここでも、フジテレビ以外の放送局は同じ穴の狢でありながら、フジテレビだけの責任というスタンスで放送している。

親爺は、日本中がいつの間にか総不道徳、総無責任、おまけに知的レベルも下がったと思っている。ところが、この「西洋の敗北」を読むと、こうした道徳の喪失、責任感の喪失は、日本だけじゃないんですね。西洋の世界で広く起こっている「自分さえよければいい」という事態が広がっているということが分かる。

2.1 ウクライナ戦争に関する10の驚き

エマニュエル・トッドは、ウクライナ戦争について驚いたことを10個上げている。そのいくつかを紹介したい。

1.1991年12月、ソ連議会がソ連という国の「消滅」宣言をした。連邦を構成する共和国が独立し、ウクライナも独立を宣言した。その後は、人口流出と出生率の低下で5,000万人のうち1,100万人の人口を失い、オルガルヒ(少数富裕層権力者)に支配され、常軌を逸した汚職水準にあり、国家も国民も売りに出されているような状態の「破綻国家」だった。ウクライナ戦争前夜、この国は安価な「代理母出産の地」になっていた。だれも予想できなかったことに、ウクライナは戦争そのものに自国の生存理由と生存の正当性を見出した。

2.敵対する二国がアメリカとロシアだった。アメリカは10年以上、アメリカにとって主な敵国は中国だと示していた。ところが、アメリカ以外の国に住む我々が立ち会っているのは、ウクライナを介したアメリカとロシアの対立である。

3.西洋諸国は経済制裁にSWIFTから排除することで、ロシアがすぐに降参すると考えていた。SWIFTは、世界貿易の決済に使われる通貨の相互送金システムである。ところが、ロシアはクリミア戦争を契機に西側にG8から追い出されるとともに、経済制裁された2014年以来、独自の通貨交換システムを作っていた。SWIFTからの排除という制裁は、西側諸国が考える効果がなかった。

4.20年前のイラク戦争では、ドイツ、フランス、ロシアがアメリカに対し異議を唱えた。しかし、ウクライナ戦争では、エネルギーをはじめとする貿易パートナーであるロシアを切り離すという激しいペナルティを西欧自身に課した。とくにドイツは、アメリカとノルウェーによる天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」の破壊を抵抗もせずに受け入れた。

5.最大の驚きは、圧倒的な軍事大国と思われてきたアメリカが、ウクライナに対し砲弾をはじめ、何も確実に供給できなくなっていることだ。GDP比で、西洋諸国(アメリカ・カナダ・ヨーロッパ・日本・韓国)の3.3%しかないロシア・ベラルーシの方が、兵器を生産する力がある。これは、物資不足でウクライナが負けることと、GDPの概念が時代遅れであることを意味し、見直さなければならない。つまり、政治経済学のインチキである。

6.西洋の思想的孤独と、自らの孤立に対する無知である。この戦争が始まったとき、西側諸国は世界中が自分たちの味方になるだろうと思っていた。開戦1年以上の間、中国すら味方になると期待していた。ところが、中国はロシアにつき、インドは関与を拒否した。イランはすぐさまロシアにドローンを供給し、EU加盟国のトルコはロシアと密接な関係を築こうとしている。イスラム諸国もイデオロギー上の敵国より、経済的な協力国とみなしていることがはっきりしてきた。

7.西洋はロシアに攻撃されているのではなく、むしろ、自己破壊の道を進んでいる。われわれは、グローバリゼーションが完成し、最高潮に達し、完了した時代を生きている。(加えると、トッドはグローバリズムに批判的な立場である。)地政学的にロシアをみると、人口が減少傾向で、国土が広すぎるため、ロシアは地球全体のコントロールするのは不可能で、望んですらいない。ロシアは通常規模の勢力で、その発展には何の謎もない。ロシアのいかなる危機も、世界の均衡を脅かすことはない。ロシアではなく、西洋の危機、とりわけアメリカの末期的な危機こそが地球の均衡を危うくしている。その危機の最も外部の波が、古典的で保守的な国民国家ロシアの抵抗の壁に突き当たったというわけだ。

