10万円、何度も申請できちゃう?本末転倒のオンライン

新型コロナ対策の1人10万円の申請をスマホで行った。結論だけをいうと、スマホで出来たのだが、これがハードルがメチャ高い。

麻生財務大臣が「ぼくは(金持ちなので)申請しない。」と言ったようだが、彼がパソコンやスマホの操作に詳しいと思えないので、自分自身でまず申請できないだろうと思うほどハードルが高い。ましてや、多くのおっちゃんやおばちゃんには無理だろう。

まずハードルとして、マイナンバーカードを作成した時のパスワードを2種類控えている必要がある。一つは4桁の数字、もう一つは、英文字と数字の組み合わせたものである。画面では次の言葉が出てくるのだが、誰にも意味が分からないだろう。利用者証明用電子証明書の暗証番号(4桁の数字)と署名用電子証明書の暗証番号(6~16桁の英数字)である。なんのこっちゃ。アルファベットの方は、かならず大文字でなければならない。 また、PCで申請する際にはカードリーダーがいる。スマホから申請する場合には、まず、専用アプリの「マイナポータルAP」をインストールする必要がある。

スマホを使うと、PCと違い、カードリーダーなしで、スマホの後ろにカードを重ねれば、マイナンバーカードのデータを読み込むのだが、これの説明も全くなく、何をしろというのかさっぱり意味が分からなかった。 そうしたことで、操作のほとんどをGoogleで検索した、「オンライン申請」を説明したページを見ながら進めた。あと、銀行口座が分かるようにキャッシュカードを写真にとって添付する。

パスワードと、マイナンバーカードの読み込みができれば、あとはさほど難しくないのだが、多分、普通の人で最後までトラブルなしで出来る人は少なく、役所でパスワードを再発行する羽目になるだろう。(なにやら、引っ越しをするとパスワードを再発行しなければならないそうだ。)

なんとか、入力できた主なのだが、我が家を離れて暮らしてる家族がいるのだが、住民票をそちらに移しておらず、その家族の分もまとめて一緒に申請したほうが良かったのかなと疑問を持った。 それを問い合わせようと、何種類もあるコールセンターに電話するのだが、これがまったくつながらない。

そうこうすると、次の記事がネットにのっていた。MSNのサイトに朝日新聞の記事を短縮して、掲載したものだ。

10万円、何度も申請できちゃう?本末転倒のオンライン

驚くべし、何度でも申請ができて二重払いされる恐れもあるらしい。役所は人海戦術でチェックしており、郵送された申請書の方が処理が早いという。おそるべきお粗末さ! いったいこのシステムに、政府はいくらの金をシステム会社に払っているのか!(2020.5.21追記 西日本新聞の記事に「数千億円」と書かれた記事を見つけた) 情けない!

おしまい

コロナ自粛でスロージョギング 自粛疲れどころか、すっかり健康増進!?

新型コロナ自粛の中、テニスクラブの友人と地元の運動公園でジョギングをしている。ジョギングと言えば頑張っているということになるかもしれないが、時速6キロの速足ほどのスロージョギングである。普段から走っているわけではないので、ちょっとスピードを上げるとへばってしまうのだ。横を若者たちが跳ぶように追い越していき、他のおっちゃん、おばちゃんも速くてかなわない。下が、その運動公園の写真である。

連れの友人も、主と同様、四捨五入をすれば70歳という言う年寄りなのだが、バイクが趣味だ。もともと、少し小さめの排気量ののバイクに乗っていたのだが、主同様、さらなる物欲に負け、大型バイクに買い換えた。写真は、昨日納車されたばかりの650CCのバイクである。お互い煩悩を捨ててもよい歳だが、一向に悟りをひらけず、通販でのポチっとクリックすることが止めれない。

また彼は、有難いことにテントやキャンプ用品を持ってきてくれる。山登り用のコンロを使って沸かしたお湯で、ひと汗かいた後においしいコーヒーをいただくのは、なんとも心地よい。

そんなわけで、この二人の年寄りは、自粛疲れどころか、すっかり健康を増進している。

おしまい

今更人に聞けない!「MMT入門講座」藤井聡(京都大学教授)衆議院議員 まつばら仁

安倍首相はアベノミクスを始めるにあたって、周囲のブレーンから多くを教わり、政策をスタートさせた。

ところが、モリカケ問題を財務省にリークされ、消費増税や緊縮財政に走り、腰砕けてしまった。

しかし、財務省と麻生財務相の反対を突破して、ここは再びMMTによる真水100兆円の経済支援(コロナ対策)をやって国民を救ってもらいたい。 

そして、モリカケ事件の責任を詫びて、政権を辞任してもらいたい。
そうする以外に、地に落ちた自身の名誉を回復する方法はない。

おしまい

歯がゆい! この国に金はある!! MMT

このコロナ禍で、休業補償など他国がするのに、日本は財政危機のためそれができないという記事が、まともな知識人からもいっぱい出てくる。例えば、次のような記事、これはAERA.dotのものである。