2.2 米国経済の虚飾へ

次のリンクをクリックしてください。https://brasileiro365.com/2025/02/15/%e3%80%8c%e8%a5%bf%e6%b4%8b%e3%81%ae%e6%95%97%e5%8c%97%e3%80%80%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%a8%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ab%e4%bd%95%e3%81%8c%e8%b5%b7%e3%81%8d%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b%e3%80%8d%e3%80%80-2/

おしまい

(リライト)日本政府の借金は1200兆円。なぜお金を刷って返済しないのか?また、60年国債償還ルールは? その1

——- 2024.11.21 一部書き直しました

これは、いかに世間がひろく誤解しているかという例だ。たまたま、見つけたものだが、立命館大学経済学部が作成したものだが、名のとおった大学の経済学者と言われる立派な人たちの、見事な間違いに驚かされる。

http://www.ritsumei.ac.jp/ec/why/why02.html/

結論のところは書かれていないようだが、書きぶりから、設問自体矛盾していておかしい。負債を負債で返せないからだ。お金を刷ったら、また負債が増えます。たとえ国債が借金だとしても、借金は借金で返せません! 経済学者を名乗る人は、まず簿記を勉強する必要があります。(言っときますが、政府の「負債」が1,200兆円であることは間違いないものの、国民の借金ではありません。国債の残高はどの国も増えていくものです。あたかも、国民のお金を集めて返さないといけないと誘導する意図を感じる設問ですが、政府の「負債」と、民間が持つ「負債」と意味が違うことを理解しなければなりません。)

《結論》

タイトルに対する結論を先に言うと、国債発行は、例え赤字国債の自転車操業をしていても返済する必要はないし、どこの国もやっていない。日本でも、国債の償還期限が来ると借換債を発行して償還を先延ばししている。「永久債」にしようと言われるのは、このためである。ところが、財務省は残高を実際に減らそうとするために、「国債の発行は子孫につけを残す。」というデマを流し、マスコミがこれに追随するので、国債発行が良くないと多くの国民が信じている。

国債発行は、、経済成長するために必要な、政府が供給すべき通貨供給であり、どこの国でも残高が積みあがっていくものだ。日本政府がこれをしないから、日本はパイが増えるような経済の成長ができない。給料も上がらないし、技術革新もできないので、ずっとパイの奪い合いをしている。

なぜこんな事態になったのか。それは、主流派の経済学者が、金本位制を止め、管理通貨制度に貨幣制度が変わった時に、古い貨幣観を改めなかったからだ。

具体的に言えば、1971年、アメリカの財政赤字、経常収支の赤字が増大してインフレが進行、アメリカはドルと金の兌換停止に踏み切り(ニクソン・ショック)、これをもって金と通貨の関係は完全に切り離され、国際的にも管理通貨制度へ移行した。この時には、従来の学説を見直すべきだった。

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まず、市中に出回るお金は、市中銀行が生み出しているという話と、市中銀行は日銀から日銀当座預金というお金を作ってもらっているという話をする。どちらも通貨発行(信用創造=Money Creation)である。

《財務省のウソ》

財務省は、国債の残高が1,200兆円あり、国民一人当たり1,000万円の借金になるというような説明をし、国民に日本が破綻するのではないかという不安をまき散らしている。ところが、この説明は通貨発行の仕組みを正しく理解していないデマだ。おかげで、われわれ国民は政府にお金がないんじゃ仕方がないかと、お金のいることをあきらめてきた。だが、そんなことは決してない!!

《通貨発行のプロセス、経緯》

通貨発行(信用創造)は、次のマネーストックとマネタリーベースの2段階で行われる。

● マネーストック

マネーストックの正体は、市中銀行の貸し出しである。個人が家のローンを借りるときや、民間企業が設備投資のために借り入れを行うが、市中銀行による信用創造(通貨発行)そのものである。この信用創造は、借り手に返済能力さえあれば無限に実行できる。

こうして市中銀行の信用創造(通貨発行)は、借り手が新たに借りると増え、返済されると消滅する。

バブル崩壊時の1993年に、アメリカのウォール街の圧力でBISルール(自己資本比率)が変更され、市中銀行の資本比率が引き上げられた時、「貸しはがし」が大々的に起こった。この貸しはがしなどが起こると、市中で流通する通貨量が急激に減少するので、バブル崩壊をひき起こしたのは当たり前である。

マネーストックは、金融機関(市中銀行)が世の中に供給したお金のことで、具体的には、企業や家計、地方公共団体などの経済主体が保有する現金や預金の残高のことを言う。(ここには、日銀と市中銀行が持つマネタリーベースは含まれていないので注意。)

● マネタリーベース

どこの国でも同じ(銀行制度はユダヤ人たちが作ったから)なのだが、お金が発行されて市中に流通する仕組みは、中央銀行が金融機関に対し、お金を供給する仕組みがあり、これをマネタリーベースという。具体的には、紙幣、コインおよび(日銀)当座預金の合計をいう。

リアルな紙幣とコインは2割弱しかない。残る8割強は、単なる字デジタルデータである。黒田総裁の登場で、日銀は異次元の量的緩和を行い、日銀当座預金を爆増させた。この日銀当座預金は、市中に直接流れず、マーケットに影響を与えないことに注意が必要である。黒田日銀総裁は、量的緩和により民間企業の投資の呼び水なることを考えていた。

この日銀当座預金は、① 日銀と市中銀行の日々の銀行間決済 ② 市中銀行の預金の準備金の積み立て義務(市中銀行は預金残高の2%ほどを日銀当座預金に積み立てる義務がある。) ③ 日銀による信用創造(通貨発行)に使われる。通貨発行は、日銀、市中銀行ともに、負債(借入金)と資産(貸付金)という債権債務の貸借関係により、行われる。

信用創造の大きな目的は、政府が国債を発行する際、日銀は市中銀行に対しあらかじめ、信用創造を行い、市中銀行の日銀当座預金を増やすということをする。こうして増加した財源を使って、市中銀行は国債を買い入れる。 原則的に日銀当座預金は金利ゼロなので、市中銀行は利息が付く国債を必ず引き受けて保有する行動をとる。(現在は余りに低金利で、銀行救済のために一部分付利している。)

マネタリーベースの増加は、市中の通貨流通量を増やさないものの、市中銀行のバランスシート(貸借対照表)を大きくする効果があり、マーケットのマインド(期待)を変え、市中銀行から民間企業への貸し付けの増加(=マネーストックの増加)を狙ったものだった。しかし、デフレマインドが解消されない、少子化が進む、技術革新がなかなか日本でないことなどなどで、民間企業は銀行から借り入れを増やさなかった。

下に張り付けた表が1970年から2020年までのマネーストック、マネタリーベース、GDPの推移である。この表を見ると、黒田日銀総裁が就任した2012年から、『異次元の量的緩和』が行われ、日銀から金融機関へマネタリーベースを爆増させたことが分かる。

また、マネタリーベースを爆増させたにもかかわらず、赤色のマネーストックは、伸び率がぜんぜん変わらないのが分かる。つまり、日銀の異次元の量的緩和にもかかわらず、市中に流通している通貨量の増加分の速度は増えなかった。日銀当座預金が『ブタ積み』になっただけだった。

補足すると、GDPで表される経済の大きさは、年々、大きくなって当たり前だ。毎年同じなんて国は、日本以外にない。テレビは、毎年、「過去最高額の予算が編成されました!」と非難めいたことを言うが、増えるのが自然である。

日銀のホームページから
日銀のホームページから
黒い線が日銀が金融機関へ供給したお金、赤い線が金融機関から世間へ供給されてた通貨の総量。赤線は、黒線ほどには増えていない。

上記の説明を理解していただくために、分かりやすいと思い、日本証券業協会のHPから図を下にコピペさせていただきました。

https://www.jsda.or.jp/gakusyu/edu/web_curriculum/images/mailmagazine/Vol.51_20180201.pdf から

簿記で《通貨発行のプロセス》を説明してみる

1.BさんがマイホームのためにA銀行から3,000万円を借入

A銀行     (借方)貸付金 3,000万円 (借方)預金 3,000万円

Bさん     (借方)預金 3,000万円 (借方)借入金 3,000万円

(説明)Bさんが、A銀行から3,000万円のローンを借りるとき、A銀行は《貸付金》3,000万円という資産をもち、負債である《預金》3,000万円を計上する。この《預金》3,000万円は、A銀行が、Bさんから返済を受けられず負債が焦げ付いたとき、社会に対し、弁済(返済)する責任の意味合いがある。返済されなかった場合には、《損金処理》や《引当金償却》などの処理をA銀行がする必要がある。Bさんは、ローンの実行により、資産である《預金》3,000万円を手にすると同時に、返済義務である《借入金》3,000万円という債務を背負う。 こうしたことは、大企業でも全く同じだ。銀行が通貨発行し、債務者は貸し出しを受け、そのお金が日本中で使われれば、日本の景気は良くなっていく。