「この国にもう余力はない」 賃金8割支給がイギリスにできて、日本にできない理由

しかし、実際は違う。MMTという経済理論があり、これが経済学の常識を180度ひっくり返すものだ。これによると、自国通貨で国債発行する国であれば、インフレにならない範囲で国債をいくら発行しても何の問題も起こらないという。 むしろ、このコロナ禍の場合、さらなるデフレが予想され、国債を発行して、困った人に給付したり、休業補償したりすることで、デフレのショックを和らげられるというものだ。

ところが、このMMT、天動説時代の地動説のようなもののため、異端扱いされる。だが、この説が正しいことは、皮肉だが日本の経済状況が一番のサンプルだ。日本は、バブル崩壊後、何度も何度も財政出動(”too late, too smasll”と言われた)したが、一向に景気が回復せず、国債残高が1100兆円を超えたがデフレのままだ。

日本で、MMTを主張するのは、京都大学の藤井聡教授、青木泰樹教授、中野剛志氏、三橋貴明氏などと少なく、国会議員でもれいわ新撰組の山本太郎氏、自民党の安藤裕氏などである。

だが、主は、主流派の経済学を時代遅れの天動説だと思っている。いまのように地動説をバッシングしていると、おおぜいの国民の命が失われる。 今回のコロナ禍で、欧米各国は、赤字を恐れず国債を乱発していち早く経済復活を果たすだろう。しかし、日本が赤字拡大を恐れて国債の発行を渋れば、ますます日本は沈んでいく。 

下の表は、財政支出と成長率の相関を表した表なのでが、見事な相関関係が見て取れる。なお、右上の一番高いところは、中国である。

タマノオヤ @jazz01438195さんのTWITTERから

もう一度言う。この国にはお金は十分にある。これまでどおりの日本に金がないと主張しているのは、生活に困らない裕福な人たちばかりだ。さいごに、藤井教授が紹介するMMT理論の動画を貼り付ける。

《オカネは、銀行で借りて、つくられる [ 誰でもわかるMMT(現代貨幣理論) ] 藤井聡(京都大学大学院教授)|週刊クライテリオン 藤井聡のあるがままラジオ》

おしまい

新型コロナ 国民全員に毎月10万円配っても何の問題もない!

国民は日本が借金まみれで、あまりに借金が多く、1100兆円もあるためにこれ以上、政府を頼るわけにはいかないと思っている。

しかし、これは財務省がマスコミを含めて洗脳をしてきた結果であり、この新型コロナの危機にあたり「国民全員に毎月10万円配っても何の問題もない。」のだ。

その理屈を説明すると、財務省が国民を脅す国債は国の借金であり、この借金は、返す必要があるというが、そうではない。国債は借り換え(償還期限が来れば、新発債を発行して借り換え)ても良いし、本当に償還する場合でも、お札をすればよいだけである。

こうしたお札を刷って借金を返すという技は、国民にも企業にもできない技だ。国民、企業は「入りを量って出ずるを制する」(入ってくるお金以上にお金を使ってはならない)を意識して生活しているが、国の場合には事情が違う。我々は日々、お金を使っているが、これは国が発行したもので、国は経済の成長に合わせてお金を発行している。この国による通貨の発行を「通貨発行権」といい、これは国にだけ認められた権利だ。昔、この通貨発行は、兌換といって、国が所有する「金」の範囲でしか発行できなかった。これを金本位制というのだが、この縛りは昭和の時代になくなっている。

また、国が国債を発行する(国が負債を負う)ということは、国債を買った人や企業ににとっては、資産(債権)の増加になる。

つまり国が負った負債なのだが、これは国には通貨発行権があるので、いつでもチャラにでき、国債を買った側に資産が増えるメリットがある。

ただ、この技が使えない国がある。それは自国通貨で国債を発行できない国、例えば、イタリア、スペインなどはEUに加盟しユーロを使っているので、勝手にユーロを発行できない。同じくギリシャだが、通貨ドラクマを放棄したため、ユーロを使わざるを得なくなって破綻したわけだ。あと、アルゼンチンなどはドル建てで国債を発行しているので、ドルを刷るわけにはいかない。

また、主流派の学者は、終戦直後の日本や、軍事独裁政権時代のブラジルなどをあげ、通貨供給を極端に増やすとハイパーインフレが起こると警鐘をならすのだが、それは政府自体が終戦直後の荒廃した供給力のない時代の話なので、牽強付会(無理なこじつけ)というものだ。

よく大量に国債を発行すると、信認を失い、金利があがるというが、日本は約30年間、1100兆円の国債を発行してきた結果、金利は下がりつづけ今ゼロである。確かにマーケットの信用を失ったギリシャが金利40%をつけて、引き受け手を探したという話があるが、これも日本にとって牽強付会だ。

ただ、お金を配ると言っても限度があるのは当然だ。日本のGDPは530兆円/年ほどだが、ここに毎年200兆円配ればインフレになるだろう。インフレになりそうになった時に初めて、消費税や所得税などをあげれば、経済活動は冷える。今は、経済活動を温めなくてはならない時期だ。

新型コロナの対策で、国民一人当たり10万円を全員に一月配れば12兆円。これを半年やると、72兆円になるが、金持ちに配ると意味がない。ただ、全員に毎月10万円を配って、金持ちも勤労者も確定申告させれば、半分以上は戻ってくるだろう。

低所得者層に30万円を配るという案が当初検討されたたが、このとき負担は20兆円程度とか言われていたので、毎月10万円を6か月配っても、40兆円くらいだろう。当然、家賃や学費などの他の支援も必要である。

GDP530兆円に対し、40兆円を国がだしてもインフレにならないだろう。新型コロナの影響で、日本は20%以上のGDPが減り、間違いなくデフレになるだろう。その状態で、40兆円出しても、デフレだろう。

しかし、当の日本の財務省は、10万円を1回だけ配って終わりにしたいと考えているだろう。そんなことでは、日本で生き延びるのは、議員、地上波のテレビ局と財務省だけだろう。

ちなみに、動画の登場人物をごく簡単に説明すると、藤井教授は最近まで、安倍内閣のブレーンをされていた。安藤議員は、コロナが始まってどんな景気対策をするかという時に、他の議員たちとともに消費税の凍結を首相に進言した人だ。三橋貴明さんは、安倍総理と食事をしながら消費税を上げないようにという話をして、やっと人気が出始めた時に、家庭の夫婦げんかで奥さんにビンタをしてしまい、奥さんが警察に行き、警察に逮捕されたら、その日の夜のニュースに「家庭内DV!!!」という記事がそこら中に載ったという方である。

以上が、2つの動画の内容の主なものだ。

 

おまけ

これらの動画や他の動画を見ると、面白いエピソードがいっぱい出てくる。どうやら、安倍首相も麻生財務大臣も最初は、日本の景気回復にはお札を一杯刷ればよい、消費税は上げない方が良いと思っていたらしい。しかし、徐々に考えが変わっていき、財務省の意向に従っているという。

その原因の一つは、国税庁の存在。また、モリカケ問題の発端は財務省のリークで、泥を財務省が被ることを引き換えにして、政府に消費税を上げさせたのではないかという。

なお、何故、財務省がそれほど財政再建にこだわるかということだが、財務省設置法に「健全な財政の確保」、財政法第四条に、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」という言葉が入っているからだと分析する人がいるという。これが本当なら、財務省、法律バカですね。さすが、東大法学部出身者の集まり。すぐに条文自体を、現実に即して改正しなければならない。

他によく言われるのは、もし財政規律をゆるめて日本経済が復活したら、財政規律をうるさく長年言ってきた財務省の掛け声は何だったのか、と問われるのが嫌だという説もある。要は、日本経済が復活して困るのは財務省というわけなんですね。

ところで、マイナンバーはすでに導入済みだし、コンピュータの事情も昔と大違いだ。

国はすでに国民全員にマイナンバーを振っているので、全員の所得を把握している。今回の給付のデータを源泉徴収義務者(企業)に伝えるようにすれば、確定申告ではなく、源泉徴収も可能だ。

今回の新型コロナの対応で、日本はコンピューターの活用がいかに遅れているということがバレてしまったが、この機会に、企業による源泉徴収制度を改め、国がコンピューターシステムを作って税額を計算して、その結果に基づいて、企業は納付だけするようにすればよい。コンピューターの進化は、たとえ1億2千万人の納税計算でも、パソコン1台あれば出来るレベルのシンプルなものにしてしまった。大げさなシステムはまったく必要ない。クラウドでちゃちゃっと作ればよい。時代はもうメチャかわっている。

ハンコ文化も止めればいいですね。

テレビの報道などで、政府の助成金などを求めて、中小企業などの事業者が政策投資銀行やら市中銀行へ出向いている様子が写される。このとき、紙の書類の束が画面に映って、これにも驚く。いつまで、紙の束で仕事をするつもりなのか、時代錯誤でしょ。紙で受け付ければ、もう1回コンピューターに入れる手間が必ずあるでしょ。