これが銀行による通貨発行(信用創造)だ。市中銀行は、預金者から集めた預金を原資に貸付していない。借主の返済能力を審査したうえで、返済能力があると判断すれば貸出実行、すなわち通貨発行する。

2.日銀の通貨発行 (日銀がA銀行に1,000億円通貨を発行する)

日銀(A銀行に対し)(借方)貸付金1,000億円 (借方)日銀当座預金1,000億円

A銀行(日銀に対し)  (借方)日銀当座預金1,000億円 (借方)借入金1,000億円

(説明)日本が、A銀行に1,000億円の通貨発行をする場合を考える。

このとき、当たり前なのだが、通貨発行を無から有を生む打ち出の小槌のように言うことがあるが、日銀が市中銀行にお金をくれてやるのだはなく、お金の賃貸借である。市中銀行は(日銀)当座預金という「資産」を手にする代わりに、「借入金」という負債を負う。日銀は「貸付金」という資産と、(日銀)当座預金という「負債」が計上される。(貸出し銀行にとって、お金の貸付は負債になる。)

日銀は、《負債》である《日銀当座預金》1,000億円計上することで、A銀行の《日銀当座預金》1,000億円という《資産》を与える。その時、無条件に《資産》を与えるのではなく、日銀には《貸付金》という債権、A銀行は、《借入金》という借金返済の債務を負う。

黒田総裁は、異次元の量的緩和と称し、強力にマネタリーベースという日銀と市中銀行の資金量を爆増した。このマネタリーベースを増やすことが、市中銀行の民間への貸し出しを増やすと考えたからだ。もちろん、これは成功しなかった。民間企業は市中銀行から借金をせず、景気は良くならなかった。

国債を発行するとき、日銀が銀行にお金を用立て(貸付け)ている!!

長くなったが、国債発行は、民間の借金とは性格がまったく違う。償還時期が来たら借り換えている。政府と日銀は、個人や民間企業とは全く違う。市中銀行や金融機関に対し日銀が通貨発行し、その市中の金融機関がマネーストックという形でさらに通貨発行し、それが血液のように循環することで、景気は正常に回る。

————————————

今、防衛費の増額を契機に、増税議論が激しくなっているが、財政拡大派の議員たちは、日本にしかやっていない「国債60年償還ルール」を止めろと財務省に要求している。

日本には、国債発行して60年経ったらそれを予算を使って消去するという実際にはやっていない、今年度の予算であれば16兆円を償還のための予算を計上している。このために、当然、予算編成が苦しくなり、その結果として増税議論が出てくるのだが、実際に諸外国と同様にやっていない償還費を毎年計上しているのが、そもそもおかしい。有名無実で害しかないこの措置を止めろと財務省に要求するのだが、財務省は「国債の信任が下がらないよう・・・」ともごもご言い、譲らない。

このあたりは、また後日書きます。

財務省のHPから

おしまい

羽田空港 《いいかげんな日本のテレビ》海外の報道と衝突炎上事故の犯人さがし

2024年元日に、北陸で震度7の大地震が起こった。2日には、羽田空港の滑走路上で、海上保安庁のプロペラ機が日航のエアバス機と衝突、爆発炎上した。日航機の乗員乗客は、幸い無事に脱出できたが、どちらも悲惨な大災害、大事故であり、被災者の方や死亡者の方には言葉もない。

このどちらも、海外でも大ニュースとして報道されている。親爺が思うには、海外のニュースの取り上げ方は、日本よりはるかに客観的に事実を見て、詳しい。日本のテレビの報道は、あまりに一部だけを切り取って感傷的で漠然としており、延々と繰り返すばかりである。

元日におこった北陸の地震は、未だに被災状況の詳細が分かっていない。

海外の報道の切り口は、現在の建築基準法の耐震基準を満たしていない古い木造住宅でとりわけ倒壊の被害が大きく、冬の寒い中、多くの人々がホームレスになって、救援の手がとどかず人命の危機ではないかと放送している。つまり、日本という国が、どのように対処するのか注目している。