おしまい

 

黒田総裁、国債「上限なく必要なだけ」 追加緩和決定

日経新聞から『黒田総裁、国債「上限なく必要なだけ」 追加緩和決定』という記事を引用した。下がそのリンクである。その下の動画は、黒田総裁の記者会見のANNニュース映像である。

マーケットは即座に反応し、めでたく、今日の東京株式市場は500円以上の値上がりとなった。

黒田総裁、国債「上限なく必要なだけ」 追加緩和決定

 

また、現代ビジネスの記事「このままでは二の舞に…⁉コロナ禍で日銀を立て直すことは出来るのか」を引用した。サブタイトルに「新・日銀審議委員の実力はいかに」と書かれている。

新・日銀審議委員、安達誠司氏に期待すること

主も何度か安達誠司氏の意見をブログに紹介せてもらった。安達氏は強力なリフレ派の一人である。ずっと腰砕けになっていた黒田総裁に対するカンフル剤の役目を今後も果たして、日本の景気浮揚を期待したい。

おしまい

 

SINKING 沈む国 《日本経済が「コロナ危機」にこれほど弱い根因》

2010.5.14 ——————-

当初以下のように書いていた。しかし、アトキンソンさんいう日本の生産性が上がらないのは中小企業が原因だとしても、いきなり中小企業に廃業を求め、その従業員を生産性の高い企業で働くように集約するのが良いとしても、労働者の流動性には時間がかかるので、負の影響(例えば、自殺者が出るとか)が大きいと思うようになった。

つまり、現下のコロナのような問題を抱えているときに、この機会を捉えて、中小企業を切り捨てる政策をとると、労働者が新しい職場をすぐに見つけられるとは思えない。多くの生活ができない人が生じるのは確実な情勢で、まずはその人たちを救うことが最優先だと思う。

そのためには、まず財政拡大をして、人々を救い、経済を回復させる必要がある。そして、経済再生を果たしたときに、中小企業の生産性を高める方策をとるべきだ。

2020.4.26 ——————-

デービッド・アトキンソンさんが、意味深長なことを書かれている。

今回の新型コロナの件で、国力のない国が大きなダメージを受けているという話なのだが、国力のない国には、中小企業が多すぎるという。

《各国とも多少の違いはありますが、小規模事業者が多いという共通点があります。それが原因で生産性は低迷し、女性の活躍は進まず、貧困率が上昇し、GINI指数で見た格差が拡大し、財政も悪化、さらには少子化も進行するという諸問題を抱えています》

日本経済が「コロナ危機」にこれほど弱い根因   ←クリックして下さいね。

その国の頭文字を並べると、SINKINGになるという。つまり、・・・

  • S スペイン
  • I イタリア
  • N 日本
  • K 韓国
  • I イギリス
  • N ニュージーランド
  • G ギリシャ

わかりますよね。つづきは、東洋経済に書かれたアトキンソンさんの文章を読んでください。アトキンソンさんは、財政赤字に対する評価や、為替レートの影響などについて、触れられないのが残念ですが、彼の主張はとても的を得ていると思います。

なお、主は、財政の悪化が、財政支出ができない原因の全てだと考えているわけではありませんが、《財務省》のいう巨額の財政赤字が足枷になっているということが、広く日本社会でコンセンサスを得ているのは間違いありません。

しかし、国が自国通貨でいくら借金してもインフレにならなければOKというMMT理論(現代貨幣理論)も言われています。現実に、MMT理論の登場以前の何十年間も、日本は財政赤字を続けていますが、インフレになるどころか、デフレを脱却できていません。

これは、財務省やマスコミが信奉するクラシックな経済学が間違っており、今回のコロナによる各国が積み上げる財政支出によって、インフレになるのかならないのか、壮大な社会実験を意味すると思います。

おしまい

 

「深層」カルロス・ゴーンとの対話 郷原信郎(小学館)

郷原信郎の「『深層』カルロス・ゴーンとの対話」を読んだ。サブタイトルは、「起訴されれば99%超が有罪になる国で」である。なかなか読みごたえがある。この事件の「深層」が良く分かる。(以下、基本的に敬称略)

郷原信郎は、もともとカルロス・ゴーンの逮捕以降、容疑事実を含め検察の捜査や対応を批判してきて、それを書物の形で出版する予定だった。それが、ゴーンの2019年末のレバノン逃亡が起こり、改めて原稿を書きなおしたのがこの本である。最後の部分に、分かりやすいかと思ったので、出版元の小学館のキャッチ・コピーをペーストした。

まず、主が感心したのは、郷原信郎の経歴だ。Wikipediaによると、郷原は、東大の理学部の地質学科をでて、鉱山会社に入社、1年半で退職した後、司法試験に合格して、検事に任官している。メジャーな法学部出身者より志たかく、良いのではないか。別に安倍政権の批判なども徹底的にしており、彼の巨悪と徹底的に戦うぞという正義感には、つよく惹かれる。

何点か感じた点を書く。

① 日本の検察をはじめ、司法は、あまりに幼稚なロジックだけで判断しているように見える。「科学的」に判断するという姿勢が感じられない。「自白偏重」、「人質司法」という姿勢は全くそうだし、被告の主張を聞き入れず、検察が作ったシナリオに沿って調書を作成することだけに腐心し、検察が握っている証拠を被告側へ開示をしないなどと読むと、日本の裁判制度すべてが疑問に思えてくる。当然だが、「推定無罪」の原則に立ったうえで、科学的、合理的に検察は罪を立証すべきだ。検察は、手の内を隠して裁判を進め、ほとんどの証拠物件を押収された被告の手元には反証するにも資料がない、そのような状況で進む裁判で、判事は検察に有利に取り計らう。—– この本に中に次のような記述がある。

「刑事弁護人の経験から言えば、「推定『有罪』の原則」が働いていると言ってもよいほどだ。「推定無罪の原則」からは、検察が、起訴の段階の証拠で有罪を十分に立証できない場合には、一定の期限を設定して、それまでに証拠が提出できなければ無罪となるのが当然だ。しかし、実際には裁判所は、検察に補充の証拠収集や立証の機会を与える。その結果、公判が長期化する。結局、弁護人が「無罪」の証明をしない限り、無罪判決はなかなか出ないというのが日本の刑事裁判の実情だ。」

② この本を読むと、明らかに日産内部のクーデターに検察が乗ってしまったことがわかる。西川氏が日産のCEOになって以降、業績の悪化が激しく、今回のコロナも考えると倒産してもおかしくないほどだ。西川氏はすでに、ケリー氏が暴露した報酬の割増受領の責任を取らされ、辞任している。しかし、カルロ・ゴーンが、CEOを辞任し会長になった時に、西川氏を後任者に置いたものだ。その西川氏がCEOになると同時に、業績が悪化し始め、ゴーンも「これではまずい」と感じ、西川氏の責任を考慮し、交代させることを考え始め、身の危険を察知した西川氏がクーデターを考えたのだろう。

実際の司法取引をおこなったのは、法務担当役員のハリ・ナダ氏と秘書室長の大沼氏であり、西川氏がこれを知ったのは逮捕の1か月前とされている。しかし、西川氏はもっと早い段階で知っていたと思われる。この司法取引の詳細も公判が始まるまで秘密にされるのだが、これも問題だろう。

③ なぜ、特捜部はこのような、会社のクーデターに加担したのか疑問がわく。これについて、著者は、特捜部長の森本宏氏の名をあげている。大阪地検特捜部が起こした、フロッピーディスクの日付の改竄(村木さん事件)という、不祥事で危機に陥った特捜部の地位を取り戻そうと、2017年に就任した森本氏が、スーパーゼネコン4社のリニア談合、文科省の局長の受託収賄、秋元司衆議院議員のIR汚職を指揮し、一定の成果をあげたと世間から評価される。しかし、これらの捜査は検察の常識を超えるものだという。その延長線上に、ゴーン事件があり、この捜査手法は常軌を逸しているが、これまでは結果がついてきたので、今回また検察の「私物化」が行われたのではないかという。

④ 全体ととおして、日本の司法制度全般が、他のセクター(教育や医療、コンピュータなど)も同様だが、世界とかけ離れているとしか思えない。判断の根拠に合理性よりも、村社会の掟が優先し、ロジックなしでも日本では許されているが、世界に通用しそうにない。本書からそのように感じた「取り調べでの検察官の言動」を引用する。

郷原 「取り調べ時の検察官の態度だが、あなたの説明を聞く耳を持っていたか。言い分を聞こうとする態度だったか?」

ゴーン 「私の言うことはまったく耳に入れようとしなかった。ただ、私の言うことに対抗するためにどうするかということで聞いていた。意見を変えさせるために。弁護士にも言われた。逮捕しているから起訴は決まっているから、説明しても無駄だと。検察官は、ただ起訴を正当化する理由をあら探ししているだけだった。」

また別の場面で、郷原 「それに対して何か反論はしなかったか?」

ゴーン 「彼らにとってはどうでもいいこと。私の主張を聞く耳がない。こちらの論理や説明は聞かない。私の話を聞くためではなく、私にとってダメージになる材料を私の口から引き出そうとしていた。議論をしようとすると、『あなたは賢すぎる』と言った。『私はあなたのように賢くない』、という言い方。『ただ、検察にはたくさんの人間がいるから、集まったら勝利するのだ』」と。・・・

録音テープがあるはずだし、こんな様子の取り調べはあまりに情けない。

合掌。

おしまい

—– 以下、本書のコピー —–

〈 書籍の内容 〉元特捜検事が10時間以上にわたり聴取!
田原総一朗氏 「この事件は、日産と経産省による正義を装ったクーデターだとはっきりわかった」
堀江貴文氏「これは、日本の司法制度が間違っている、と世界に伝えるチャンスだ」
両氏推薦!