羽田の衝突事故は、日航機の乗客と乗員は無事だったものの、海上保安庁のプロペラ機は乗員5名が死亡、パイロットが重症になるという痛ましい事故だった。こちらも、海外のメディアは盛大にこれをとりあげている。こちらは、エアバスの乗員の活躍で、乗客乗員全員が奇跡的に助かったと称賛しているのは間違いない。

しかし一方で、このような過密ダイヤで、離着陸が難しい空港で、このような「ヒューマンエラー」が原因と思われる大事故が起こったのか、それも先進国といわれた日本でなぜ起こったのか、かなり懐疑的に報道されている向きがある。日航機には、コックピットに3人の操縦士がおり、海保機には操縦士が2人いた。世界各国は他国のことを露骨に非難しないが、日本がどのように対処するのか、注目しているのは間違いない。(現に正月以来の株価は、軟調である。)

France 24から

この航空機事故では、きょう(1月6日)の段階では、テレビは、海上保安庁の機長が、管制塔から誘導路で待機する指示を、滑走路の中で待機すると勘違いしたのが事故の原因で、警察が業務上過失致死で捜査していると報道されていることが多いようだ。

ところが、深田萌絵さんの動画では次のことを指摘されている。

  • ① 実際に管制塔と海保機で交わされた英語(”Taxi to holding points C5”(誘導路C5で待機しろ)と”Taxi into holding points C5”(C5滑走路で待機しろ)という表現は、紛らわしいので、国際的には変更されて使われてない表現である。最新の言い方は、”Hold short of “(~の手前で待て)をつけて言う。
  • ② 海保機には、最新のトランスポンダー(1秒ごとに自機の位置、高度を発信して周囲の航空機に知らせる装置)が装備されていなかった。これがあれば、着陸してくる日航機も滑走路上の海保機に気付く可能性があった。
  • ③ 管制塔にレーダー監視員がいなかった。管制塔のレーダーには滑走路に入った航空機を識別できた。
  • ④ 空港のストップライト(離陸許可が出た航空機に、地面に設置されたライトの列が航空機を滑走路に誘導する装置)が、昨年暮れから故障していたが、修理されていなかった。

同様なことを指摘しながら堀江貴文氏は、この事故を運輸安全委員会ではなく、警察が取り調べを始めていることに、原因が正しく究明できないのではないかと危惧されている。運輸安全委員会では、発言内容が法的に免責されるので正直に話すが、警察の取り調べは、刑事責任を問われる可能性があるため、正直に話さないだろうという。関係者が正直に話して、事故原因を正しく知るということが、犯人捜しより大事なことは言うまでもない。

おしまい

日本経団連十倉会長 財務省に踏み絵を踏まされ宗旨変え

(2023/9/17 夜) 一部表現を修正しました。

消費税反対映画「君たちはまだ長いトンネルの中」ぜひ見てください!
踏み絵を踏んで転んだ十倉会長

親爺は、経団連の会長が変わった時、結構まともなおじさんが会長になったと喜んでいたのだが、会長になったのが2021年6月なので15カ月。すっかり、変身してしまわれた。残念である。

会長になられた当初は、政府は積極財政へと舵を切り、勤労者の賃金を上げて日本全体の需要の喚起が重要だという趣旨のことを言っておられた。

ところが時間が経つにつれ、財務省のレクチャーなどで、宗旨変えを余儀なくされたということだと思う。というのは、経団連の会長というのは、《日本株式会社の総本山》、《重厚長大株式会社連合の元締め》のようなものであり、《日本の屋台骨を支える会社連合》のトップである。そこが、財務省から「法人税を下げてやる。その代わり消費税増税に賛成しろ。消費税を増税しても、価格に税を100%転嫁できる大企業は、何も困らないぞ。困るのは、100%転嫁できない中小企業らだ。あいつらはもし赤字でも、消費税を借金してでも納税しないとならないんだ。ところがお前らは、何も困らないぞ。それどころか、外国と違って社会保険料に消費税を使える日本は、社会保険料の労使折半でやっている事業主負担がこれ以上、上がらなくてすむぞ。だから、消費税増税に賛成しろ。日本全体の景気が悪くなってもいいだろ、お前のところは得するんだから。」と説得されたにちがいない。