特捜検事として数々の事件を手がけた著者が、ゴーン氏本人に計10時間以上もの単独インタビューを敢行、検察庁の悪慣習「人質司法」の異常性、日産の奇策「内部告発・司法取引」のガバナンス上の大問題、マスメディアの検証なきリーク報道について、プロの目で聴取を行った。その赤裸々な証言から、法曹界、産業界、マスメディアに向けて大きな警鐘を鳴らす1冊が誕生した。

  • ●証言であぶり出された「深層」とは
    ジェット機に踏み込む逮捕画像はフェイク!?
    検察による「人質司法」の生々しい実態
    「自白するまで家族に会わせない」検察の常套手段
    ヤメ検弁護士と検事の不気味な関係
    ヴェルサイユ宮殿で結婚式を挙げていない 
    ゴーンを叩き潰そうとしたのは誰か
    「ルノーとの合併回避」は口実だった!? 

 

 

 

 

官僚がいつまでたっても間違いを訂正しない意地 新型コロナ 消費税

消費税にまつわる官僚が間違いと指摘されても一向に変えようとしない点を書いてみたい。

消費税は1988年に3%でスタートした。この時、消費税の表示方法に、外税方式がとられた。つまり、本体価格が、100円であれば、税込み103円と表示する方法だった。

ところが、この表示方法、税額が分かりやすいメリットがあるものの、消費者は税額を常に意識させられる。 このため、諸外国では税額をことさら明らかにしない、内税方式が普通だ。主は、いろんな国へ行ったが、本体価格と税額の両方を明示している国を日本以外に知らない。

そんなこともあり、当時結構、財政当局(財務省&国税局?)が、制度設計のマズさを批判された覚えがある。

しかし、消費税は、3%から4%、5%、8%、10%へとアップしてきたことは周知のとおりだが、相変わらず本体価格、税額を明示する方法が取られている。つまり、外国のように支払い額だけを表示する内税方式はとられていない。

つまり、当局のスタンスは、納税主体によって、内税であろうと、外税であろうとどちらでも構わないというものだが、その結果、街では100円と表示されていながら、内税で100円だけ支払えばよい場合と、外税で110円支払わないとならない場合とあり、店ごとに違っている。おかげで、消費者はつねに購買するたびに、消費税を意識する。

今回の新型コロナによる不況の対応として、消費税の0%化を強く主張されている、京都大学の藤井聡教授がテレビで興味深いボードを紹介されていた。下のチャートがそうなのだが、消費税率を上げるたびに、消費の伸びが鈍化するというものだ。

 

とくに、昨年10月の10%へのアップは、税額が計算しやすくなったために、一段と消費者の購買意欲の低下に拍車をかける効果があるという。まさにそののとおりなのだが、外国のような完全な内税方式をとってこなかったことも、要因のひとつだと思う。外国には、税率が日本より高い国がいっぱいあるはずだが、国民は税額を全く意識せず、支払っている。そのため、かりに税率がアップしても、意識せず支払っているはずだ。

日本の官僚は、1回決めたらやり直さないというのではなく、日々転換して、制度なりをつねに改善すべきだ。

ちなみに、消費税を上げても、税収は増えていない(景気は良くなっていない)という表を貼り付ける。

NIPPON.COM 《消費税「導入」と「増税」の歴史》から

おしまい

 

新型コロナ つづき

(2020/4/19)新型コロナ、あまりのお粗末さにいいたいことがたくさんある。

日経新聞から

① 医師の上昌広さんもおっしゃっていることだが、今回の件は、保健所、衛生研、国立感染症研が仕切り、指定感染症に指定して、患者の治療費は、症状に関係なく無料にするとともに、指定病院で治療するという方針を定めたことに端を発する。これは、患者の発生、蔓延に時間の猶予があり、広がりも大きくないだろうと考えていたからだ。また、PCR検査、ワクチン、治療薬開発をこれらの関係者で国内対応するために情報を囲い込もうとした。上記の機関ではPCR検査の能力も不十分で、不足が明らかだったが、PCR検査の精度が高くないことを理由に、広汎に検査をするより、クラスター対策をすれば問題を乗り越えられると考えていた。 