消費税は、もともとフランスで導入されたのが起源だ。消費税(つまり、売上税、付加価値税と一緒と考えて良い。)は、《輸出企業への奨励金》を与える方策として考え出された。つまり、消費税の納税額は、売り上げに含まれる消費税と事業をするために支払った消費税の差額を納税する仕組みである。一般の企業は、黒字なので売り上げで入ってくる消費税より、その事業をするために支払った消費税の方が小さいので、この差額を納税することになる。

この仕組みでは、海外に輸出する製品の場合に、売り上げに伴う消費税はゼロなのに対し、事業をするために支払った消費税は当然あるので、この額を税務署が還付してくれる。この還付額が、自動車業界だけで年間6兆円(日本政府が受け取る消費税の税収の合計は20数兆円/年である。)ほどになるとか聞いたと思う。

つまり、消費税の導入自体の大きな目的が、海外貿易でWTOが禁止する各国政府による輸出奨励金を払うことが禁じられていることへの抜け道をつくることにある。

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ここで、ずっと増え続けている非正規社員が企業にとって消費税法上も有利で、正社員より非正規社員を増やす動機になっているということを書きたい。消費税の別の問題点を具体的に見たい。納税額の計算方法は、次の式で表される。

(売り上げー事業に支払った経費の合計)×消費税率=消費税の納税額・・・①

粗利 × 消費税率=消費税の納税額・・・②

①式のカッコの中は、『粗利』と同じ内容である。このため①は、②と同じである。

さらに『粗利』の構成要素は、『利益』と『人件費』であるので、次の③の式で表せる。

(利益+人件費)× 消費税率=消費税の納税額・・・③

③の式の意味するところは、企業は利益に対して「法人税」を払うことに加え、粗利=(利益+人件費)に対して、消費税率を掛けたものを納税しなければならない。つまり、企業は、法人税と消費税の2種類の納税義務がある。

具体的な数字を入れて考えてみると・・

利益が220万円、人件費が440万円だった企業を例に考えてみる。

法人税の納税額は、税率を仮に30%とすれば、220×30%=66万円

消費税の納税額は、税率10%なので、(220+440)×10%=66万円

となる。2つの税の納税額は、合計132万円で、最終的な利益は、88万円(220万円ー132万円=88万円)へと減る。

これを赤字企業と、大企業、中小企業の場合で考えてみる。

まず、赤字企業は、利益ゼロなので法人税はかからない。しかし、人件費440万円を支払った事実はあるので、消費税440万円×10%=44万円の納税は免れない。つまり、赤字で儲かっていないのに、どこかで借金するか、資産を取り崩して消費税を払わなければならない。

中小企業の中には、消費税を売価に転嫁できないところがたくさんある。こうした企業は、売り上げのうち実際に、消費税分として価格に上乗せできていないのに、売り上げに対し10/110の比率で計算された額が、消費税として自動的に受け取ったと計算され、納税の対象になる。

あと、従業員を雇用すると、社会保険料の事業主負担分と消費税の両方を、企業は負担しなければならない。ところが派遣社員などの非正規社員の場合は、雇用ではなく、外注費を支払ったという扱いになる。そうすると社会保険料の事業主負担がいらなくなるだけでなく、おまけに外注費は消費税計算で仕入れ控除できる。つまり、消費税を負担する必要がなくなる。この2つのメリットがあるので、正社員を雇わず派遣労働者として外注する傾向が、ここ何十年間も増え続けている。

要約すると、経団連は消費税を増税し法人税を下げてもらえば、損することがない。強い立場にある大企業は、消費税分を消費者に100%転嫁できるし、社会保険料の負担も増えずにすむ。たとえ、日本全体が不況になっても自分は助かる。おまけに前述したように、輸出企業はウハウハと丸儲けである。

だから、うしろに同業者が大勢いる経団連の会長の十倉さんは、法人税を上げるな、消費税を上げろと言い出したわけだ。長いものに巻かれたわけだが、こういう自分は困らないから、他人が困ることに目をつむる御仁が日本中にいっぱいいる。相対的に有利な立場にある人達は、皆そうだと親爺には思える。

芥川龍之介の小説に「蜘蛛の糸」があり、地獄の底で、上からぶら下がっている蜘蛛の糸へ我さきと殺到し、糸が切れてしまうアレだ。今の日本は、そんな風にしか見えない。 ああ、情けない、情けない!!

おしまい