しかし、現実は厳しく、世界各国と全く違う道を行き、感染爆発の段階まで来てしまった。ようやく、市中のクリニックなどを参加させ、民間へPCR検査を依頼するという動きが、外部の医師たちの動きによって始まりつつある。 しかし、根本的な国の方針転換は行われない。相変わらず、この作戦を立てた医師たち(専門家会議の面々)は、テレビでしたり顔をして、今後の推移は、国民生活の自重ぶりにかかっているというような、責任転嫁の発言をしている。 

政府は失敗を認め、責任者を交代させ、方針転換を表明すべきだ。 そもそも、政府の責任者が、厚労相でなく、財政再建担当相というのが、意味が分からない。 また、政策の決定を「専門家」の意見をもとにするという「隠れ蓑作戦」を転換すべきだ。専門家にはいろいろなポジションの専門家がいる。都合のいい専門家を集めて、専門家の意見を斟酌したと言って、責任を転嫁する手法は見苦しい。 

トランプ大統領のように嫌いな部下をズバズバ切り捨てろとは言わないが、ずっとリーダーらしい。他の国のリーダーもそうだ。自分の判断だと言っている。間違っても構わない。人は間違う。大事なのは、間違いを速やかに認めて方針転換することだ。

② 政府は108兆円の経済対策をするというが、この大部分は、返納を要する貸付金や、税金の納税の猶予などで、真水と言われる一般会計からの支出は20兆円程度と言われる。貧困層に30万円を支払うという話も、公明党に協力しないぞと脅かされて、全員に10万円を配ることにかわるようだ。 10万円にしたって、30万円にしたっていずれも足りない。30万円にプラスして10万円を給付すればよいと思うのだが、大仰なことばかりいながら議論ばかりで一向に支払われない。 今日のニュースで、西村経済再生大臣が、総務省のマイナンバーが、住基台帳の氏名と住所とつなげられるのに初めて気がついたらしく、これを使えば「早く支払えることが分かりました。」という意味のことを発言していた。 とにかく支払いが、遅いのだ。 30万円の時も複雑な計算が必要で時間がかかるようなことを言っていたが、マイナンバーを使えば、毎年の所得は補足されており、簡単なプログラムを書いて抽出すれば、あっという間に対象者は確定できる。名前も住所も、家族状況も捕捉されており支払い可能だ。 とにかく、コンピューターの活用がゼロだ。

そう言えば、政府がLINEを使った調査をしているが、LINEの回答に、4日以上熱があるという人が3万人程度いるらしい。そのことについてソフトバンクの孫さんが、その人たちがウイルスをバラまいているのじゃないかと疑問を呈されていた。そのとおりだろう。(因みに、その後調査結果が公表されていないらしい。)

③ 安倍総理のアベノマスクと動画のコラボを見て、感覚のズレにも呆れた(単に下々の生活を知らないのかもしれない)が、財務省をはじめとする官僚の動向が気になる。安倍政権は、モリカケ問題で、悪役をすべて財務省に被ってもらった恩がある。検事の定年延長でも、法務省に被ってもらった。そのしっぺ返しが来ているのだろう。財務省は、1月以来のコロナの騒動で、予算が成立しない限りは石でも動かず、大きな財政赤字を理由に財政拡大には協力したくないという態度をとっているように見える。今回の30万円と10万円のすげ替えでも、補正予算の組み換えに1週間かかるという。国破れて、霞が関が残るのだろう、馬鹿げている。国民へ素早くお金を給付するのに、マイナンバーや住民基本台帳のシステムを繋げれば、素早くいかようにも支払えるということを、財務省が知らなかったはずがない。官僚は、知恵を政権に提供していないとしか思えない。 

また、新型インフルエンザ等対策特別措置法を読んでみたが、これも巧妙だ。この法律は、政府が方針を決め、地方公共団体が対策を実施することになっている。費用負担については、医療にかかる追加費用のことを一部のみ書いてあるが、休業補償などは一切書いていない。 

この法律を盾にして、政府は高い位置から方針だけをだし、地方自治体が右往左往している。最終的な地方自治体がする補償金の類は、政府へ求めることになるのだろうが、それは財務省の権限が増大することを意味する。この法律のおかげで、コロナ対策の責任は地方公共団体に向けられた。究極の責任逃れであり、厚労省も、財務省も責任は軽くなった。このような方策は、あり得ないだろう。 

また、アベノミクスで雇用改善の効果を上げた安倍政権だが、ブレーンたちが求める消費税の減税ができないのは、自民党の主流派(麻生財務相、二階堂幹事長など)だけでなく、財務官僚をコントロールできないからだろう。抜本的な救済策をとれないと、確実に自殺者が、救命した死者数より多くなるだろう。

官僚の件については、今国会が開かれているが、会期中は特に官僚の幹部クラスは、国会議員に想定問答を作ったり、レクチャーをしたりで、エネルギーの大部分が注がれる。実際の業務の大部分を担っているノンキャリだが、キャリアの許可なしで仕事はできない。それが原因で、この危機でも効率が大きく落ちているだろう。そもそも、霞が関、地方の出先機関のヒエラルキーのあり方が、時代錯誤だ。成功している企業は、必ずフラットで、実力主義が徹底しているはずだ。

④ 普段、説得力のあることを言われている橋下徹さんだが、今回は怪しい。彼は、重要な指標は死者数で、日本の死者数は少ないというのだが、主は発表されている死者数自体が怪しいと思っている。毎月肺炎の死者数だけで、1万人ほどあるのだが、PCR検査をせずに亡くなっている。これらのうちには、かなりの感染者が含まれている可能性がある。 

ただ、日本の広がりは、どうも欧米よりは少ないというのは、間違いなさそうだ。下は、BLOGOSのリンクだが、悲観的シナリオで、日本の感染者数のピークは4月26日前後になり、日本全体の累計感染者総数は5万人に達する。楽観的シナリオによれば、日本の感染のピークは4月16日となり、累計の感染者数は2万人以上に達するという。

台湾の研究者が日本の新型コロナ感染拡大を試算、5万人感染で「第二の湖北省になる」と警告 – 野嶋 剛 (ジャーナリスト)

WEDGE Infinityから

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症のクラスター対策班、西浦博北海道大学大学院教授が、このまま何の対策もとらなければ日本で約42万人の死者が出ると警鐘を鳴らされているが、実際には、台湾の研究者がいう数字、感染者数が2~5万人となるものの、欧米の死者数ほどにはならないというのが、第1波の感染としては、体感的に当たっていると思える。

つまり、42万人の死者(現時点の世界中の死者数より多い)というのは、どうなのか。前提条件の何かが間違っていないのか。根拠を詳しく公開して、大勢で検証すべきだ。なにしろ、これが国民に求められている「自粛」の根拠である。西浦教授は無報酬で働いているという記事を目にするが、十分な手当てをもらって、正しい方針を立ててもらいたい。

橋下徹さんに戻ると、国会議員の待遇を批判して、給与返上せよと言った。これはまさしく正当で、ほとんどの国民の所得が下がる中、国会議員、地方議員とも好待遇がバブルのままだ。こんなふざけた話はない。威張りながら、名誉もあり、好待遇が補償される職業は他にない。国民と同程度か、低いぐらい(500万円くらい)が、私心を抱かずにすみちょうど良いのではないかと思う。

⑤ 韓国の選挙で与党が圧勝した。コロナが追い風になったらしい。日本は明らかに反面教師であり、情けない。誰が指導者かと、うんざりである。

⑥ NHKのETV特集でコロナに対する「世界の知性」がどう見るかという番組をやっていた。(下にその映像を貼りました。)出てきたのは、イアン・ブレマー、ユヴァル・ノア・ハラリ、ジャック・アタリの3人である。

印象的だったのは、世界の様相を変えるぐらいのインパクトがあるだろうと3人全員がいうことだった。安倍総理が言う「V字回復」するというような甘い話は全くない。イアン・ブレマーは、格差がこれ以上に拡大し、何のイニシアティブも取らないトランプ大統領が、中国とケンカをしてさらに世界は分断するだろうという。対策には「犬を飼ったら心安らかになる。」といい、対策は何もないと言いたげだった。

ユヴァル・ノア・ハラリは、コロナを利用して独裁へ向かうハンガリーを上げていたが、主は日本も独裁国家と変わらないと思って聞いていた。(日本のマスコミは忖度し過ぎだ。間違ったことに、《揶揄するような小さな声で》警鐘を鳴らすだけではなく、具体的な証拠を出して、自分の意見をはっきり表明すべきだ。確かに強い政権に盾ついて、干される恐怖は働くだろうが、存在意義を自ら放棄しているとしか思えない。マスコミがつよいのは、芸能人の不倫問題だけだ。) 

10年前にパンデミックを予想していたジャック・アタリは、この危機が、市場と民主主義の危機であり、やはり分断を危惧している。 そもそも、トランプ大統領の登場とともに、グローバリズムは終焉を始めたのだが、日本の安倍政権や、マスコミは相変わらず「自由貿易」を旗印にして、グローバリズム(格差の拡大)を積極的に否定しようとしない。

https://www.dailymotion.com/video/x7t9vvs

おしまい